函館深信 はこだてしんしん-Communication from Hakodate

北海道の自然、そして子どもの育ちと虐待について

北方民族博物館と網走川の青サギ

2012-04-30 |  Museum of Northern Peoples-北方民族

北方民族博物館で魅せられたワタリガラスの仮面。

この仮面を見たおかげで、冬は知床半島まででかけて、ワタリガラスの姿を追うようになった。

ワタリガラスとはとうとう遠くでしか見ることができなかった。今でも、いつか会いたいと思っている。

網走川の青サギと北方民族博物館


網走に来られたら。。

2011-02-10 |  Museum of Northern Peoples-北方民族

流氷見学に網走に来られたら、ぜひ寄ってほしいところが二つ。

一つ目が、博物館網走監獄

二つ目が、この北方民族博物館

入ってすぐのところにあるこの仮面。

下から、人間の世界、けものの世界、霊の世界を表す顔がついている。

年に何度も会いに出かけるほど、大好き。

 

こちらは、北西海岸インディアンと呼ばれる少数民族の一つの部族が祭りで使う仮面。

右奥がワタリガラスの仮面。

この仮面を見て以来、ワタリガラスにとりつかれたんだよなあ。

この仮面、鳥に見えるが。。

それだけではない。。。

くちばしの下に、もうひとつの顔が。。。

ここに人が首をつっこむのね。

これです。

たぶん、祭りの進行に合わせて、人の顔、鳥の顔を使い分けるのだろう。

こんな感じ。

コーナー毎に貴重な古い映像が展示されている。

これは、イヌイット(「エスキモー」と呼ばれる人たち。ちなみに「エスキモー」とは「生肉を食べる人」という意味で、あまりよい呼び方ではないよう。)の母が子どもに毛皮でできたアンサンブル・つなぎを着せている映像。

このアンサンブルシカ科の動物の腹の柔らかい毛皮で作られているのだが、毛の面が肌に触れるように作られているほか、子どものおしりの部分が開口部になっていて、そのままオムツなどをあてられるように工夫されている。

この場所を訪れる度に、「昔の人って、すごいなあ。」と感嘆させられる。

 

ちなみに、北方民族博物館は、今日(たしか。。)、開館20周年。

こんなすてきな博物館をつくってくれてありがとう!

公式サイトはこちら

http://www.hoppohm.org/

 3連休中は開館。14日(月)は休みです。

 

 


あぁ、明日でおしまい、シゲチャンランド

2010-10-30 |  Museum of Northern Peoples-北方民族
阿寒湖から津別方面に来たところにある『シゲチャンランド』。
訪問した時には、しみじみと癒してもらった。





入ってすぐの右側にある円錐状のコーンの中にいるこんな方や




えっ!と思う、こんな方や。




ただのこんな方や。。。

影も楽しいこんな方など。。。


先日も書きましたが、この中には生き物の骨で作られた様々なアートが。
T字型のきれいな骨があり、???と思い、大西さんに伺うと、「あれはイルカの骨ですよ。オホーツク海の浜を歩いて拾ったんです。」とのこと。
大西さんが集めているのを知って、持ち込まれるものの他、浜とか山の中で拾うものが多いのだそう。
しかし、骨、きれいでした。
骨にちょっとビビリ感のある私は、この中では写真は撮りませんでしたが。。。笑


となりの農地に上る月もきれいでした。




この時乗っていったレンタカー、なぜかシゲチャンランドカラーでした。

シゲチャンランドに北方民族の祈りを見た

2010-10-29 |  Museum of Northern Peoples-北方民族
津別町のシゲチャンランド。

作品を見ていると、そこには北方少数民族にもつながる魂を感じた。
それで、北方民族関連のカテゴリーに入れてみた。

雑誌『HO』によると、この作品は大西さんの連れ合いさんCoCoさんの作品のようだが、網走市にある北方民族博物館に置いてあってもまったく不思議がないくらい北方民族の作品に共通するものがある。




大西さんやCoCoさんは、作品に使う素材の声に耳を傾け、何になりたいかを聴いて、作品を作るのだそうだ。






そんな姿勢が、北方少数民族の人たちの精神世界と共通しているのだと思う。

シゲチャンランド
今期の営業は、いよいよ土日のみです。
ぜひ行ってくださいね。

たのしいゆかい、なのに胸にぐっとくる-シゲチャンランド

2010-10-26 |  Museum of Northern Peoples-北方民族
大好きな美幌町の大好きな喫茶店のひとつ、『森音』に行って、森音さんと「この間、ママチャリで深夜阿寒湖に行こうと思ったんだけど、断念してね。」なんて話していたら、森音さんが「津別町の”シゲチャンランド”行きましたか?」とおっしゃる。
「え?どこどこ?」と聞いてみると、津別から阿寒湖方面にしばらく行った相生の道の駅近くの赤い”あの”建物群のことらしい。


実は、阿寒湖へはママチャリで何度か行っていて、”あの”赤い建物群には、気づいていた。森音さんが、「あそこいいですよ。」と言うので、「え~~、真っ赤な建物がいっぱいあるとこでしょ。物好きな農家のおっさんがやってるんじゃないのぉ?」と言うと、森音さん、「いいえ、ちゃんとした美術館なんですよ。たぶん、(あなた)すきだと思いますよ。」と言う。
私、半信半疑で「そ・う? そうかなぁ。」と。。。。






森音でそんな話をしてしばらくたったら、コンビニにも置いている『HO(ほ)』という旅雑誌にも、シゲチャンランドが表紙を飾り、特集まで載ったではないか!

ヴぇ~~、知らないこととは言え、アーティスト大西さんにはたいへん失礼なことを思っていました。


で、別件の帰りに、知人のCさんと行ってきました。





正直、反省でした。なんという失礼な第一印象だったんでしょう。


シゲチャンランドのキャッチフレーズは、『赤子は笑い 老婆は拝む』というのだけれど、私は入ってすぐにシゲチャンランドの世界にどっぷりつかり、しっかり”拝んで”きました。
たのしいゆかい、なのに胸にぐっと迫るものがあります。



今期の開館は、次の日曜日10月31日(日曜日)まで。
なおかつ水・木・金は定休なので、実際今期は、
10月30日(土)と31日(日)だけになってしまった。。。
時間は、10:00~17:00まで。入場料-700円
すっかり魅せられてしまったわ。
いかった(良かった)わぁ。。。。


特に心にしみたのが、こちらの作品。
卵を抱いた聖なる鳥にも似て、深く、深く、心洗われるものがありました。
阿寒湖、津別町方面にお出かけの方はぜひ訪れてください。
ちなみに、冬季間は創作活動や材料収集にあてられるのだそうです。
ボーンハウスというところには、動物の骨で作られた作品が数多くありましたが、「骨って、こんなにきれいなんだ!」と感嘆しました。

”ようこそ、北方民族の世界へ。”

2010-08-28 |  Museum of Northern Peoples-北方民族


道の駅『流氷街道あばしり』に貼ってあった、網走の天都山にある北方民族博物館の新しいポスター。
私の大好きな仮面がメインに使われています。
この仮面は下から、人の世界・けものの世界・精霊の世界をそれぞれ表しているのですが、私の友だちの”知的障がい”のあるかっちゃんがこれと同じような絵を描いていたことがあります。
障がいのある人たちは、昔の人たちと同じように今も豊かな精神世界をもっているのかもしれないなあと、その絵を見て思ったものです。
そんなことで、この新しいポスターはとても気に入っています。


10月17日(日)まで、こちらの特別展示もされているようです。
博物館網走監獄とともに、こちらもぜひどうぞ。


アボリジニの世界観を知る-保苅実写真展

2010-06-12 |  Museum of Northern Peoples-北方民族

ある方向のことに興味関心をもっていると、その情報たちが「やぁ!」「こんちわ。」と訪ねてくることがある。今回も知人を介してやってきた。


網走市の天都山にある北海道立北方民族博物館で、保苅実さんの写真展が開かれている。
保苅さんは、歴史学の博士号をとった方で、アボリジニ社会の中に入り、アボリジニの歴史観を知ろうとされた方。
西洋の歴史観の押し付けをしない形でのアボリジニの歴史観を知ろうと努力された方のようだ。

写真もさることながら、一緒に展示されている彼の言葉に、惹かれる。

以下は北方民族博物館ホームページからの転載

長老たちは、何もしないで
一日を過ごすことが多い。
長いあいだ、私は、かれら
が何もしていないのだと
思っていた。いったい長老
たちは、一日中ただ座って
じっとしていながら、何をして
いるのだろう。
かれらは、
「見ている」のであり、
「聴いている」のであり、
「感じている」のである。
私は、そのことになかなか
気がつかなかった。
世界で何が起こっているの
かを知りたいならば、人は
じっととどまって、世界に
注意を向けなければならない。
静かに注意深くあるこ
と。重要なのは、世界から
の情報をうけとるために、
身体感覚を静かに研ぎ澄ま
し、身体を世界に開いてゆ
くことで、注意深く
あることである。

保苅実『ラディカル・オーラル・ヒストリー』(お茶の水書房)より

保苅さんは、上記の本の刷り上りを見ずに、30代の若さで亡くなった。
しかし、彼は、十分に知るべきことを知って亡くなったのだと思う。
保苅さんの情報は、ネット上でも豊富に知ることができます。

保苅実写真展
カントリーに呼ばれて
オーストラリア・アボリジニとラディカル・オーラル・ヒストリー
網走市潮見309-1
北海道立北方民族博物館 特別展示室にて
6月30日(日)まで  入場無料
開館時間 午前9:30~午後4:30まで
月曜日休館


見えない世界の豊かさを知ってください。
※一度、朝6時にアップしたのだが、今日は記事が立て込んでいて、すぐに後ろに行ってしまうことに気づいて再度一部加筆してアップしました。
多くの人が見てくれるといいなあ。


きみはこんなすてきな仮面を見たくはないか

2009-04-29 |  Museum of Northern Peoples-北方民族

三羽の鳥の仮面。赤・黒・白・黄色しかつかっていないが、現代にも古さを感じさせない単純化されたデザインがすてきだ。


鳥の顔の中に、人間の顔を入れ、晩秋の祭りの踊りの際に使われたものだ。
この仮面、実はもうひとつ顔がある。


くちばしの下、こんなところに人間の顔らしきものが。


私は勝手に、「鳥が人間に変身するダンスだったんじゃないか。」なんて想像している。
これらは、アラスカやカナダに居住する北西海岸インディアンの人たちのもの。


網走の天都山にある北海道立北方民族博物館に行くと逢える。


「ぼくのことも忘れないで。ぼくは小さいけれど、祈祷用の人形。願いをかなえてあげたり、人をのろったりすることができるんだよ。ワタリガラスの仮面と同じ、『北方の精神世界』のコーナーにいるから逢いに来てね。」

ますます、連休は網走に来たくなったでしょ。(笑)

JRで美幌博物館へ

2009-04-26 |  Museum of Northern Peoples-北方民族
天候が悪くなる前に、美幌へ行ってきた。
駅から北見側へ20分くらい歩くと、スキー場のある山のふもとに、美幌博物館と美幌農業館がある。
たまたま、併設されている農業館は改修中で見ることはできなかったが、美幌博物館はきれいで工夫された展示で、ヒグマ、リス、アオダイショウなどの冬眠の様子などの展示もあり、満足した。
床は、ピカピカの透明感のある材質がはられていたが、あれはたぶん美幌の澄んだ水・屈斜路湖のイメージなのだろうと思った。
2階では5月の24日まで「せせらぎ公園の野鳥たち」展が開催されているが、そちらの展示も工夫されていて、楽しく見ることができた。





美幌町のはしの山すそにあるので、たいへんながめがよかった。


同じ敷地内に、キャンプ場や、バンガロー、アスレチックなどもある。
山の中腹に、『みどりの砦』という展望台があり、上ってみた。
製糖工場の向こうに知床連山が、中央には斜里岳と藻琴山が、右奥には雄阿寒岳、雌阿寒岳も見えていた。
ちなみにこの美幌博物館とみどりの砦のある『みどりの村』、美幌町美禽(みどり)にある。

連休には、ぜひどうぞ。

私の心のオアシス-北方民族博物館

2009-04-12 |  Museum of Northern Peoples-北方民族

年度始め落ち着かない毎日が続いていて、私の心のオアシス、北方民族博物館に憩いに出かけた。

館内には常時不思議なメロディーが流れていて、私を北極圏へといざなってくれる。あまり気になったので、ついに学芸員さんに「この音はCDになっていますか?」と尋ねた。CDにはなっていなかったが、ここの北方民族博物館オリジナルの音で、流氷のぶつかる音・星のきらめき・そしてオーロラをイメージしたメロディーとのことだった。
エントランスの青色の通路と相まって、私もこのメロディーを聴くとオーロラを思い浮かべていたので、「やっぱりそうでしたか!」と興奮してしまった。


北方民族博物館に行くたびに思うのは、先住民や古代の人々の知恵と工夫のすばらしさだ。
たとえば上のビニール製のカッパに見えるこの服は、カヤックなどに乗る際の防水着で、アザラシの腸でできている。それもただ縫っているのではなく、Jの字型に腸を組み合わせて縫うことで防水性を高めている。
なんてこった。。。


魚の皮で作られた服や靴。


腸や魚の浮き袋には、魚などの油も蓄えたりしていたそうだ。


博物館内には資料展示だけではなく、あちこちにビデオが置かれ2,3分の短い映像が見られる。
私がいつも、5、6回繰り返して眺めてしまうのが、こちらの”生業”コーナーのアザラシ猟の映像だ。犬を連れ、凍った海の上にあるアザラシが呼吸する穴を探し、動物の小さな骨と鳥の羽を組み合わせたアザラシ探知装置を穴にセットし、じっとアザラシが呼吸しに来るのを待ち、モリでしとめるという内容のものだ。
北方圏に住む厳しさと人間のたくましさ・辛抱強さを教えられる。

他にも、幼子に毛皮のアンサンブル(それも下の世話ができるよう股間だけ開いている)を着せる母や、祭事で祈祷を行うシャーマンの映像など、貴重な映像が多く見られる。

そんな博物館に3時間いて、私にも明日を生きる力が少し与えられたような気がする。