GOREとにゃんこの桃源郷

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原題:Philosophy Of A Knife 邦題:ナイフの哲学

2013-06-29 | DVD(映画)
 中国に拠点を置く日本陸軍の研究機関にて行われる、ロシア人捕虜への無慈悲な人体実験の数々。当然、フィクションではあるが、ドキュメント風に構成することで、リアリティを出すことに成功している。旧日本軍の話ということで、日本人が多数出演しているものの、残念ながら日本語は無し。日本盤も無いようなので、セリフは全て英語、ロシア語は英語字幕にて観賞する他無い。以下、ネタバレ中心に感想なども交えつつ記載。

 ロシアの老人へのインタビューと、それに関する研究施設での様子が、交互に繰り返されるという構成。インタビューの映像はカラーだが、それ以外は全て白黒で展開する。第一部、第二部と分かれているが、これは単純に長編のため。実はこの映画、合計で4時間にも及ぶ大作である。時間のある時に観賞しよう。
 白黒で展開する、研究施設内での人体実験。それが、この映画の本編である。看護婦の心中吐露がナレーション形式で入り込むことがたまにあるが、基本的に役者はセリフ無し。そのため、映像だけでも内容が視聴者に伝わるようになっている。実際にあった当時の再現フィルム、という真実味を与えたいのだろう。また、リアリティの演出はそれだけではない。映画全体を通して、実際の戦争の写真や、実在するシャム双生児の写真など、本物を随所にカットバックさせている。外国人が観たら、日本人に偏見を持つこと請け合いの作品だ。
 さて、話の中身はと言うと、初めから終わりまで、長時間のグロ映像特集に他ならない。捕虜は番号で管理され、一人ずつ、時には複数人、施術室へ連れて行かれる。各人とも音楽のレコードが終わるまでの間、様々な方法で虐げられる。一度の連行につき一種類の方法で虐げられ、ものによっては死ぬことになる。このような場合、殺されるのは当たりだろう。内容のネタバレを幾つか書いてみる。

 ・まず、ペンチによる抜歯。レコードが回っている間、下の歯から順に1本ずつ抜かれていく。下が終わったら、今度は上の歯を抜き始める。それだけ本数を抜かれながらも、意識を保ち続けていられるのだから、若いロシア女性はタフだ。
 ・顔を焼かれる。人によるが、色々な方法で焼かれる。辛いのは、顔を焼け焦げたとしてもロシア男性はタフなので生きているという事実だ。だが彼は、その後隙を見て執刀医に噛み付き、一矢報いた。腕を噛まれた男は、その腕を切断される羽目になった。きっと病原菌でも入ったのだろう。
 ・拳銃を突きつけ、男女でセックスさせる。ロシア男性はタフなため、恐怖と羞恥心に負けることは無い。命令されるがまま、一心不乱に女を突いていた。
 ・雪の中、全裸で歩かされ、棒に固定され、氷水をかけられたうえ、連れ帰られる。凍死させるのではなく、命を奪わないのが惨い。冷え切った彼は、施設に戻ってから目隠しをされ、既に感覚の無い手足に切り込みを入れられ、正面に向かい歩かされる。歩いている途中で、手足の皮が剥け落ち、その場に倒れこんだ。ゴム靴が脱げるように、ベロンとめくれてしまうのが残酷。
 ・女性器に巨大ゴキブリを挿入。しっかり中に入れられるだけで、その日は終了。モザイク無しで丸見え状態になるため、大変卑猥。後日、再び呼び出される若いロシア女性だが、相変わらずゴキブリは体内で生きていた。軍医(兵士かな)が女性の喉元までゴキブリを指で押しやり、首の裏をナイフで切り始める。盛大に切り込み続けると次の瞬間、女性の頭部から鎖骨の辺りまでの皮が捲れ落ちる。皮の剥がれた彼女の口から、件のゴキブリが出てくる。そしてゴキブリは、また瓶の中に保存された。女性はというと、剥がれた皮を顔に被せられ写真撮影。だが、もう絶命してたのだろうか、首が重力に逆らえず、何度皮を載せても落ちてしまう。個人的には、彼女が凄惨大賞に輝ける気がする。
 ・銃の的にされる。練習台になるわけだが、命中すれば一瞬で死ねる可能性もあるため、標的に選ばれた女性はラッキーだったと言える。結局は首に命中したので、暫く苦しむ羽目になるのだが、他よりはマシかと。
 ・電気責めと、皮膚切り裂き、舌ベロ切断。反抗的だったために、メニューが追加されたのだろうか。
 ・背中を切り取り、通電させた後、フックを使い背骨を抜き取る。他の場面にも共通するのだが、施術中にキャーキャーと悲鳴を上げている声が、終わる頃には蚊の鳴くような掠れ声になるのが良い。
 ・急激な気圧変動による破裂。爆発させると、清掃員にも被害が及ぶ。

 ただでさえ長い映画だが、凄いのはただでさえ残虐なグロシーンに、別のグロ画像やグロ場面をカットバックさせる作りだ。もしもフルカラー以上で4Kテレビ規格の超高画質だったら、トラウマ製造機もいいところだろう。とは言え、白黒ならではの無慈悲な雰囲気というのもあるが。映像の他に、音楽も映画にとっては重要な問題だろう。この映画は意外と、各場面に使われている音楽が良い。全てでは無いが、やはり音楽が場面に合っていれば、雰囲気は格段に向上する。
 何はともあれ、ホステルシリーズが霞んで見えるほどのグロ映画のため、血や臓物に苦手意識のある人は、視聴を控えよう。その他にも、皮が剥がれたり、顔が燃えたり、銃殺されたり、毒ガスで殺されたり、ちんちん丸出しにされたり、そういったものが苦手な人も気を付けよう。


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5 コメント

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ナイフの哲学 (fzhihiro112)
2015-06-09 00:56:02
映画を鑑賞しました
凄まじい映画でした 森村 誠一?(悪魔の飽食)
本の著書と一緒に読んで鑑賞するとより一層ながら恐怖を感じられます。
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>>fzhihiro112 (GCC)
2015-06-13 19:08:20
エグイ描写が頻発する4時間ですから、
外国人が予備知識無しに鑑賞すると日本嫌いになりそうで不安です。
悪魔の飽食、読書が苦手なため未読ですが、
この手の話には付き物ですね。
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マルテンサイト千年グローバル (サムライ鉄の道リスペクト)
2024-09-15 08:57:12
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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武士の魂日本刀 (抜刀隊)
2024-11-23 04:42:11
一神教はユダヤ教をその祖とし、キリスト教、イスラム教が汎民族性によってその勢力を拡大させたが、その一神教の純粋性をもっとも保持し続けたのは後にできたイスラム教であった。今の科学技術文明の母体となったキリスト教は多神教的要素を取り入れ例えばルネサンスなどによりギリシャ・ローマの古代地中海世界の哲学なども触媒となり宗教から科学が独立するまでになった。一方でキリスト教圏内でも科学と宗教をむしろ融合しようとする働きにより、帝国主義がうまれた。宗教から正当化された植民地戦争は科学技術の壮大な実験場となり、この好循環により科学と宗教を融合させようというのである。その影響により非キリスト教圏で起きたのが日本の明治維新という現象である。この日本全土を均質化した市場原理社会する近代資本主義のスタートとされる明治維新は欧米などの一神教国が始めた帝国主義的な植民地拡張競争に危機感を覚えたサムライたちが自らの階級を破壊するといった、かなり独創的な革命でフランス革命、ピューリタン革命、ロシア革命、アメリカ独立戦争にはないユニークさというものが”革命”ではなく”維新”と呼んできたのは間違いない。しかしその中身は「革命」いや「大革命」とでもよべるべきものではないだろうか。
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特殊鋼の原点 (元鉄鋼商事関係)
2024-11-23 04:51:42
それにしても古事記はすごいよな。ドイツの哲学者ニーチェが「神は死んだ」といったそれよりも千年も前に女神イザナミ神についてそうかいてある。この神おかげでたくさんの神々を生まれたので日本神話は多神教になったともいえる。八百万の神々が出雲に集まるのは、国生み・神生みの女神イザナミの死を弔うためという話も聞いたことがある。そしてそこから古事記の本格的な多神教の神話の世界が広がってゆくのである。私の場合ジブリアニメ「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」「天空の城ラピュタ」などのの感想を海外で日本の先進的な科学技術との関連をよく尋ねられることがあった。やはり多神教的雰囲気が受けるのだろうか。
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