20世紀はHTの時代でしたが、その特徴は剣弁高芯咲きの端正な花形。クリスチャン・ディオールやロイヤル・ハイネスといってHTの銘花の魅力は、現在も衰えることはありません。HTとは、ハイブリット・ティーの略ですが、言葉通りティーローズのハイブリット形であり、またもう片親の系統であるハイブリッド・パーペチュアルの性質を持ち合わせています。それでは、ハイブリットパーペチュアルの性質は何かというと、その樹形に特徴があり、太い棘の大きな枝が直立するということにあります。花形は更にその先祖であるブルボンやチャイナの系統を受け継いでいますが主に大輪です。ティーローズはノアゼットとチャイナローズの交配種ですので、四季咲き性にすぐれています。ハイブリットパーペチュアルはハイブリットティー以前の品種として1800年代後半に爆発的にヨーロッパで普及しており、現在わかっている品種だけでも2059種ありますのでビクトリア女王の時代はまさにハイブリットパーペチュアルの時代でもあったことがわかります。
さて、HTのもうひとつの系統のティーローズですが、こちらの外観は花弁が反りかえっていることが特徴です。そしてHPよりも相対的に花が小さめで樹形も小さいです。また温暖な地方のバラであるせいか寒さに弱く、現在わかっている品種数が823種であることからもイギリスなどでは温室栽培の品種としてマニアの間で普及していったバラであるといえます。
ただし、反り返った花弁というものは、民族性の違いからか極めてヨーロッパ的とも言え、その後大輪であるHPとの融合が図られたHTは、当時においては理想の花形でありました。我々が子供の頃より親しんだバラはこのHTであり、バラといえば、そういった花形を思い浮かべてきていました。
そういった時代の流れの中で20世紀後半に登場したERは当時このHTしか知らない私達にとっては、大変な驚きとともに新鮮さを感じさせるものでありました。
特に海外では日本がいち早くこの品種を取り入れられ流通して行きましたが、何故日本人に受けられたかについては、様々な要因が考えられますが、そのひとつとしてこの写真のバラ「コンスタンス・スプライ」のようなカップ型とまた中心に折りたたんだ花びらが幾重にも重なったクォーターロゼットの花形にあったと思います。日本人の多くは内向的な性格で、外に向うものよりも内向きのもの本質的に好む傾向があります。見ていて安心できる形、行為はすべて内向きとなっています。宮本常一の著書にも書いてありますが、外国、特にヨーロッパ・アメリカなどの農村で使っている鋤はすべて突き刺すもので、極めて攻撃的であるが、日本は反対で内に向って鍬を振ってくるように造られていてます。剣道も上から振り下ろす動作ですが、最後は自分に剣筋が戻ってきます。フェンシングはとにかく相手に向って突き刺す動作の繰り返しです。この攻撃的(好戦的)ではなく穏やかな平和を望む国民性というもが、カップ咲きを本能として支持しているのではないかと最近は考えるようになりました。コンスタンス・スプライは1960年にディビット・オースチンが作出したイングリッシュローズ第1号品種ですが、この不朽の銘花の登場によりバラの歴史が変わって行きました。
さて、HTのもうひとつの系統のティーローズですが、こちらの外観は花弁が反りかえっていることが特徴です。そしてHPよりも相対的に花が小さめで樹形も小さいです。また温暖な地方のバラであるせいか寒さに弱く、現在わかっている品種数が823種であることからもイギリスなどでは温室栽培の品種としてマニアの間で普及していったバラであるといえます。
ただし、反り返った花弁というものは、民族性の違いからか極めてヨーロッパ的とも言え、その後大輪であるHPとの融合が図られたHTは、当時においては理想の花形でありました。我々が子供の頃より親しんだバラはこのHTであり、バラといえば、そういった花形を思い浮かべてきていました。
そういった時代の流れの中で20世紀後半に登場したERは当時このHTしか知らない私達にとっては、大変な驚きとともに新鮮さを感じさせるものでありました。
特に海外では日本がいち早くこの品種を取り入れられ流通して行きましたが、何故日本人に受けられたかについては、様々な要因が考えられますが、そのひとつとしてこの写真のバラ「コンスタンス・スプライ」のようなカップ型とまた中心に折りたたんだ花びらが幾重にも重なったクォーターロゼットの花形にあったと思います。日本人の多くは内向的な性格で、外に向うものよりも内向きのもの本質的に好む傾向があります。見ていて安心できる形、行為はすべて内向きとなっています。宮本常一の著書にも書いてありますが、外国、特にヨーロッパ・アメリカなどの農村で使っている鋤はすべて突き刺すもので、極めて攻撃的であるが、日本は反対で内に向って鍬を振ってくるように造られていてます。剣道も上から振り下ろす動作ですが、最後は自分に剣筋が戻ってきます。フェンシングはとにかく相手に向って突き刺す動作の繰り返しです。この攻撃的(好戦的)ではなく穏やかな平和を望む国民性というもが、カップ咲きを本能として支持しているのではないかと最近は考えるようになりました。コンスタンス・スプライは1960年にディビット・オースチンが作出したイングリッシュローズ第1号品種ですが、この不朽の銘花の登場によりバラの歴史が変わって行きました。