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北海道の自然、そして子どもの育ちと虐待について

硫黄山の悲劇-釧路集治監を訪ねる旅 1

2009-06-29 | Abashiri Prison Museum-網走監獄関連

川湯、屈斜路湖の近くにある硫黄山。アイヌ語ではアトサヌプリ(裸山)と呼ばれる。
そのどうどうと白煙を吐く様子や硫黄の強いにおい、荒々しい山の風景など、私もお気に入りの場所で、何度も行っていた。


その山に、釧路集治監に関係する場所があるというのだ。


観光客は、整備された駐車場の奥からまっすぐ白煙を吐いている山腹へ向かうのだが、駐車場の右手の散策路に入り、すぐ山に向かった場所に、釧路集治監の外役所があったのだという。


明治22年に安田財閥が採掘経営に乗り出し、囚徒の使役の契約が結ばれた。


携わった囚人は約300人と言われ、硫黄の採掘作業により、多くの者が失明したり死亡したりしたという。
そのため、当時の典獄(監獄の所長さん)大井上という方が、所管の上司にかけあい、硫黄山での外役作業を契約期間満了を待たずに中止させたという。


外役所跡には柱と思われる木や土台に使っていたと思われるレンガが多く散乱していた。




ビンのかけらと思われるガラスもあった。


こんな有名な観光地が、こんな悲しい場所でもあることなど、案内してもらえずには知れないこと。
今日も、外役所の100メートルくらい離れた場所を、多くの観光客が歩いていることだろう。

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