昭和建築学会


昭和の建築物や路上にあるオブジェなどを中心にご紹介します。

昭和建築学会 第89回 神戸東京12日間 その18 曳舟4(最終回)

2015年05月06日 | 建築

曳舟もそろそろおいとまするころです。

 

 

角物件。

建物の持ち主、きちんとした考えの持ち主のようです。ブロックで囲ってあります。

 

 

ブロックの内側、木の覆いをとると……、特になにもないようでした。水道のメーターくらい期待したのですが、

私立解放区?

 

 

左端が件の角物件。増築して物置を作ったのでしょう。で、角物件のトマソンができてしまったと。

丸い街灯をつける位置がなんか変。

 

 

多分、いなり寿司と海苔巻きのお寿司を売っているお寿司屋さん。

生ものは、扱わないってところでしょうか。

 

 

地味なお寿司屋さんと侮ってはいけません。この斬新なタイル模様。元色町ならではでしょうか?

 

 

四角のタイルを斜めに貼ってゆくという感性、いいなあ。

 

 

目を降ろしてくると、角物件。

何でもない鉄のポール。折れ曲がってますけど。それよりも、空き缶の灰皿が拘束されてます。

 

 

昔の、ごみだめ。もちろん私有地にありその家のもの。真新しいほうきがあります。現役なんですね。

都のゴミ袋に入れないといけないのでは……。

 

 

ごみだめを見上げると、わたしの大好きなトタン建築。一方通行の標識がそってますが、どうやってそったのでしょう? 

大型の車が入れるわけでもないし……。

 

 

ごみだめの真下から見上げたところ。うーん、三次元解放区といったらいいのか……。

 

 

古い民家を生かした喫茶と軽食の店。庶民の食べる価格じゃないですよ。

ひょっとして、元遊郭として、観光資源化しようとしてるのでしょうか? 

「ポークジンジャー丼」、豚肉のしょうが焼きをご飯にのっけただけじゃないのかなあ? 高すぎる……。

 

 

お店の窓の片隅にこのようなものが、っていいますが、素人目には何の会員のことか分かりません(泣)

 

 

かなり狭いガラスの扉?

 

 

まあ、この格子に時代があるとは思いますが、……、

 

 

二階部はこんな感じ。元遊郭ではないでしょう。残念ながら。

それよりも隣のあかい幌の建物……、

 

 

この緑色をおびた板の貼りつけ方が気になりました。

 

 

あらためて、喫茶軽食の店の看板。昭和2年の長屋ですか。うーん……。

求めるのはカフェじゃなく、カフェーなんだけどなあ。

 

 

トタン建築、謎の扉? 謎の丸印……。

 

 

でもないようです。改築を重ね、トマソン的な凹みができたってところでしょうか。

 

 

扉の横に小窓が……、考え過ぎかなあ。

その右にさらに小さい窓らしきものが……、もう少し詳しく撮っておくべきでした。

 

 

楽しいな、こういう装飾。

 

 

さりげなくアールを見せ、元戸袋らしきところにはなんと、

 

 

現代絵画が描かれていました。

 

 

また、違うおたくですが、やはり扉の横に小窓!やっぱり元遊郭の建物に違いない!

ステンドグラスのさらに小さい窓が。

だいたい、ステンドグラスが、このような下町の建築資材として使われるのはわけありなのです。

すごく高価らしいですよ。

 

 

これは何なのでしょう? 新聞受けなら濡れてしまうし、牛乳入れなら日に当たってしまうし、

とりあえずトマソン、かな?

 

 

おー、わがふるさとの風景。

 

 

それにしても、その場しのぎの修理や改築が半端じゃないですな。

 

 

石柱がなげやりに(?)ステンレスの物体(?)を支えている(笑)。

 

 

封印された郵便受けと、その下の謎のコンクリートの出っ張り。

 

 

横からのぞいてみました。正体不明の出っ張り。

 

 

昔は掲示板だったのでしょうか? 今は指定ごみ置き場のようです。ほうきが二本も。

 

 

昔は、たいそうなおたくだったのでしょうか。この石柱の立派なこと。

 

 

ごみは分別して日にちを守ってだしましょう。

 

 

掲示板から右の方を見ると、電柱の腹巻きにヤンキーアートが。

 

 

トタンもだいぶ老朽化の模様ですね。

 

 

これは多分、ごみの入ったレジ袋を引っかけるもの。下町の大発明ですな。

 

 

もはや、水平や垂直という概念の成り立たない一画です。

 

 

機能してる掲示板。

まさかAKBの女の子の出ているポスターが貼られているわけでもないのに、持ち去り厳禁(笑)

客引き行為NO! このポスター欲しかったなあ。

 

 

場所は変わって、みごとなまでのトタン建築。

いや、これは美しいです。植木鉢の多さも、トタン建築につきものですな。

波形トタンはキュビズム建築を可能にするようです。

 

 

頭部以外は高級そうなにゃんこ。

 

 

閉鎖された窓。

何か、この造作を見ると、すんでいた人、封鎖した人はなにかすごく温厚で優しい人のような気がしますが、

読者のみなさまいかがですか?

 

 

ぼくが何度も指摘している、木でできた菱形扉。

こういう風に木を組むのは限界があるんです。

しかし、車の出入りはちゃんとあるようです。偉い。

 

 

炭焼焼肉の「ぱだ」。

韓国語でしょうかねえ?

 

 

塩(JTによる専売制ももうなくなっている)のしみじみした看板に、泣く児も黙るオリコの広告。

ちょっと目立ちました。

 

 

一台だけとめられるパーキング。

小さな家が解体されると、こんな変わったパーキングが現れる。

不思議と月極は見たことないです。

 

 

知らない人は知らないけれど、釣り人ならば知ってるヘラブナ釣りの道具の専門店。

元釣りマニアとしては、道具を見てるだけで楽しい。閉まってましたけど。

 

 

そんなに背が高くないのに、避雷針を設けてる慎重派。

 

 

久々に見た、トイレの空気抜き。なつかしいなあ。

 

 

二階にトイレを増設したのでしょうか。この出っ張りすきだなあ。キュビズム建築認定。

 

 

何の機械か分からないけど、いかにも下町らしいです。

 

 

雨樋の管と思いきや、上の出っ張りを四本で支えているよう。

もう少し、写真を撮っておくべきでした。

 

 

よほど、土地持ちなんでしょうね。

 

 

キュビズム建築の名作。屋根左端に注目。

 

 

と、もっともらしいことが書かれてますが……、

 

 

そこの階段のところには無造作に二宮金次郎の像が……。

ペンキついてるし……。

 

このにょきにょきと塀をはう管、さしずめチュビズム建築ですな。

なんか、見てはいけないものを見てしまったというか、

知らない女性の裸をはからずも見てしまったというか、そんな気分になりませんか?

 

 

きれいな、トタン。傘がかけてあるのがキュートですね。

曳舟おしまい。