【kenからのお願い】
この記事は、2009年時点での北海道の一部の児童相談所の一時保護所の体制についての批判記事ですが、一時保護所自体を批判否定しているわけではありません。むしろ私としては、問題のある家庭からは子どもは積極的に”保護”されるべきでもっともっと児童相談所に活躍してほしいと願っている立場です。
そういった意味で、他の「児童相談所に子どもを奪われた」等と主張する一時保護所、児童相談所批判の記事とは立場を異にしますし、この記事をもって児童相談所が非難されるとすれば、私の願いとはまったく正反対のものになります。
検索等で、こちらの記事を読まれる方々にあっては、くれぐれも記事の主旨をご理解くださるようお願いいたします。どの場にあっても、子どもたちが真に大切にされることを願って。。。2015年10月11日記す
児童相談所には親の虐待から避難させるためや非行に走る少年を保護するための一時保護所というものがある。
しかしその一時保護所、男の子、女の子両方いるのに、宿直は男性だけというところが多い。なぜなんだろう？
特別支援学校の寄宿舎で、女子棟に男性２名で宿直ということは考えられない。
絶対しない。
何か問題が起きたらと思うから予防的に、そのような配置はしない。
それがなぜ児童相談所の一時保護所では問題にすらならないのか？
一時保護所の子は、知的に問題がないから？
しかし、急に体調を崩す時だってあるはず。男性指導員がどうやって介抱する？
また、家庭で男親に虐待や性虐待を受けている子どもたちも、一時保護所には入ってくるが、その中には、「男性がこわい。」と感じている子たちもいるはずだ。また、性虐待にあってきた子の中には性への隔壁が非常にもろく、自分を守れない子も多い。（いや、長い虐待の果てに、自分に守られる価値があるとも思えなくなっているのだ。）
子どものシェルターであるはずの一時保護所に、そのような子どもたちへの配慮がないのはどうも合点がいかない。
４年ほど前に、札幌で『日本子ども虐待防止集会』があったとき、「一時保護所を語る会」というものが集会のオプションで開かれ、そこに参加し、挙手して、その問題を尋ねてみた。
その語る会の参加者の大多数は児童相談所の職員だったから、私の発言のあと、会場がシーンとなった。
ハコダテに帰ったら、当時のハコダテの児童相談所の課長さんから、「暴走族が子どもたちを拉致しに来ようとしたり、女性職員が宿直の時にたいへんなことになったことがあった、たいへんだからなんです。男性二名で宿直しているのには、いろいろな事情があるんです。あなたはその事情をご存知ないでしょう。」と、わざわざお電話をいただいた。しかし、大人の問題は、警備の強化や様々な方法で解決可能なはずだ。
私としては、４年前の思いと今の思いは変わらない。
いや、むしろ虐待について学べば学ぶほど、女の子のいる場所に男性だけの宿直は絶対するべきではないという思いは深まった。
確信となったと言っていい。
これは、私の考え過ぎなのか。この問題を取り上げ拡げていくことで、逆に虐待で一時保護すべき事例が逃げていく口実を与えてしまうのではないか。そんなことを思いながら、インターネットで「一時保護所」と入れ、検索してみた。一時保護所について大学のセンセイの書いた本もヒットする。しかし、児童相談所の相談員から大学の学究の道に進んでおられる研究者が中心では、一時保護所の本当の問題点は出てこないように思う。
検索を続けていくと、182番目に、次のような記事が出てきた。
http://www.pref.miyagi.jp/kohou/kaiken/h12/k120901a.htm
（※コピー、ペーストしてください）
『H12．9．1（金）知事臨時記者会見』
平成１２年に、宮城県の中央児童相談所において，一時保護中の入所児童に淫行をさせる行為をしたとして児童相談所の職員が逮捕起訴された事件についての、当時の浅野史郎宮城県知事の臨時記者会見の内容だ。宮城県はこの事件を受け一時保護所の宿直に急遽女性職員を組み入れる措置を行っている。
なんと、９年も前にこのような事件が起きているのに、まだ北海道では男性のみで宿直をさせているのだ。それに、北海道でのあの子ども虐待防止の集会は４～５年ほど前だから、私に電話をくださったハコダテの課長さんも当然知っていたはず。
なんということか。。。
札幌での一時保護所を語る会で、私の発言でシーンとなった会場で３～４名の方が大きな拍手を送ってくださった。その方たちは、乳児院の保育士さんたちだった。
懸念している人たちがいながら体制が変わらないのはなぜなのだろう。
※北海道でも女性非常勤職員が宿直に加わっている一時保護所もあるようです。
