Fuego's ベジタブルガーデン  

ナチュラルガーデナー Fuegoが勧める自然流栽培の菜園ライフ♪

堆肥・腐葉土の生成方法-2(草葉半熟堆肥)

2019-07-27 04:10:14 | 自然栽培
前回投稿「堆肥・腐葉土の生成方法-1」で紹介した方法は
床堆肥を施した後(施して2年後)の状態ですが
実際に施工手順は以下の通りです。

1.床掘(トレンチ掘り)
まず畝を立てる場所に沿って溝掘り(トレンチ掘り)を行い
掘り起こした土は溝のわきに積み上げますが、
表層(上層)の土と下層の土を分けて仮積みします。


2.枯葉投入・潅水・踏圧
掘り終わった部分に枯葉を投入し、
水を与えながら攪拌し均等に湿らせます。
しっとりとした感じで均等に湿らせたら足で踏みつけます。



3.覆土(天地返し)

均一に湿った枯葉を踏みつけた状態で掘った穴が埋まれば
掘り起こした土を枯葉の上に覆土しますが、
この時、上層の土を先に戻してから下層の土を戻し「天地返し)をしておきます。

戻した土が沈下するまで暫く待ってから畝を起こします。


この方法は、床掘作業に枯葉収集作業が伴うため
耕作地近隣で枯葉を確保する場所がないと
遠くから大量に確保・運搬する手間がかかり大変です。


そこで、耕作地に生えている草花や雑草を使って
半熟堆肥を生成する方法を2通り紹介します。

<Case-1>枯れ草堆肥
まず最初、耕作地の片隅に堆肥生成用の場所を確保します

1.床掘
枯れ草を積み上げる部分だけ浅く床掘りします。

別に床掘をしなくてもいいのですが、
土と枯葉を交互の層で積むための土を確保します。
この時床掘り部分に水をためないように、
浸透した余分な水が掘った場所の外に抜く為の溝を掘ります。

2.枯葉の堆積と灌水
掘った部分に枯れ草を投入し、



水かけて均一に湿るように攪拌します。




均一に湿らせたら足で踏みつけて圧縮します



3.覆土
踏みつけた枯れ草の上に土を均一に被せてます


以後
1~3の工程を繰り返して確保した枯れ草を全部積み上げます。






穂と通りの作業が終われば1か月ほど置くだけでいいのですが
その間に1~2回ほど土と枯れ草の互層状態を攪拌し
土と均一に絡ませておきます。



仕込みは秋の枯れ草が確保できる時期なので
長雨に晒される場合はシートをかぶせておきます

春先になれば積み上げた枯れ草の内部は半熟状態になるので
これを畝や株間の覆土やぼかしに使います。







この方法も、堆肥を生成する作業と場所の確保が必要になるので
狭小菜園では非常に都合が悪いですね。

そこで次の方法です

<Case-2>敷き草堆肥

自家採種後に残った茎・葉・花殻や、
栽培が終わった後の作物残渣(茎・葉・枝・蔓)を
畝や畝間に敷きつつ刈り取った雑草や草花の茎や葉を
畝間にびっしり敷き詰めるだけで半熟堆肥が生成されます。

枯れ草(雑草や草花)は、
枯葉と違って堆肥化が早い為に
敷くだけでも土に触れた部分から腐植し始めます。
茎や葉の葉緑素は枯れる共に栄養源として土に浸透し、
枯草菌の働きで土に還元されて行きます。

その為、一旦畝間の枯れ残った部分だけを剥ぎとり
畝間を中耕しながら土寄せすると、
完熟と半熟が程よく畝に漉き込まれます。

中耕が終われば再び枯れ残った草を畝間に戻すだけでいいです。

これを繰り返していけば
わざわざ堆肥を生成することなく、
敷き草を畝間に敷くだけで半熟堆肥を常に漉き込むことができます。

堆肥・腐葉土の生成方法-1(床堆肥)

2019-06-17 11:34:44 | 自然栽培
枯葉は腐熟に時間がかかるため
耕土に深く埋めれば腐熟が早い分
枯葉の素材次第では
発酵腐熟に至る過程でガスが発生する為
何でもかんでも埋めればいいというわけにはいかないです。

経験上
イチョウは葉に油分が多い為に
堆肥とし使いにくい素材の一つと言われることがあります。

試しに、イチョウがたくさん手に入ったときに
土中埋設を試みました。
施した結果は、実際どのような影響が出たのか
明確な状態は見えてこなかったような気がします。

枯葉を埋設する場合、
一番良いと思われる素材は葉の厚みが薄く
枯れてしまえば手でもむだけで砕ける梅や桜がいいですね。

桜を使うととても香りがいいばかりか
桜のの持つ抗菌性能により
土中棲息する悪玉菌の繁殖を抑えてくれるように感じます。

これは、市民農園を借りていたとき、床堆肥の回収状況です。

床堆肥をするときの手順は以下の通り
1.地表から60cmの深さまで床掘りを行います。、
2.堀り起こした範囲を賄う程度の枯葉を床掘り面に投入します、
 (調達した枯葉は近隣の神社で集められた落ち葉を戴きました。)
3.床掘りした部分に枯葉を掘り底から30cmの厚みになるまで、
 灌水と踏み込み攪拌を繰り返します。
4.金等に水分をいきわたらせ踏み固めたら、
 掘り出した土で埋め戻します。
5.雑草が生えないように埋め戻した表面を覆い1~6ヶ月放置します
 (期間に差があるのは投入した素材による違いです)

上記の工程を済ませた耕土で2年作付けして、
土地の返却に伴い床堆肥がどのようになったかを見るためと
苗を育てたり新しい土地で使用するために回収を試みました。












そのときに回収した腐植物です


触っただけでフレーク状に砕け土に混ぜればすぐに馴染みます。

この床堆肥は
狭い耕作地であっても床掘り作業自体が重労働なので
広い耕土では労力があっても広い面積を賄うには簡単にはすまないですね。


そこで、完全な堆肥化することなく腐葉土に近い状態にしておけば
深く埋め込むことなく攪拌や漉き込みに使用することができます。

次回は枯葉の腐葉土、枯れ草半熟腐葉土、みかん果皮の半熟堆肥について
順次紹介していきます。






堆肥・腐葉土の使いかた

2019-06-17 11:04:31 | 自然栽培
自然堆肥を生成しようとすると
枯葉を使った場合は1~3年以上かかります。

だから「堆肥を作る」とすれば
使い切らないよう常に作り続けなければいけないし
堆肥化して使えるまでの時間差が生じます。

これが雑草などの草を主体とした堆肥であれば
1年以内で腐熟を始めます。

堆肥の使い方は二通りあり、
半熟状態は敷き草や床堆肥に使い
完熟状態は苗を植え付けるときの「ぼかし」や
耕土に鋤き込みます。

此処で注意しなければならないことが一つあり、
完熟を漉き込みますが完熟堆肥は強い粘性があります。

砂質耕土なら完熟を漉き込めば
通気性・排水性が抑えられ保水力が増します。

処が粘性耕土に鋤き込んだ場合は、
耕土の粘性が増す結果を招くため
保水力が過剰な環境となり通気性を損なってしまい、
漉き込んだことで耕土の環境を阻害してしまいます。

ではどうするか?

粘性土の場合は、完熟状態の投入・漉き込みをしないで
半熟状態或いは枯葉を混ぜ入れます。
ただし、形が大きく残すようにすれば
腐熟するまでにかかる時間を更に遅らせることができます。

その場合は深く混ぜ入れると、
腐熟時のガス発生により作物に生育を阻害する為
浅いところに置く程度がちょうどいいです。

従って、堆肥を作る作業をするよりは
「枯葉や枯れ草異を畝や畝間に敷く」
これで充分耕土の乾燥を押さえ
無理なく堆肥化することができます。

同然、枯れ草や枯葉に酵素や肥料を混ぜる必要もなく
ナチュラルな状態で土に馴染んできます。
そのため土中の微生物バランスも程よくなり
菌による病害の発生率も軽減されると思います。

ニラの栽培

2019-05-28 17:29:12 | 自然栽培

ニラは肥料や農薬を使わなくても丈夫に育つ野菜の一つで、
根茎(地下茎)を新たに伸ばし栄養繁殖するヒガンバナ科の耐寒性多年草です。

菜園で栽培しているニラ(品種:大葉ニラ)



増殖すると言っても、古くなった株は衰退するので、
2~3年に一度はタネを採取し、タネから苗を育てておきます。

夏になると葉の間から30~40cmほどの花茎を伸ばすので、
これを追熟させて花序に黒いタネが出始め、
全体の8割以上が枯れてきたら摘み取りタネを採取します。

零れタネでもよく発芽するので、
株元には零れタネで自生した新しい株がそだちます。

ネギ属のタネはいずれも水に弱い為、
追熟時と採取時は雨水などの水濡れに注意します。


ニラを種から栽培するには
3月に種まきをおこない6月に植え付けを済ませます。
収穫は2年目に入ってからになるので
発芽してから一年間は株の生長肥大を優先させます
二年目の株は4月もしくは9月に株分けをして大きく育てるといいですね。






栽培環境を選ばないですが、
乾燥に弱いものの
一年を通して半日陰となる環境でもよく育ち
日向で育てるよりも葉が柔らかくなります。

生長した株の収穫は7月から11初旬までで、
それ以降は株の充実を図るために刈り取り作業を控えます。

収穫の際は、地際から5cmの位置で切り詰めますが、
刈り取った後は2週間もすれば新しい葉が生長して収穫できます。

これが一株だけなら
次に収穫までには葉の生長を待つことになります。

途切れることなく収穫するには
栽培した全多数から数株単位で時期をずらしながら刈り取りすれば
途切れることなく収穫することができます。

その間隔は一回で消費する量にたいして調整するといいでしょうね。

株を大きくするには
1.株が大きくなった時は、数本単に束ねて株分けする
2.収穫期限を守って株の充実を図る。
3.採種用にする以外は、つぼみが付いたら開花する前に摘み取る。

ニラは野菜とコンパニオンプランツにすると
ほぼどのような作物にも共生してます。

ヨーロッパでは栽培されていないため、
東南アジア、中国、日本でしか見られない緑黄色野菜ですね。

堆肥の正しい認識

2019-02-01 23:37:36 | 自然栽培
腐葉土に牛糞や鶏糞を混ぜ入れて
発酵熟成させた状態”堆肥”と呼ぶ人が多いけど
これは大きな間違いです。

栄養分を含めた段階で
堆肥としての役割でなくなり
「肥料」と認識して呼ぶ方が正解です。

堆肥本来の意味合いは”栄養分を含まない腐植物”で
肥料ではないということです。

有機栽培をされている方は
此処を混同してしまうことが多い為、
有機栽培に分類される
自然栽培を理解しようというときに混乱します。

肥料と堆肥の役割は全く違うため、
「たかが言い間違い、勘違い」と軽く流さないで
双方の違いや用途をしっかり理解したほうがいいですね。

混ぜてはいけないといっているのではなく
間違った認識は捨て去るべきですね。

土作りには、堆肥が不可欠で
肥沃になれば必要がありません。

処が、堆肥の生成には時間がかかるため
ついつい腐熟の時間を短縮するために
動物性肥料や食物性酵素を入れます。

早く腐熟しますが
腐熟が均一にならず未分解となります。

それでは時間をかければいいというなら
最初から何も加えないほうが
堆肥としての完成度(品質)が高いですね。

そもそも鶏糞や牛糞も
「匂を放つ」ということは未分解な状態なので
堆肥に混ぜ入れれば尚中途半端なままです。

匂う原因はもう一つあり
ウシや鶏のエサが自然に生えている草や
土中に生息するミミズを食べているだけなら
それほど匂うことはないです。

今では配合飼料に加え耐病性を上げるために
抗生剤も混ぜ入れるため
消化しきれ無いものが未分解状態となり
排せつ物は不純物を多く含む事になります。

それを完全な肥料にするためには
更に分解させていけば匂いも軽減されますが
その分解酵素に何を使うか?

化学物質を使えば
喩え有機栽培として投入しても化学成分を含み
それが分解されないために
土中に毒素として蓄積され
結果作物の耐性を弱らせるのでしょうね。

当然耐性が損なわれる(衰える)ので
一度病害虫におかされても
植物が自力で回復することができなくなり
投薬するか、破棄することになります。

堆肥とは
不純物を含まない植物体が自然状態で腐熟したものか
或いは自然腐植に近い状態で生成され
栄養分を含まない腐植物を指します。

その役割は
土を柔らかくし固めない事
土を温めること
土を乾かさない事

以上の三つの項目に対して使用します。

したがって、この三要素が整う土壌環境は
肥料を入れなくても作物が育ち
土中環境も均衡がとれて
食物連鎖により栄養環境も偏りがなく中庸を保ち
土壌が痩せ細ることなく全てが循環します。

その土壌で作物を植えて栄養を吸収しても
還元と再生が行われるため
追肥する手間さえ必要がなくなっていきます。

ですから「たかが堆肥」と侮れなく、
此処をちゃんと理解すれば
有機肥料に頼らなくても土は肥沃になり
土が野菜を育ててくれます。

結果一見大変なように見えて
実は一番楽な栽培方法なのですよ
自然農法は…(#^.^#)