NHK BSにて「遊びの科学」という番組があった。
結論から言うと、子供時代の遊びは人格形成に重要な効果をもたらす、という。
アメリカの小児学会では2018年に次のような勧告を全小児科医に対して発している。
「子供には遊びを処方してください。 遊びは脳の発達に重要な効果をもたらします。」・・・と。
子供や動物にとって、遊びがもたらす脳への変化はいろいろな実験によって明らかになりつつある。
単独で暮らす習性のあるハムスターを別のハムスターの住む箱に入れたところ、2匹は互いに攻撃し合い傷つけあう。 負けたほうのハムスターは、次に別のハムスターの住む箱にいれると、相手がにおいを嗅ぎに来ただけでも逃げ回る。 2匹の脳の細片を顕微鏡で観察したところ、大脳皮質の発達に違いがあった。 というのだ。 負ける経験をすることで脳が委縮してしまうのだそうだ。
幼いときの遊びは大脳皮質の前頭葉を発達させ、互いとの交わり方、絆、相手への思いやり、など、種々の効果をもたらす、という。
逆に、子供のころにじゃれまわって仲間や兄弟と遊びの経験のない子は、先述のハムスターのように、いじけやすく、閉じこもってしまう傾向にある。 場合によってはイジメによって脳にダメージを受けてしまうこともあるのかもしれない。 引きこもったり親に反抗したり狂暴になったり・・・簡単に自殺してしまったり・・・
今、世の中に多発している子供のいじめや自殺、大人になっても子供のようなイジメを行う教師、親への反抗、親殺し、など、この問題に結びついているような気がした。
子供のころに外で遊びまわるということが失われている。 外で遊ばない子供、遊びまわる相手のいない子供、たとえば一人っ子で親ともじゃれ合って遊んだことのない子供、親はいるのだが一緒に遊びまわったことのない子供、など、外で遊びまわった経験のない子供たちが増えているのが、これらイジメや自殺、オレオレ詐欺の多発、すぐに殺してしまう風潮、銃の乱射、テロの多発、などに結び付いているのではないのだろうか。
現代における子供の遊びがスマホであったりする今日、親になる人はよほど気を付けて子供の成長ということに意を払う必要があるのだと思う。
ワシ等が子供のころはどうだったかというと、近所には遊びのグループがありガキ大将が必ずいた。 ガキ大将が、上は中学生から下は幼稚園くらいの子供らを率いて全員参加の遊びをやっていた。 幼稚園前の小さな子供もゴマメといって仲間に入れてやっていた。
家に閉じこもっている子はほとんどいなかった。 風呂敷を背中につけ月光仮面になって走り回ったり、スーパーマンや仮面ライダーになったり・・・野球をやったり、チャンバラで鞍馬天狗になったり・・・していた。
大木があればよじ登り、崖があれば登ったり飛び降りたりした。 一日中虫を追いかける日もあったし、台風で大水がでれば水の中で魚を追いかけたりしていた。 なんでも遊びになったもんだ。
竹で弓矢を作って当てっこ、板にくぎを打って手製のパチンコ台を作ってビー玉をパチンコ玉にして遊んだりした。 近くの印刷所から余ったマッチ箱のシールを山ほどもらってきて、それをお金代わりにして誰が一番稼ぐかの競争などもやった。 めんこの集めっこも経済社会への入り口であったりした。
今からでも遅くはない、子供を外で遊ばせよう。 子供を仲間と遊ばせよう。 親は子供とじゃれ合って遊びましょう。