木の螺旋階段が実現するまでのお話です
店舗改装計画の初期段階で、階段をどうするのかをお客さんと打ち合わせをしたのですが、思い切って店舗の一番見えるショーウィンドの場所に「螺旋階段」を提案しました。
最初は、
「スペースが狭くて、お盆を持って上り下りするのが大変」
と難色を示されたのですが、最終的には了承を得て、実現に一歩近づきました。
そして、通常思いつくのは「鉄骨」による螺旋階段なのですが、どうもお客さんのイメージ的に鉄より木の方が良いという事で、「木」で螺旋階段を実現する方向となりました・・・
螺旋階段のある店舗のイメージ
とりあえず、店の外観イメージを描いています。外から螺旋階段を上り下りするのが見えるのは女性的にはNGなのでしょうが、「絵」的にには魅れます。
螺旋階段の構造スケッチ
木造で螺旋階段を実現するためのラフスケッチで大工に構造を説明します。
中央に丸い親柱を建て、その周りに円柱を配置して段板で繋ぐ・・
単純な構造ですが、実際には大工が嫌がる仕事でもある。
中心の丸柱を探すのも一苦労です。乾燥した手頃な丸太が、そう簡単に見つかるワケがない・・
とりあえず、材木屋さんに行ってみたら、片隅に転がっている手頃な丸太を発見!
速攻で購入し、お客さんに見てもらいました。
「縁」と言うのはあるものです。
店舗の実際の位置に立ててみます。
丸太の見え方や反りの具合のもあるので、現場で方向を確定します。
工場での加工風景。
柱を磨いて、墨を出します。
木口(こぐち)に方向が墨出しされています。
段板の原寸図を合板に作成。この型板が最後まで重要になる。
親柱を現場に立てます。
1,2,3段目が終了
4~8段目が架け終わりました
上から見た所。
廻っている状態が分かります。
最後の直階段です。
直階段は、組み上げてから2階の床と廻り階段に接続します。
直階段を架け終わりました
ようやく開通
螺旋階段の完成
実際、階段を架けてしまえば、単なる階段でしかありませんが、そこへ行きつくまでのプロセスや加工を考えると、まず、やらないでしょう。
知恵と苦労と汗の結晶なのであります。
それを実現してしまうのが、ウチの会社・・・・
カウンターから眺めた螺旋階段
このアングルが、美しい。
上から見たところ・・
店舗TOPへ・・