八文字学園・学生支援センター

学生支援センターでは「学費準備」の面から様々なサポートを展開しています。

進学費用のマネープラン⑧(授業料減免の「区分」)

2023年06月12日 | 学生支援センター
国の「高等教育の修学支援新制度」では、給付奨学金と授業料減免がsetになっています。

進学費用のマネープラン⑦(給付奨学金の「区分」)で、給付奨学金での区分変更について説明しましたが、今回は「授業料減免」の側から、区分変更について説明したいと思います。

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大前提として、給付奨学金と授業料減免の区分連動しています。よって...
・給付奨学金が第Ⅰ区分なら、授業料減免も第Ⅰ区分
・給付奨学金で区分変更が生じたら、授業料減免も同じタイミングで、同じ区分に変更
・給付奨学金で「廃止(給付stop)」になったら、授業料減免もstop

こんな感じになるかな。

ほとんどの大学では、授業料減免の対象額を本来の授業料から差し引いて請求しているので、もしも...もしもの話ですが、途中で退学した場合、在籍していない期間分、減免額の返戻(へんれい:返金のことです)が求められる場合があります。

給付奨学金は月額給付だから、退学した時点でstopとなるはずなので、返戻は原則として生じませんが、授業料減免は、1年分 or 半期分を見越して減免処理が行われているので、返戻手続きが生じることもある...ということになります。

〈参考〉
多くの専門学校の場合、「減免(本来の学費から差し引いた後の金額を納める)」ではなく「還付(いったん本来の学費を納入し後から減免相当額が戻ってくる)」の形式取っていますが、「還付」の場合は、在籍した月数分の授業料減免相当額が還付されます。

【例】第Ⅰ区分の奨学生が7月に退学(4ヶ月在籍)した場合
(第Ⅰ区分の半期分)÷6×4
=(59万円÷2)÷6×4
≒19.3万円

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さて、本題の「授業料減免での区分変更」になりますが、次の表をご覧ください。


専門学校の授業料減免の上限額を示した表になります(他の学校種については文科省の高等教育の修学支援制度を参照してください)

ここに「入学金減免」の16万円(八文字学園では15万円)が追加されるので...

決定通知に第Ⅰ区分と表示されていて、1年次の秋に区分変更がなかった場合
  ↓
入学金減免+授業料減免(年額)
=15万円+59万円
74万円
が、減免(or 還付)の対象額になります。

もしも、秋の区分変更で、第Ⅰ区分から第Ⅲ区分に変更になった場合
  ↓
入学金減免+授業料減免(前期)+授業料減免(後期)
=15万円+29.5万円+9.83万円
54.33万円

が、減免(or 還付)の対象額になります。

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進学費用のマネープラン⑦(給付奨学金の「区分」)でも触れましたが...

決定通知に第Ⅰ区分とあるから...とあてにする(あてにし過ぎる)中で、秋に第Ⅲ区分に変更になってしまうと、減免(or 還付)対象額が、約20万円ものズレが生じるので、これは困った...ということになってしまいます。

給付奨学金だけでなく、授業料減免の視点からも、あてにし過ぎず、採用となってLucky ぐらいの気持ちで丁度いいのかと思います。






進学費用のマネープラン⑦(給付奨学金の「区分」)

2023年06月11日 | 学生支援センター
奨学金予約採用③(貸与奨学金・給付奨学金)で、本当にザックリと給付奨学金について説明しました。

奨学金予約採用⑩(併給調整)では、給付奨学金と第一種奨学金との連携について注目しました。

まだまだ知ってほしいことの多い給付奨学金(授業料等減免にも連動)ですが、今回は、受給額の基準となる「区分」について説明したいと思います。

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奨学金の申請には、マイナンバーカードの提出(まだ持っていない方は「個人番号記載の住民票の写し」でも可)が求められますが、そこから、日本学生支援機構が定期的に世帯収入をチェックし、給付奨学金の「区分」が決定していきます。

定期的...と書きましたが、確定申告が3/15頃に終了することから、おのずと、区分の見直しの時期が体系化されていきます。

もっと具体的にいうと、「国の高等教育支援制度」開始以来、区分変更同じ時期(厳密には10月)に行われている...と思っていただいてもいいのかな(川上はそれ以外の時期の確認ができていません)

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いつもながらですが(汗)、講演会の資料をご紹介します。


この夏休みまでに、予約採用に申請したとします。

この時点で、2023年の収入は確定していません(2023年1月~12月の収入で確定するはず)ので、保護者様の世帯収入の審査は2022年時点(高2時点)で判定されることになります。
  ↓
高3年の12月頃に受け取る決定通知区分が記載されます
  ↓
大学等に進学し、決定通知の内容で受給開始

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ここで補足をはさみます。

予約採用申請時点で母子家庭、給付奨学金が第Ⅰ区分だった方が、高3の2月に母が再婚。

...となると、そこから先は世帯収入が大きく変化することになります(奨学金は「保護者」という認識ではなく「生計維持者」という認識なので、再婚後、父-子の間に養子縁組がされなくても、世帯収入は父母の合算になってしまいます)

この条件下であっても、奨学金採用時点の内容(決定通知の内容)が適用される...と、日本学生支援機構の担当者より、直接、説明を受けています。

つまり、再婚して世帯収入が増えても、転職して収入が大幅に増えても、一度決まった区分について、大学等入学時点での再審査は行われないことになります。

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話を元に戻しますね。


大学等入学の直前に、2023年分(高3時)の確定申告終了
  ↓
(時期は定かではないけど)1年次の8月までに、マイナンバーの再チェック(最新の収入状況の確認)
  ↓
9月に10月以降の区分の提示(発表)
※各奨学生が登録している「スカラネット・パーソナル」より各自で確認
  ↓
10月より、9月の発表に合わせた金額の受給

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こんな感じの流れが、毎年繰り返されることになります。

…なので講演会では、

表示された区分最終決定ではありません 

定期的に審査され、判定結果によっては区分が変わり、それに伴って受給額も変わるので、マネープランが大きく変わってしまうこともあります

と説明しています。

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講演会でも話していますが、

給付奨学金は、あてにし過ぎず採用となってLucky ぐらいの気持ちで丁度いいのかもしれませんね。







〈在学生へ〉奨学金の受給確認を!

2023年06月09日 | 学生支援センター
八文字学園では、5/8(月)~5/11(木)に、予約採用申請済みで決定通知を持っている学生を対象に、PC入力を実施しました。

管理者用のデータベースを見る限り、ほとんどの方の手続きが終了となり、本日(6/9)、申請額が振り込まれているはずです。

今回の入金額は、給付奨学金・第一種奨学金・第二種奨学金とも4~6月の3ヶ月分、入学時特別増額貸与奨学金を申請している人は、その分も振り込まれているはずです。

通帳記帳等で、受給状況を確認してみてください。

※在学採用から申請した学生は、7月以降の受給になります






進学費用のマネープラン⑥(奨学金の返還方法)

2023年06月09日 | 学生支援センター
進学費用のマネープラン⑤(奨学金の返還月額)を読んで、奨学金の返還に16年もかかるの?(大学だったらおそらく20年返還になるはず)と思った方も多いはず。

専門学校卒業後に16年かけて返還するということは...返還終了時点で36歳

...ということは、小学生の子供がいてもおかしくない年齢まで、自身の奨学金の返還にあたっているということになります。

八文字学園の学生支援センターでは、学費納入支援にまで携わるクライアント様が何人もいらっしゃいます。

その方々に、学費納入支援終了後、奨学金の返還に関する雑談をすると、一様に、一定の理解をいただいています。

最近では、講演会でも川上の考える奨学金の返還方法について説明していますが、そこで提供している資料が次の画像です。


①から④に、それぞれ補足を加えると...(返還対象額288万円、月1.6万円×16年返還で想定)

①奨学金専用の口座の準備
・記帳により返還に対応できる自身の保有額が確認できる
・他の用途(給料受給、スマホ等の支払いなど)と一緒だと、奨学金に限った「家計簿」的な記録が必要になる

②返還start時に約20万円
・限りなく¥0からスタートすると不測の事態に対応できない
 不測の事態:離職による無給状態(出産による無給、減給も含む)
・長期の返還の中で、病気・事故・リストラ等の事態が生じたときでも、自身の蓄えから対応可能に

③ボーナスより一定額を返還用口座に貯蓄
④記帳結果と返還残額のチェック
・独身の間はせめて、ボーナスの内、一定額を返還に回す
・5万円/1回であれば、年間10万円貯蓄できる
・10年繰り返せば、16年返還のうち約2/3の期間返還しているのに、通帳には120万円貯まっている
 →奨学金の残金を越えている可能性大
 →日本学生支援機構に残金照会
 →返還の目途が立つ...と判断
 →繰上返還(30歳で返還終了)

リスクを背負わず(20万円からのstart)、不測の事態にも対応できて、ストレスを最小限(ボーナス全額を充てない)に、予定より早く返還終了

これが、川上の考える効果的な返還方法。

次世代に自身の借金を残したくないけど、若いうちだからこそ、せめてボーナスくらいは、自分の好きなようにお金を使いたいですよね。

そこも踏まえてプランニングしたつもりです。

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高校の先生も、大学・専門学校の担当者も、webサイトや冊子でも、学費を準備する方法や奨学金を申請する方法は熱心に紹介していますが、残念ながら、返還については「返すものを返さないとブラックリストになるから気を付けて!」程度のお声掛けしかできていないような気がします。

それは、まず、進学したい想いに応えよう!という気持ちが第一優先にあるからなんだと思います。

言い方に語弊があるかもしれないけど、学費が用意できず進学できなかったら、残る進路は「就職」になるので、返済・返還に関する問題は生じないことになります。

なまじ、教育ローンや奨学金で学費の準備ができてしまうからこそ、返済・返還も、解決すべき大きな問題となってくる...と川上は考えています。

〇〇になりたい 〇〇を学びたい

が、大学や専門学校に進学する意義。

教育ローンや奨学金は、その想いに応える夢をかなえるツール...だと川上は考えています。

半面、多額の借金を抱えることになる奨学金に対し、ある大学の広報担当の先生は、奨学金は劇薬です...と言っています。

どちらかが正解で、どちらかが不正解ではありません。奨学金は、双方の側面を持ち合わせています。

だからこそ、返還に対してしっかりとイメージを持つことが大事だと思うし、申請者である学生だけで対応するのではなく、保護者様にも大きく関与して欲しいと願っています。

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学費準備に関する動きはこの数ヶ月だけかもしれませんが、受給した額を返済・返還するには長い年数を要することになります。

だからこそ、準備にだけに意識を集中させず、返還に関しても、家族の中で共有して、一緒に打開策を考えて、一緒に返還に関わって欲しいなぁ...と思います。

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繰り返して言います

奨学金は、夢をかなえるツールです。

返還も意識しながら、自身に投資することは、決して、ネガティブな動きではないはず...と川上は思っています。





進学費用のマネープラン⑤(奨学金の返還月額)

2023年06月09日 | 学生支援センター
多額のローンを組む際、「月2万円だと何年返済?」とか「5年で完済する場合 月何万円?」などの確認(相談)をしますよね。

日本学生支援機構の奨学金の場合、借入総額に対して、①月賦返還(定額返還) ②月賦・半年賦併用返還(ボーナス併用返還)の二択しかなくて、受給者の方で返還額や回数をコントロールすることができません

これでは、大学卒業時点で576万円(=12万円×12回×4年)、専門学校卒業時点でで288万円(=12万円×12回×2年)の返還対象額を抱えるにあたって、不安が生じてしまいますよね。

そこでぜひ活用していただきたいのが、日本学生支援機構の公式HPで紹介されている「返還シミュレーション」。


【開始】ボタンをクリック(タップ)すると、次のような画面になります。

学校の種類: 希望する(在籍する)学校種を選択
奨学金の種類:希望する(受給している)奨学金を選択
計算方法:やりやすい方を選択 ※今回は「貸与期間と月額」
入学年度:適当でOK(在学者はリアルな年度)
入特:希望(受給)に合わせて ※今回は未申請
貸与明細:上記の入学年度に合った希望校(在籍校)の在籍期間、希望額(受給額)を入力
貸与利率:直近のデータとして1.000がいいかな
※今回は専門学校を想定して受給総額288万円で設定

すると...

月賦返還(定額返還)で、月16,311円×16年 返還...という結果が確認できます

こんな感じで、「返還シミュレーション」は、申請前後、入学前、大学等在籍中...いつでも気になった時に確認できるツールになります。

ぜひ、ご活用くださいm(..)m