店で家族4人切りつけられ6歳死亡 容疑者は元市議か13日午後7時ごろ、千葉市稲毛区小仲台2丁目の飲食店「三代目浜包丁」から「男が包丁を持って暴れている」と110番通報があった。千葉県警によると、家族とみられる40代の男女2人と小学生の6歳女児、1歳女児の計4人が、一緒に食事をしていた男に包丁のような物で切りつけられた。頭部を負傷した6歳の女児が死亡した。男女2人は上半身や太ももにけがをし、1歳の女児はけがの有無などを確認している。
4人に切りつけた男は店の関係者に取り押さえられ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕(常人逮捕)された。
県警の発表によると、男は30~40代。黙秘し、身分証を持っていないため、身元がはっきりしていない。捜査関係者によると、元千葉市議との情報がある。被害に遭った男性は「一緒に襲われた自分の妻の兄」と説明しているという。
男は事件の10分ほど前、切りつけられた4人と一緒に来店し、個室で食事をしていた。突然、所持していた刃物を振り回し始めたという。店員が他の客を避難させ、男性店長などが取り押さえた。
現場はJR総武線稲毛駅前の繁華街のビルの2階。近くの飲食店の従業員(23)は「急にパトカーや救急車で外が騒がしくなり、何事かと思った。お客さんが流血している人を見たと言っていた。近所でこんなことが起こるとは……。怖いですね」と話した。近くで飲食店を経営する男性(54)も「パトカーや救急車が来る音がした後に、『あー。おー』と叫ぶ男の声が店の中まで聞こえてきた」と話した。
飲食店の向かいに住む宮内千博(ゆきひろ)さん(67)はサイレンの音で事件に気付き、窓から外を見ると、血だらけの子どもが救急車に運び込まれるところだったという。その後、上半身が裸の男を、警察官2~3人が連れ出しているのが見え、男は大声を出していたように聞こえた。宮内さんは10日前に同店を利用したことがあるという。「もしかしたら巻き込まれていたかも知れない」と声を震わせた。