余録

新天地

遍路旅をしていると・・・緊張、野犬、接待とめまぐるしい3月6日(日) (9)

2005年07月20日 05時13分03秒 | お遍路さん
民宿坂本屋8時20分出発、天候は曇り、雨の心配は無いようだ。
冷たい風が吹き、車や人に出会わない参道から県道へ。

民宿で今日の予定コースを確認している地図を思い出しながら
遼前方に見える山麓までの12,9km今回の最長の道程。

畑やまばらな人家を見ながら県道から国道12号線の交差点まで来ると
地図の入った案内箱が設置されていた。
取り出した地図は第11番藤井寺まで書かれていた。
遍路用に用意されたものと、早々一枚頂戴し立ち止まって確認し県道237号を。

人家が集中している市場町の中心街、道の両側の商店が閉まっていた。
今日は日曜日、家の中で遅い朝を迎えているのでしょう。

正面に土手が見えてきた。
まだ季節は冬の装い、一面が枯れた状態の景色を見て土手を登ると
冷たい風が吹き付け、大きな吉野川を目の前に見た。
上流は大歩危、小歩危の観光名所になっている。

吉野川の橋を歩いて,まもなく後方から車が走ってくる。
渡っている橋は沈下橋・・川の増水に絶えられるよう欄干が無い。
橋は車が一台通れる狭い幅、車を避けるため橋のぎりぎりに寄っても
手で掴まる物が無い不安定な状態になる。
川の流れが速く、水の量も多い、車を避ける度一瞬緊張する。
橋を渡りきるまで3台の車と出会い緊張の連続だった。

吉野川の中央橋を渡って吉野川市寄りの土手に近づいた時
草むらの生茂った中で背を低くして一匹の野犬が吠えず私の様子をジッと見ていた。
野犬は大きく大人犬に見えた。
私の方を見ている野犬の目つきが鋭い。
私は一瞬怖くなって、たじろぎ、どうしたらよいか迷ってしまった。
このまま先へ進んでも良いのか、襲ってくるのではないか・・
色々考え込んだが、野犬の目を離さず、視界の中に納め
野犬との距離10m前後まで近づいても私をジッーと見つめていた。
私は走ったり、音を立てたりせず、静かに気持ちを落ち付かせ
緊張しながら通り過ぎ、野犬が襲ってくる事が無く
ホッー胸を撫で下ろした。

野犬との遭遇の後、吉野川市に入ってまもなく
私を見つけたように手招きするおばあちゃんと出会い、
手招きに誘導されるまま家の中に入ってしまった。
お婆ちゃんが接待しますと言って巾着袋を差し出された。
有り難く頂戴した。
有り難うございました。
遍路旅の疲れもおばあちゃんに接待され又元気が出てきた。

第11番藤井寺から・・・埼玉へ帰る








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