余録

新天地

雨の中の国道55号を・・海を見たさに歩く 05 5/22 (42)

2006年06月24日 06時58分52秒 | お遍路さん
正面の厄坂と呼ばれる長い石段を上り
本堂はこんもりした木々を背に
ひっそりした静寂感のある中にある。

88ケ所の全体の4分の1を打った事になる。
距離的にはまだ1割強である。

平等寺を打ち終え出発になると
雨がまた降ってきた。
まだ小雨だ。
早速合羽を着て山門を出た。

山門をくぐって帰る時は必ず山門に合掌する。
お参りとしての基本動作になっている。

山門を出てそのまままっすぐ道なりに歩く。

出発してまもなく本降りの雨となった。
ザック、下着が濡れないよう合羽をさらにきちんと着こなす。

桑野川に沿って新野町を抜け
県道35号交差点を直進し
月夜御水庵がある。
平等寺から約2kmの道のりだ。
弘法大師が水不足で困っている人達のために
錫杖(しゃくづえ)を突き立て、
加持によって清水が湧き出したとか・・・。

更に県道は段々山合いに入っていく。
なだらかな坂道を登っていく。
道は左へ右へカーブして
竹やぶが広がり
一人で歩いていると寂しい限りだ。
時々車が通ると
人に出会えた喜びのような感慨深い気持ちになってくる。

外灯がまばらで夜は足元が見えないから
歩く事は大変な事でしょう!!。

やっとの事で鉦打橋(しょううちばし)に出た。
鉦打橋を渡り右折から直進し左側に国道55号にぶつかる。
55号を右折する。

殆どのお遍路さんは55号を南下して23番薬王寺へ向かうが
私は海の景色を見たさに途中から田の浜海岸を目指した。

田の浜海岸経由は距離が長くなるから敬遠される。
また道が入り組んでいる事も敬遠されるが
薬王寺への一歩手前の一夜の宿にも利用される場所だ。

国道55号に入ると県道とは一転して
車の通行が激しく猛スピードと爆音を残して走ってゆく。
山の中の静かな雰囲気が台無しだ。
歩いているお遍路さんには車のスピードの爆音は恐ろしく感じる。
交通量の多さには圧倒される。

国道55号は左側に一段高い歩道がある。
歩行者に配慮がなされていた。

暫く歩くと鉦打トンネルがある。
トンネルの中にも歩道が
一段高くなっているとても歩き易い。

私はトンネル内ではマスクをつけ
またザックの背には反射テープを貼り付け・・・
をして歩いている。

トンネル内は排気ガスや粉塵の対策としてマスク(紙製の使い捨てマスク)
背後からの車の運転手の目印に反射テープを使っている。
面倒なので合羽を着たままトンネルを歩く。
トンネル内の車の騒音は耳が張れ裂かれそうな爆音だ。
音から想像して大型車だと思って注意していると
走り去る車は軽自動車だ。

鉦打トンネルを抜け
福井ダムを過ぎて
国道55号から県道25号の分岐点だ。
県道25号に入ると急に交通量が少なく
静かになった。

県道の道はのどかな一人旅となった。
県道の両側には畑が、民家が点在している。

道が曲がりくねって坂を上り下りが続く。

由岐坂峠の上りを終えて
下り坂から由岐町へ入る。

今日歩き始めて7時間
足が大分痛くなった。

前方に広い県道の隅に
車の駐車が出来る広い場所に自動販売機とベンチが見えた。

雨も上がってきた。
ベンチにザックを下ろし
持っていた缶ジュースを取り出し休んだ。

車のおばさんが近寄ってきた。
おばさんに聞いて見た。
薬王寺まであと何時間位かかりますか・・尋ねた。
おばさんが大分有るから乗せてってあげますよ・・と言う。

私は丁重に歩いていますから・・とお断わりした。

おばさんは自動販売機からジュースを買うと車に乗って走り去った。

15分位休んだ後歩き始めた。

左前方に海が見えてきた。
田井ノ浜だ。













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