一年前に書いた、即興音日記#116「0.01のいちにち」を聴きながら思いついたことを記しました。
歌詞の一節「見えないものは、無理をしないよ」。我ながら良い心掛けだなあ。
-安全圏の安心感。
家の中で過ごしていれば、遠くが見えなくても、ものがはっきり見えなくても全く困らない。どこに何があるかほとんど知っているから。毎日暮らしている場所は、絶対的な安全圏。この安心感は何物にも替えがたい。
-五感について。
視力0.01の人間がコンタクトレンズを装用せず眼鏡もかけないというのは、視覚を半分閉ざした状態とも言える。実際にほとんど見えないことによって聴覚と触覚の感度が増したような気もする。これも目を裸にした「0.01のいちにち」の良かった点だ。
-ミュージックビデオについて。
即興音日記の名の通り、ビデオも時間をかけずにほとんど感覚と勢いで制作したものなので、今見返すと、動きの要素が多くて(曲と動きがあっていなくて)うるさい感じを与える。私をこんなに映さなくてもいいし。
ということで、この曲のテーマ「見えない」を、「見ない」という行動に転換して、目を閉じて音だけ聴いた。すると(当たり前だれけど)歌詞が聞こえてきて、この曲が言わんとすることが頭にすんなり入ってきた。
-創造について。
私は新曲を録音したら、つまり頭の外に曲を一度出してしまったら、どんどん忘れていく。そうしないと次の曲を書くワークスぺ―スが脳内に確保できないから。
私は「二度と同じことはやらない」ように努めている(つもり)。自己模倣に陥ると、音楽をつくる喜びが著しく減ってしまうから。
書いたそばから曲を忘れ去っていくので、このように過去の自分の曲を聞き返すのは、とても有益。自分が何をしたかを思い出せる。なに!俺はこの時こんな表現をしたのか、という驚きもある。
録音を嫌うミュージシャンもいるが、私にはとてもありがたい。
◉お知らせ
アルバム『音楽と非音楽のあいだ=日常』をデジタルリリースしました。
11曲収録、37分。全曲無料で聴いていただけます。ご自身の音楽環境によってプラットフォームを自由に選んでいただけますが、YouTubeが聴き勝手が良いようです。
もしよろしければお耳をお貸しください。
#一年前の私と再び出会う
#エッセイ
#フジサキヒロカズ
#fujisakihirokazu
#即興音日記
#自分の曲をおさらいする