予想では,予選でただ一人1分17秒台を刻んだハミルトン(英:マクラーレン・メルセデス)の一人勝ち,と踏みました。
何せ,セクター3で赤馬遅いし・・・。
ターン10のヘアピンに代表されるように,ストップ・アンド・ゴーが多いモントリオールは,トラクションのよく効くマクラーレンが,ストレートスピードの速い赤馬を凌ぐ,と予想。
スタート良く飛び出したハミルトンに,やっぱりな,と失望。
予想通り,2位のクビカ(ポ:BMWザウバー)を引き離し独走態勢。
もしかすると,PP獲得とスタートダッシュに賭けた3ストップ作戦か,と一瞬思いました。
すべては,あのセフティーカーでした。
ハミルトンのマージンが無くなった,と思いきや,上位3台が重連で入ってきたのには魂消ました。
ピット作業は伝統的にマクラーレンが速いか,と踏んだら,今回はBMと赤馬に先を越されました。
ピット出口の赤信号に,クビカとライコネン(扮:赤馬)が並んだ,と思いきや,赤馬のオ○マを掘ったハミルトン・・・(10グリット降格は当然だ)。
ついでに,後方から来たロズベルグも巻き込まれる・・・。
個人的にはマクラーレンが嫌いなので,ハミルトンのリタイヤはしてやったりだったのですが,ポイントを争うライコネンも巻き添えになるとは・・・。
この時点で,1ストップのハイドフェルド(独:BMWザウバー)か2ストップのクビカのいずれかに勝利の芽が出ました・・・。
いやー,やはりカナダは荒れますな。
逆S字の1コーナーでは必ずと言って良いほど混乱が起きるし,チャンピオン・ウォールと言われる最終シケイン立ち上がりの壁(99年に,兄シュー,ヒル,ヴィルヌーヴというチャンピオン経験者が立て続けにヒットしてリタイヤした)もあるし,ランオフエリアが狭く,ガードレール一直線だし,ちょっとのクラッシュで,あっという間にセフティーカー出るし・・・。
それにしても,ロベルト・クビカはお見事のひと言に尽きます。
昨年ターン10での大クラッシュ(私は,94年以来の悲劇再来と思った)という地獄からの生還,そして見事な勝利です。
ジャック・ビルヌーウの代役デビューから2戦で表彰台を射止めた実力は,只者ではないと常々感じてきましたが,こんなに早くポディウムの頂点を極めるとは思いませんでした。
ポーランド国歌を初めて聴きましたが,その後に流れた独国歌はコンストラクターに対するものだったのですね(ハイドフェルドを讃えたのかと思った)。
創始者ペーター・ザウバーの名は残ったものの,完全にBMW資本の独チームになっていたということでしょう。
スイス国旗があつこちで振られていましたが・・・。
こうした荒れたラウンドを生き残り,しっかりものにすることこそ大事なのですが,中嶋Jrはもう一歩でした。
逆に中段に埋もれかけていたにもかかわらず,今回は好判断によってTOYOTAがW入賞を果たし,少しばかり私も溜飲を下げました。
ただ,ラスト数周,1コーナーの立ち上がりでミスったグロック(独:TOYOTA)が謎の減速しなければ,トゥルーリ(伊:TOYOTA)は後方から突っつくマッサ(伯:赤馬)に躱されずに5位でフィニッシュできたと思うのですが・・・(体調不良ながらマッサを押さえていましたから・・・)。
圧巻は,8位を守ったセバイスティアン・ベッテル(独:STR赤馬)です。
ストレートスピードが圧倒的なマクラーレン相手に,1,2コーナーでは見事なブロックを再三決めるなど,見事なマシンコントロールを見せてくれたのには瞠目でした。
今回の殊勲賞は,このベッテルにあげたいところです。
しかし,モントリオールのサーキットは,2つの直線(セントローレンス・シーウェイ,オリンピック・ローイング・ストリップ)の周囲の景色は抜群なのですが(セントローレンス運河のノートルダム島に位置する),路面の悪さはたまりませんね。
3から4コーナーやターン10のヘアピンは,皆ずるずる滑っていましたし,μ(摩擦係数)が低く,モナコ同様タイヤにとっては拷問のようなサーキットですね。
公道閉鎖の宿命かも知れませんが,シルバーストーンやホッケンハイムといった欧州のサーキットに比べて,新大陸のサーキットコンディションには疑問を感じざるを得ません。
さて,今年からインディでのアメリカGPが消滅したので,F1は再び欧州に戻ります。2週間後,マニクールサーキットでのフランスGP。
アデレードヘアピンでのオーバーテイクに期待です。
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