昼食を食べ終わった後、僕らは拝殿の前に行きお参りをすることにした。朽ち果ててはいたが神社に来て参らずには帰れない。お願い事をした後、なんとはなしに拝殿を見ていると視線を感じた。斜め前の方に視線を移すとネーコイがこちらを見ていた。何か言おうとしているように思ったが視線を戻した。一呼吸おいて再びネーコイの方を見ると、「そ・・・・」と喋ったようだ。いやそんなはずはない。僕はまた視線を戻した。ネーコイが鳴いた。ネーコイの声を聞くのは初めてだなと思いながら、ネーコイを見た。その瞬間、「そっち・・・」という言葉が頭の中で直接聞こえ、そして「じゃない」と言葉が頭に浮かんだ。「そっち・・じゃない」って・・・ ネーコイの向こうに小さな祠が見えた。人の背の高さより少し高い小さな祠だ。やはりところどころ壊れたり腐ったりしている。
「祠がある、ほらあそこ」僕は二人に言った。
「ほんとう・・」由美は祠の方へゆっくりと歩いて行った。ぼくらも倣った。
「洋介さんが日記で書いていたのこの祠じゃない。」
そんなことよりぼくはパニックに陥っていた。頭の中で聞いた言葉や浮かんだ言葉はネーコイが話したのだろうか?そんなことはあり得ない。でもネーコイが言ったのであれば、この祠には神様がいることになる。そんな・・・・ その時由美が
「あっ」と叫んだ。
「ゆうみ、どうした」
「ううん、なんでもないわ。」
僕はまだパニックから立ち直っていなかった。
僕たちは祠に参った。僕は厳粛な気持ちになっていた。おそらく由美もそうだろう。長谷だけが違った。
「この祠が日記に書いてあった祠とは思えないな。もう少しましな拝殿があるんだから神様がいるとしたら拝殿の方さ。でも結局いるか、いないかはわからないんだ。個人個人が勝手に思い込むだけなんだ。」
情報が入ってこない人は呑気でいいな。こんな重要な局面でも平気で勝手なことが言っていられる。僕らはそれぞれがそれぞれのことを考えていた。
「帰ろうか。」長谷が言った。僕らは、頭の中を整理できないままであったが帰ることにした。ネーコイはついてこないようだ。
「祠がある、ほらあそこ」僕は二人に言った。
「ほんとう・・」由美は祠の方へゆっくりと歩いて行った。ぼくらも倣った。
「洋介さんが日記で書いていたのこの祠じゃない。」
そんなことよりぼくはパニックに陥っていた。頭の中で聞いた言葉や浮かんだ言葉はネーコイが話したのだろうか?そんなことはあり得ない。でもネーコイが言ったのであれば、この祠には神様がいることになる。そんな・・・・ その時由美が
「あっ」と叫んだ。
「ゆうみ、どうした」
「ううん、なんでもないわ。」
僕はまだパニックから立ち直っていなかった。
僕たちは祠に参った。僕は厳粛な気持ちになっていた。おそらく由美もそうだろう。長谷だけが違った。
「この祠が日記に書いてあった祠とは思えないな。もう少しましな拝殿があるんだから神様がいるとしたら拝殿の方さ。でも結局いるか、いないかはわからないんだ。個人個人が勝手に思い込むだけなんだ。」
情報が入ってこない人は呑気でいいな。こんな重要な局面でも平気で勝手なことが言っていられる。僕らはそれぞれがそれぞれのことを考えていた。
「帰ろうか。」長谷が言った。僕らは、頭の中を整理できないままであったが帰ることにした。ネーコイはついてこないようだ。