2007年６月９日(土)

　学校へ行った日は、とても疲れるため、眠気を堪えながら、夕飯を平らげると、早々に寝入ってしまう。俺にとって、土曜日は休日なので、昼過ぎまでゆっくり眠っている。しかし今日は、夜中に一度起きたため、それほど長時間眠ったというわけではない。

　夜になっても、体が完全に目覚めてはいない。たとえばシャワー等の刺激が無ければ、だるさは抜けないのだろうか。それとも、部屋の酸素が薄いことが、原因だというのか。そう、俺の部屋は明らかに酸素が薄い。何日も室内に居続けるというのは、さながら山岳での生活と似ている。血中酸素が低下すると、人体は害を被ってしまう。特に、脳へ送られる酸素が欠乏することで、致命的な痛手を負うこととなる。たとえば、思考力の低下や、意識が朦朧とするなど、酷い場合は障害を背負う危険性もある。

　酸素が薄いということは、体を動かす際の消耗が激しくなるということだ。マラソン選手などが、山に登り、そこで体を鍛えることがある。強い心臓を作れるのだと思う。俺も、自身の部屋で運動することにより、タフな男に成れるかもしれない。だが、そこまで酸素が薄いわけではない。それではまともに生きていけないだろう。やや薄いことは事実なのだが、酸素よりもカビが肺に侵入することが心配だ。

　多量の汗と、自然に上昇し続ける湿度によって、壁や家具は、カビの温床となっている。ＣＤ置き場に関しては、湿気取りが必須だ。それでも、幾つかブックレットや中ジャケが湿っている時があり、発見する度に切なくなる。

　そんな環境の中で、ただ生きている俺は、貴重な時間を無駄にしている。どうせ無駄になってしまう時間が多いのだから、誰かに時間を売れれば良いのにと思う。いつか四次元理論が完璧に解き明かされたならば、そうした時間の売買が可能になるのだろう。しかし、その頃になったら、俺はもう切り売り出来る余分な時間など、１秒たりとも持ち合わせてはいないのだ。人生の歯車が絶妙なタイミングで噛み合うことは、一生のうちに数える程度しかない。だから、夢想家であるうちは大成しそうもない。