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2024年末に「踏切のある新設国道バイパス」が爆誕(三重県いなべ市)、そのからくりは?

関連ブログ記事・・・2024/11/6付「東海環状道大安~いなべ間の2024/11/3時点の状況(その1)」

上記ブログ記事で

>大安IC付近~東員IC付近間は国道365号員弁バイパス<手前>と東海環状道の高架橋が並行しており、前者は暫定2車線から4車線への拡幅工事中です

と書きましたが、この区間を含む「一般国道421号大安ICアクセス道路」が2024/12/25付で開通しました。

https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0038300077.htm

https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001169004.pdf

この道路は、東海環状道大安ICと員弁川の対岸の間のアクセスを改善するためのもので、総延長3.5kmのうち西側の1.3km区間が国道365号(国道421号重用)の2車線→4車線への拡幅、東側の2.2km区間が新設2車線の国道421号バイパスとなっています。

付近のGoogleMap航空写真はこちら

注目されるのは、この新設バイパス道路と三岐鉄道北勢線との交差部分が踏切構造になっていることです。初日に自動車で走行して撮影した動画によれば(1分25秒付近で出てきます)、

https://www.youtube.com/watch?v=yD2KZwTW-ug

この踏切は「大泉5号踏切」となっています。

現時点での法令では踏切の新設は原則として禁止されており、道路法31条でも「当該道路の交通量又は当該鉄道の運転回数が少ない場合、地形上やむを得ない場合その他政令で定める場合を除くほか、当該交差の方式は、立体交差としなければならない」と規定されています・・・条文全体はこちら

しかし、今回開通した国道421号バイパスは高規格道路のインターチェンジへのアクセス経路なので相応の交通量が見込まれますし、三岐鉄道北勢線はレール幅の狭い軽便鉄道で最高速度が45km/hとはいうものの、昼間でも1時間に4本の割合で電車が走っており「運転回数が少ない」には該当しません。そして、踏切周辺は平坦地で地形の制約は何らなく、2車線道路の立体交差を設置するスペースは十分あります。

にもかかわらず踏切が設置できたのは、扱い上は「既存の踏切の移設」のためだったりします。地元いなべ市の公式サイトに掲載されている「令和 6 年度施政方針」において、1-10【国道 421 号バイパス道の整備】の項目に以下のような文言があります。

大泉新田からいなべ総合学園高等学校の南隣を通り、(仮称)いなべ大橋から大安IC につなぐ国道 421 号バイパス道の工事が三重県事業として、完成を令和6 年 12 月に早めて実施されています。この道は集落の中を通ることから、地権者をはじめ、多くの皆さまにご協力いただき感謝申し上げます。しかし、北勢線の横断に新たな踏切が必要となるため、既存の大泉 5 号、6 号踏切が閉鎖されます。この閉鎖される踏切を迂回するための道路(市道宮東三反丸線)を新設し、利便性を確保します。

つまり、国道421号バイパスの大泉5号踏切は、法的にはもともとあった市道の大泉5号踏切を閉鎖して近い場所に移設したという扱いなわけです。

関西地方を中心に全国各地の踏切を紹介した個人サイトに、閉鎖された大泉5号・6号踏切の在りし日の姿が記録されていました。

https://dt6110.web.fc2.com/fumikiri/shitetu/san_hoku2.html

大泉5号踏切は今般開通したバイパスにほど近い場所に存在した幅6mほどの市道の踏切、大泉6号踏切はこちらから北に100mほど行った場所に存在した小特以外の自動車通行止めの踏切(2019/10時点のストリートビューはこちら)でした。

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