![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/25/495ef9c9afb8acfe242373dc0d277c5c.jpg)
【写真】祭壇に献花する水俣病患者ら=2018年5月1日午後1時51分、熊本県水俣市、長沢幹城撮影
慰霊式には患者や遺族、原因企業チッソの後藤舜吉社長、中川雅治環境相ら約680人が参列した。患者・遺族代表で認定患者の金子親雄さん(66)が「困難に負けずに生きる姿で、人に勇気を与える人生を、これからも歩んでいきます」と祈りの言葉を述べた。
水俣病は1956年5月1日、水俣保健所に届けられ、公式確認された。2282人の認定患者のうち8割を超える1931人(4月27日現在)が亡くなった。4月には市立水俣病資料館語り部の前田恵美子さんが死去。患者以外でも、水俣病被害者の辛苦を「苦海浄土」につづった作家の石牟礼道子さんが2月、鬼籍に入った。(奥正光)
チッソの後藤舜吉社長は慰霊式後、記者団に対し、水俣病被害者救済法(特措法)に盛り込まれた事業会社JNC株売却要件の一つの「救済の終了」について、「異論はあるかもしれないが、私として救済は終わっている」と発言した。
株売却後、チッソは会社の清算が可能になるため、補償の主体が消えるとの懸念が患者・被害者団体にある。一方、中川雅治環境相は、現在も患者認定を求める人が相次ぎ、裁判も続いていることから「現時点で救済の終了とは言いがたい」との認識を示した。