過去に私が作ったプッシュプルアンプは、どれも、これと言って欠点は感じられないけど、なにかもう一つ納得できない感じがありました。
音の広がりは、作った当初は、なかなか良いものがあるなぁなんて思っていても、しばらく使い込むと、良いと思っていたその広がり感が
ピントがぼやけて滲んだように感じ、「あ~ やっぱりシングルアンプのほうが性に合ってる!」となってまたシングルアンプを使いだす
という繰り返しでした。
一方、シングルアンプは、広がり感は後退するけれど、プッシュプルアンプで感じるような、変な広がり感はなく、聞いていて心地よい
アンプといえると思っています。
で、今回の6B4G PPアンプです。
今まで作ったプッシュプルアンプは、すべてリークムラード型のアンプでしたので、これを変えてみるべく、イントラ結合を試みた次第です。
イントラ結合で、プッシュプルアンプを作ったらどうなるのだろう?
イントラ結合にすれば、今まで作ったプッシュプルアンプとは、違ったものができるかもしれないと思うに至り、イントラ結合のプッシュプルアンプを作ってみたわけです。
完成から、約一か月の使ってみた感じですが、その目論見はある程度当たっているように感じています。
リークムラード型のアンプとは、やっぱり違っていて、ピントがぼやけた感じは無く、心地よく音楽を聴けるように感じています。
ちょっと乱暴な言い方をすれば、シングルアンプとプッシュプルアンプ(今まで作ったリークムラード型)の中間のような感じでしょうか。
もう少しこのアンプ使ってみようと思っています。
それとこのアンプを聞いてみてもう一点面白いことを経験しました。
6B4Gの自己バイアス回路に遊びのつもりで設けたスイッチがあるのですが、このスイッチのONーOFFで、わずかですが音が変わるようです。
スイッチON状態では、上下の6B4Gのフィラメントをパスコンを介してグランドに接地するのごく普通のA級プッシュプルとなりますが、スイッチoff状態では、上下の6B4Gのフィラメントをパスコンでつなぐ差動風?の動作となるようなお遊びを入れたのですが、このスイッチがOFFのとき、例の滲み感がさらに少なくなるように感じました。
個人的には、こちらのほうが好みに近いので、完成後は、ずっとこのスイッチはOFFで使用しています。