毎日一応、ニュースをチェックして、あぁ、こんな事があったのか、こんな人がこんな事を言ったのか、と一頻り知り、それに対しての自分の感想を思う練習をしています。
自分でもガラッと変わったなと思うところは、他人の意見に是の非の思わなくなってきたところ。
その人にはその人の立場あって然り、その立場が違うのだから、意見が違うのは当たり前で、それをそのままぶつけ合ったって絶対にまとまらない。
ポリティカルな発言はよそうと決めています。でも昔から、これはきっと私だけの印象じゃないと確信してるんですが、国会の議論はまさにこの、主張のぶつけ合いの構造で、もともと解決できるしくみになっていない。ただ平行線をたどるという構造になっているんですね、はじめから。
その証拠に、ほら、実際そうなってますよね。何も決まりません。どうやって決めているかと言うと結局多数決。まともに考えたらすぐに決まるだろうと思える問題ですら多数決で決めるんです。だから選挙に血眼になってまあまあ……。
国会って、議会って、議論って、そういうトコ? そういうモノ?
話し合うって、相手の意見に賛同する事を言うのじゃないのかな? そして気が付けば、主張が全く入れ替わってたりして……。
「あぁ、そういう事なら、確かにこっちのほうがいい。」
「いえいえ、そちらの意見こそ、まさにここはこの方がいい。」
「じゃあ、あなたのココと、私のココを、一つにまとめませんか?」
「そりゃいい、是非そうしましょう!」
と運んでいくのが議論じゃないのかな。『三人寄れば文殊の知恵』とは、こういう事を言っているのじゃないのかな。
世界には百億人を優に賄えるだけの食料と飲料水があるというのに飢餓に苦しむ人たちが何億人もいたりするのも、多数決で決めるからだと思う。
多数決って、間違ってない? 正しいの?
多数決が間違っているわけじゃないか……。多数決の、多数の決め方が間違っている。だからこういう事が起きる。
アメリカの選挙人制度も、よく知らないけど、州ごとに何人いて、選挙人の多い州をとったら有利、なんてどう考えても変。それは絶対多数決じゃないね。
政党ってのも、なんだか事情をややこしくしている気がする。いる? 政党。
党利党略とか言ってさ、国民の代表であるはずの人が、自分の意見も言えず、というか言う必要もなく、政党の意見に完全に飲み込まれて、相手の揚げ足取りばかりしている姿は、決してミットもいいモノではありません。
音楽をやってた頃、けっこう真剣にプロを目指してやってたので、そこそこ高い機材なんかを買い揃えて、その際じっくり試奏して、それでもまだ決心がつかない時、私はよく店員にこう質問しました。
「この機材の悪いトコはどこ?」
すると店員は一瞬、お! って顔をして、何なら嬉々としてその機材の欠点を教えてくれるんです。
「いや、電池しか使えないですから、面倒です」とか、「ジャックが壊れやすいです」とか、「ディスプレーが小さくてライヴの時は見え辛いですよ」なんて。
わかってるんですね、店員は。お勧めしながらもその商品の欠点も。逆にべた褒めするばかりで欠点を教えない、わかっていない、そんな店員のいる店では買いたくないですもんね。高い機材。
斯様に……。
与党が政策を出す時、この政策にはこういうメリットがあるけど、逆にこういうデメリットもある、とそう言って提出するようにすればいい。そして野党も、その意見のここはこれで賛成だが、ここはこうすれば賛成だ、という反対の仕方をすればいい。
対案もないのに反対だけしているのは、性能も知らないでやたらと押し売ろうとしている、知識のないバイト店員と変わらない。
消費税、ゼロ、っていうのも、具体的でいいかもね。景気が回復する見込みがあるんだったら限定的にでもやってみたら。
まあ、私は大きな買い物をすることもないので、あまり変わらないでしょうけど。