Fare un brutto sogno

大切なのはバランス
無理をしたときの揺り戻しが一番怖い

桜の木の下で

2005年01月08日 23時40分50秒 | 1.心の叫び

『あゆみ』
パパがどうして
お前に歩(あゆみ)と
いう名をつけたのか判るかい
お前の青春を
お前の人生を
一歩一歩
歩いて行って欲しいから

決して走っては
いけない
必ず必ず
息が切れるから

明るい一筋の
光を目指して
後ろを振り返るな
歩き続けるんだ

パパはお前を愛している
ずっと近くに居たかった

パパはお前に感謝している
たった一つの希望だから



私が通っていた中学校から渋谷の同じ高校へ進学したのは3人しかいなかった。
その中の一人が「あゆみ」だった。
あゆみは、中学は体操部
高校では新体操部だったかな。
更に夜は極真会館に通っていた。
体操で鍛えた身体は空手に向いていたね。
当時としては珍しく女子部の黒帯を取得した。

当時の極真年鑑には、全日本選手権に出場する選手のゼッケンを縫い付けるあゆみの姿が掲載されていた。
極真会館って、全日本大会や世界大会の運営は、本部道場生がやっていて、
色々な作業を行います。
私も前日から警備の配置確認や選手の案内確認をしてました。

彼女のお父さんが亡くなったのは中学生の時だったかな。
何て声を掛けたらいいか、見ていられなかったね。
お父さんが亡くなったことと
彼女が空手を始めたこと
確か、関係あったはず。

「そこにいることが当たり前で」
「お父さんって当たり前の存在」
「その当たり前の人が突然居なくなるという事」
「うまく消化できない」

そんなことを彼女は言っていた。

あの頃、彼女の家の前の芝生に
桜の苗木が植えられた。
10センチ程の長さ。

あの桜の木がね
先日久しぶりに見たとき
随分と大きくなっていた。


『あゆみ』という歌は、あの時の彼女の歌だった。
そう、お父さんを亡くした時
それから通学の電車の中で、二人でその時の事を話した時
その一つ一つの言葉が
そのまま歌詞になり、歌になっていった。


先日、とても大きくなった桜の木を見あげた時

「おい、久しぶりだね」

と、桜の木から声を掛けられたような気がした。
そして、25年間、忘れていたこの歌が
頭の中に響いて来た。


不思議だよね。


コメント
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