余録

新天地

第27番神峰寺

2009年11月07日 06時32分49秒 | お遍路さん
遍路を歩く時は何時も景色を楽しみながら歩いた。

四国は数回訪れた事がある。
札所より観光目的だった。
高松市内、高知、足摺、道後を回った。
話は変わりますがお遍路を行くきっかけは色々ありますが
現役時代に関東西部武蔵野観音をすべて回った。
関東の七福神巡りをお参りしている。
札所に何か縁があった。

歩く時守っていた事がある。
何時も目印は無いかと気を配っていた。
そのため何時も視線は前、左右、離れた場所に遍路マークを探していた。
考え事があると下向きなって誤った道に進んでしまって引き返す事になり大変な労力が要る。

遍路の難所といわれている12番焼山寺を打ち終え神山の民宿あすかに泊まった翌日朝の事。
女将さんに順路を聞いたが曖昧だった。
離れた場所にある民宿あすかは車でまわる遍路客ばかりだった。
当日朝近くで農作業していたおじさんに聞いて確かめたが13番大日寺迄遠回りして2時間以上ロスしてしまった事があった。
歩く遍路は神山まで行かないようです。
そのため標識や道しるべが見当たらなかった。
間違いに気づいたが引き返さず四国の山中を楽しむ事にして歩き続けた。

また交差点や分岐点は必ず道しるべや標識を注意深く見て、方向を確認した。

中山峠の近道で出会ったおじさんと別れてから30分位で海岸線に出た。
海からの強風が一気に前方から吹き付ける。
菅笠が強風で飛ばされてしまった。
あわてて国道を追いかけて事なきを得た。
奈半利町の海岸は広い。
遥か彼方の先のもっと奥まで歩かなければならないと思うと気が焦る。
一歩一歩確実に歩くしか辿り着けないと気持ちを切り替えた。
中山峠から降りた際見た海岸線の先の景色に着いてホッとしたのもつかの間また海岸線が広がった。
旧道があったが国道の55号の海岸線を歩いてしまった。
今晩の宿は民宿浜吉屋。
27番神峰寺の麓にある。
地図上から確かこの辺だった筈だったがと探すのに迷った。
そのはずで民宿の旅館風の想像と違っていた。
全くの農家をイメージした造りだった。
民宿に着くと長い廊下を渡り奥の女将さんとご主人に挨拶しこれからお参りに行ってきます。
と言うと今から大丈夫かなと不思議がられた。
時間は3時半をまわっていた。
4時半には着くだろうと民宿の女将さんは言った。
私は今日のうちにお参りを済ませたかった。

27番神峰寺は国道55号から北へ4km神峰山の頂上にある。
標高450m。
かっての遍路道は真っ縦と呼ばれて45度の傾斜が1,3kmあったようです。

今は自動車道が出来て上りやすくはなっている。
とはいうものの足痛みでそこへ来て急な坂道が続く。
まだかまだかと言いながら自動車道を歩く。
急な斜面を終えても山道の上りは続いた。
やっと着くともう辺りは暗くなってきた。
4時半を過ぎて閉門は5時までのようだった。
山門をくぐって入ると夕闇が迫っていた。


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