このブログ記事を書いている時点での能越自動車道の終点は七尾ICであり、国道159号七尾バイパスに接続しています。
その七尾バイパスですが、事業としては「別線のバイパス区間3.2km」と「現道を2車線から4車線に拡幅する区間1.1km」からなります。両者とも2000年度に事業化され用地買収に着手しましたが、別線区間については工事着手は2009年度にずれ込み、能越自動車道の延伸に合わせ2015/2/28に暫定2車線で供用開始となったのに対し、現道拡幅区間は2024年度時点でも未完成です。
例によって過去の事業評価監視委員会における再評価資料を見ると、以下の通りです。
1.平成21年度第3回北陸地方整備局事業評価監視委員会・再評価資料
https://www.hrr.mlit.go.jp/johokokai/hyouka/hyouka01/H21/h21_3/h21-3-3_nanao.pdf
全体事業費:約240億円
平成21年度末までの投資額(予定):約41億円(進捗率約17%)
バイパス区間の用地買収=進捗率約5割
2.平成27年度第2回北陸地方整備局事業評価監視委員会・再評価資料
https://www.hrr.mlit.go.jp/johokokai/hyouka/hyouka01/h27/h27_2/shiryo/10.pdf
全体事業費:240億円
用地進捗率51%、事業進捗率52%(2015年度末予定)
バイパス区間は2015/2に供用開始(能越自動車道七尾ICと接続)
3.令和元年度 第1回北陸地方整備局事業評価監視委員会・再評価資料
https://www.hrr.mlit.go.jp/johokokai/hyouka/hyouka01/r01/r01_1/shiryo/06.pdf
全体事業費:240億円
用地進捗率51%、事業進捗率52%(令和元年度末)
現道拡幅区間(七尾市川原町~同市古府町)の調査設計を推進中
4.令和6年度 第2回北陸地方整備局事業評価監視委員会・再評価資料
https://www.hrr.mlit.go.jp/johokokai/hyouka/hyouka01/r06/r06_2/shiryo/04.pdf
全体事業費 240億円
令和5年度末までの投資額:126億円
用地進捗率51%、事業進捗率53%(令和5年度末)
現道拡幅部については、周辺環境の変化を踏まえながら調査設計を推進していたところ、令和6年能登半島地震で沿線住宅にも被害が発生し、さらに災害後に支援車等で渋滞が発生したこともあり、当初計画していた道路構造を変更することを含め地域住民との合意形成を図りながら道路設計を進めていく必要が生じました。これを受けて測量や設計等を進め、地元協議を引き続き継続し、早期に用地買収、工事着手することにより、地震被災地の支援につなげるということです。
以上のことから、現道拡幅区間は未だに用地買収どころか調査設計段階から前に進んでおらず、その調査設計も能登半島地震により仕切り直しになったことが分かります。拡幅区間における地元の反対運動は特に存在しないようで、あくまでも北陸地方整備局側で優先度低と判断して先に進めなかったものと推測されますが、今後の推移に注目です。