この十数年、日本の囲碁のレベルが相対的に下がってしまった。
なんせ、韓国、中国にまるで歯が立たなくなっているのだ。
18の時から囲碁に親しんできたオイラとしてもどうしてだろうと考えてみるに・・・・
1.囲碁人口が減ってしまい、若者がプロの棋士を目指さなくなった。
これはプロの相撲界と良く似た現象だと思われる。
人間、生涯賃金と言うものがある。それをいかに沢山稼ぐか?みたいなことに重点を置く
親達がいると、同じような辛い目、シンドイ目に遭うのなら、子供はプロ野球の選手やプ
ロ・ゴルフの選手を目指した方が良いと考えるとしても不思議は無い。
こうした風潮が今の日本を横溢していることは論を待たないが、オイラはそれが良いこと
なのか悪いことなのか、いずれ決着がつく日も遠くはないような気がしている。
しかし、そんなことを言ってても仕方のないことで、いずれにせよ囲碁のファンが減るとい
うことは、囲碁が子供たちへ浸透していく度合いが減るのに直結している。
ゆえに、囲碁の専門家を目指す人口も減り、国家としての棋士の層が薄くなるのである。
20年以上前に、日本で働いている韓国人の方々とお付き合いする機会があった。
我が家へも、何度か来て頂いて碁会を開いたこともあった。そのときに韓国の囲碁につ
いて伺ったのであるが、韓国には日本の雀荘の数に匹敵する数の碁会所があるとのこと
だった。
また、韓国の男性は殆どが囲碁を打つので、子供たちは父親がその友人と家で囲碁を
打って楽しんでいるのを横から見ていて、囲碁を覚えるのだという。
これは凄いことだと当時思ったものだ。
韓国の人口は未だに日本の半分以下ではないだろうか。
しかし、囲碁を打てる国民の比率は日本の10倍ほどあるとすれば、囲碁人口は日本の
5倍ということになる。これは公益財団法人としての日本棋院の努力が足りないといわざ
るを得ない。 ヒカルの碁などによる一時的な影響は他力本願な話であったと反省すべ
きであろう。
2.プロ棋士のレベルが相対的に上記の国々に比して低くなった。
これにもいくつか理由が考えられる。
1) 囲碁に打ち込む姿勢の差・・・・>勉強量が断然違う・・・韓国のプロ棋士の言。
2) 日本では必死にならなくても生活が出来るというぬるま湯環境
3) 棋士を育てる環境が貧弱である・・・・>かつての木谷道場的な環境がない。
1)と2)は裏表の関係にある。また、日本棋院という公益財団法人は文部科学省の管
轄下にあって、公益を主眼とした活動を行なっていることになっている。棋士の生活を
ある程度保証するのも、公益に叶うと見られているのであろうか。ここに微温湯的環
境がはびこったか?日本棋院に所属する棋士は段位ごとに給与が異なり、一旦高い
段位を獲得してしまえば、どれほど負けようが高齢になろうが段位が下がることは無
い。次第に高齢化する棋士年齢を考えれば、この財団法人の経営が人件費の高騰に
伴って悪化するのは構造的に見ても避けられないだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(つづく)
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