パサジェルカ [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
紀伊國屋書店 |
どんなに虐げられようと決して屈しない女囚と、彼女を支配しようとする女性看守。
大戦中のアウシュヴィッツを背景とした密度の濃い心理ドラマの傑作。
アメリカで結婚したリザ(シュロンスカ)は、豪華客船に乗って、戦争が終わってから初めて故国ドイツへと向かっていた。最後の寄港地イギリスの港で、1人の女性がタラップを上がってきた。そのとき、リザにいまわしい過去の記憶が甦り、突然取り乱してしまう。心配に思った夫にリザは一度は葬ったつもりのアウシュヴィッツでの過去を語り始める……。
撮影を終える前に交通事故死したムンクの作品を、友人たちが残されたフィルムで編集し完成させた。
アマゾンホームページより
大量虐殺、嫌な言葉で、不愉快な響きで満ちていますね。
貴女は誰が一番虐殺したか知っていますすか? きっとヒトラーと答えるし、そう思い込んで居ますよね。残念ですが違います。ヒトラーは第三位(千七百万人)に過ぎません。二位がスターリン(二千三百万人)で一位が毛沢東(七千八百万人)だそうです。ヒトラーのユダヤ人虐殺はおぞましき歴史ですね。残虐性は言葉では語り尽くす事など出来るでしょうか? 皆さんはアンネの日記とかシンドラーのリストで良くご存じと思いますが、ナチの捕虜収容所を扱った映画では、私は未完のアンジェイ・ムンクの【パサジェルカ】を断然お勧めします。中々再販されず、かなりのプレミアム価格になっていますが。それだけの価値のある作品です。
いったんナチから離れましょう。毛沢東とスターリン、彼等はヒトラーと違って同一民族の虐殺ですから罪がより深いとも考えられます。罪と罰、罪は必ず罰せられるとは限りません。ヒトラーは自殺、ナチは裁かれましたが、毛沢東とスターリンは英雄です。昔から良く言われていますよね、沢山殺せば殺すほど英雄になれる。こんなのは精々十九世紀までの格言です。
裁かれなかった虐殺、一杯有りますよね。
四面楚歌と虞姫で有名な楚 の覇王項羽は秦の捕虜二十万人を新安で謀に寄って生き埋めにしました。項羽軍は十万人で、武器が無いとは言え二十万人の秦軍を怖れた為です。項羽には同国人を虐殺したと言う自覚は全く有りませんでした。しかし、ある意味でこれが命取りになり、漢の劉邦に滅ぼされてしまいます。一応は罪を償った事になるのかも、いいえこれは因果応報と言うべきかも知れません。紀元前の話です。
いちいち取り上げていては切りが有りませんので、後二つだけお付き合い下さい。
千九百四十一年、ポーランドのカティンの森で二万二千のポーランド将兵が虐殺されました。当然ナチスドイツの仕業とされていましたが、戦後次第に真実が明らかになって行きます。
ドイツがポーランドに戦線布告すると、ソ連もポーランドに侵攻しました、
ポーランドは南北から挟み撃ちにあったのです。戦うと言うより逃げるようにしてポーランド軍は右往左往するばかり。そんな中、三万もの高級士官を含む将兵がソ連の捕虜に成りました。
カティンの森の虐殺事件はソ連説、ナチ説とに分かれていました。当然お互いを非難していましたが、ナチの敗戦でソ連の主張のみが残りました。
戦後、西側諸国も調査に乗り出し、少しづつ真相が明かされて行きますが、ソ連が真実を認めたの1990年4月13日です、ソビエト国営のタス通信はカティンの森事件に対するNKVDの関与を公表し、「ソ連政府はスターリンの犯罪の一つであるカティンの森事件について深い遺憾の意を示す」ことを表明した。しかし、スターリンの犯罪の一言でかたづけられ、誰も罰せられず、罪を問われる事も無かったのです。
私たちの身近で遙かに痛ましい事件が有りましたよね。原爆投下です。あれは誰がなんと言おうと虐殺そのものでしか有りません。誰も責任を取らず、罰も受けず、非難すら遠慮がちです。
そんな日本が原子力の平和利用と称して原子力発電に励むのは理解できません。
この話は考えるだけで吐き気がして遣り切れません。
2016年12月11日 HGorou
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