小父さんから

ミーハー小父さんの落書き帳

「亡国の改革至上主義」藤原正彦 / 文藝春秋12月号

2020年11月10日 | 
菅総理よ、「改革」を売り物にするなかれ
「亡国の改革至上主義」
新自由主義にもとづく、国家観なき「構造改革」は日本をさらに分断させる。
人間社会には「効率」より大切なものがある   藤原正彦
 

 作家で数学者の藤原正彦さんは、ベストセラー「国家の品格」でいっペンでファンになったが、「若き数学者のアメリカ」もとても面白かった。週刊新潮には写真入り「管見妄語」というエッセイをユーモラスに書いてあるので何度かこのブログでも紹介したが、文藝春秋にも数人の方とのエッセイ欄に最近は先頭に書いてある。

 さてこの文藝春秋の記事は政治や経済を一刀両断にズバリと書かれているので痛快だったが、その見識の広さや深さにも驚いた。10ページもあるのでそのほんの一部を紹介します。

 
  


(サブタイトル)
 国家観の見えない菅首相
 小泉竹中構造改革の罪
 郵政民営化のあやまち
 新自由主義の強要
 持統天皇に背くIR誘致
 失政の結果を弱者になすりつけるな
 デジタル教科書は日本を滅ぼす
 改革イコール改善ではない
 福澤諭吉の言葉


   
共感を覚えたほんの幾つかを抜粋して下に転載。

・アベノミクスで株価が上がったのは、日銀・年金などが株を買い支えた結果にすぎない
・雇用が増えたのは非正規雇用が7年間に350万人増加したから
・35歳未満の非正規社員は550万人にふくらみ平均年収は200万円以下

・官房長官時代の菅総理は、「失言のない、すなわち内容のないことしか言わないスポークスマン
・彼は「実務型政治家」と称されるが、「国家観がない」の婉曲表現なのだ
・経済ブレーンに(小泉~安倍内閣から20年間にわたり政権中枢にいた)巧言と二枚舌を駆使し、日本の富をアメリカに貢いできた、学者でも政治家でも実業家でもない疑惑の人物、竹中平蔵氏を任用した

・菅総理が躍起となっているIR誘致とは、ラスベガス型のカジノを作り外国人観光客を増やそうというもの
・世界トップクラスの観光国イタリアのローマ、フィレンツェ、ナポリなどにカジノはない
・アメリカではトランプ大統領所有のカジノを含め、倒産が相次ぎ、マカオ、シンガポールでも売り上げを減らしている
・何より我が国では賭博は持統天皇以来禁止されているのだ

まだまだ、書きたいがきりがない。興味がある方は今日発売の文藝春秋を開いてください。小父さんは益々、藤原正彦さんのファンになったね!

  

(参考)
小川洋子は作家としてのインスピレーションを刺激され、小説の取材のために藤原さんの研究室を訪ねる。その結果できあがったのが『博士の愛した数式』だ。そして副産物として『世にも美しい数学入門』が生まれた。~凡才の数学 から
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
竹中氏 (emarch)
2020-11-11 00:30:21
こんばんは。

私は竹中平蔵氏をブレーンに呼んだときから、格差はさらに広がると、暗澹たる気持ちになりました。
今回の株式の高騰も危険の前ぶれだと思っています。
返信する
Unknown (ree)
2020-11-11 05:41:19
カジノは絶対反対です。

ただでさえ日本にはパチンコ依存症が多いというのに、これでカジノが出来たら最悪になりますよ。

え?
平均年収200万以下?
非正規社員と言うのはバイトや派遣社員ですよね?
昔の派遣社員、年収350万はありましたよ。
私達社員よりボーナスはないけど月給はよかったです。
返信する
印籠 (デ某)
2020-11-11 12:49:03
藤原正彦の著は かなり読みました。
勿論、彼の右翼的な傾向は承知していますから、
「国家の品格」は批判的に?読みました(笑)

文藝春秋12月号は 図書館で ざぁ~っと!読みました。
小父さんがよく整理されていますので改めて反芻?しました。
佐高信が書いていることと殆ど重なるのが可笑しいぐらいです。

スカ総理の政治とは、時代劇で言えば、悪代官が越後屋に
「そちもワルよのう」と含み笑いするような場面を連想します。
さしづめ 電通や竹中平蔵あたりが越後屋でしょうか。
水戸黄門さまが現れ、印籠をかざすのを待つしかないですかねぇ。
水戸黄門さんにあたる方が…見当たらないのが口惜しい!ですが…。
返信する
emarchさんへ (小父さん)
2020-11-11 21:01:06
>私は竹中平蔵氏をブレーンに呼んだときから、

はっはっは、私は竹中平蔵氏と 金子勝慶應義塾大学経済学部名誉教授がテレビで激論をはじめると、高度な経済論争の判定はできかねますが(笑)
竹中氏は自分が提起した政策は全く間違っていない!企業経営者等のどこそこが悪いのだという風な言い回しをしますね。

彼一人をゲストに呼んでいるテレビ番組は橋下徹氏とそっくりに思えて初めから見る気がしませんね。

藤原正彦さんの「巧言と二枚舌を駆使し、・・・学者でも政治家でも実業家でもない疑惑の人物」と誌上で書いてくれたことは気持ちがいいものです。
田原総一郎氏でもこまでの表現しないでしょう。

この論文には「・・・なおこの改革の旗振りだった竹中平蔵氏は現在、売上高で業界三位の人材派遣会社パソナグループの取締役会長である」ことも記していますね。
笑ってしまいます。

株価のこと2~3日前のBSTBS報道1930だったか?詳しく論議してましたね。
まあ、外資の投機的要素が大きく反映されているのだと想像しますが・・・。

コメント有難うございました。
返信する
reeさんへ (小父さん)
2020-11-11 21:22:29
>カジノは絶対反対です。

有難うございます。
官房長官時代の菅氏と彼の地元の林 文子横浜市長のお二人はとてもご熱心ですよ!(笑)

>ただでさえ日本にはパチンコ依存症が多いというのに、これでカジノが出来たら最悪になりますよ。

アメリカにはパチンコがないのですね。
そうそう、2~3日前にアメリカのカジノの宣伝動画だったか、「スロットマシーンは手の筋肉はちょっと使うが、誰でも簡単に楽しめます」みたいなものがテレビで流れていました(笑)

>私達社員よりボーナスはないけど月給はよかったです。

以前から繰り返し書いていますね。
細かな事情は知りませんが、派遣会社は派遣先から支払われる金額からのマージン率は、サービス: 約26~32%、事務: 約26~30%、IT関連: 約40%、ビル・建設管理: 約20~32%とネット見ましたが、実態はどうなんでしょうね。

ただ雇い入れ側の経営者としては、人件費が提言されるから派遣社員を使うのは間違いない事実です。

さらに藤原正彦さんの論文によると、さらに「安い労働者として外国人をも派遣労働者の形で使うため、単純労働者の移民を大幅に増やした」と国がすすめているわけです。
返信する
デ某さんへ (小父さん)
2020-11-11 22:03:57
>藤原正彦の著は かなり読みました。

そうだろうとは想像していました。

>勿論、彼の右翼的な傾向は承知していますから、

そうですか!
私が目にした活字には右翼、政治、経済などは今までには接しませんでした。

いつも感心するのは数学者で、親譲りかも知れませんがまるで文学者のような文体に驚いていました。
ウイットの富んでいる文は楽しいですし・・・。ひとつには、知人と従妹に数学者が居たのでついついその違いを感じてしまうのです。

>「国家の品格」は批判的に?読みました(笑)

そうですか!
昨日画像検索したら櫻井よしこ氏と並んだ写真が1枚あったので「あれ?」とは思ったものでした。
雑誌、月刊Hanadaや月刊WiLLへの投稿はありましたっけ?

>佐高信が書いていることと殆ど重なるのが可笑しいぐらいです。

佐高信氏はテレビ・サンデーモーニングくらいでたまに聞く程度しか知りませんが、この本にパラパラと書き並べられている文体から受ける印象はコピペとは思えませんが・・・。

もっとも私は佐高信氏の活字はたぶん一字も読んでいないとも思います。

総理ですか!
現幹事長といっしょで政治家ではなく、政治屋の印象ですね。
もっとも、今政治家だ!と思う人は極めて少ない気もします。

そもそも政治って政治屋が牛耳っているものなのかも知tレませんが・・・。

まあ、昨日のBSフジLIVEニュースで防衛論議をやっていましたが、アメリカの大統領が変わっても、日本の新総理が動き出しても期待が持てるようなネタは転がってはいないようですね。

防衛議論ひとつでも行き当たりばったりな日本なんでしょう!
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