関連ブログ記事・・・2024/11/19付「 函館バスは「安すぎる運賃」の是正のため2024/12/1に大幅値上げ」
北海道の胆振・日高地方を主なエリアとする道南バスは、2024/11/26付で運賃値上げを申請しました。2025/4/1実施予定です。
https://www.donanbus.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/11/unchinkaitei_241126.pdf
なお、苫小牧市街地の路線は2023/12/1付で値上げ済(2023/9/1付ブログ記事参照=かつて苫小牧市営バスが存在した関係で運賃体系が別になっている)のため、今回の値上げはありません。
リリース文によれば上限運賃ベースの値上げ率は11.5%となっていますが、「主要区間の運賃対比表」によれば実施運賃ベースで50%前後かそれ以上の値上げ率になっている区間があります。これらに共通するのは、「JR北海道の路線と並行しているか、かつて並行していた」ことです・・・
東室蘭駅西口~幌別駅西口間=350円→520円(48.6%アップ、JR線は290円)
登別駅前~白老駅前間=500円→800円(60%アップ、JR線は440円)
俱知安駅前~ニセコ本通間=450円→670円(48.9%アップ、JR線は340円)(注)
富川高校前~静内間=880円→1300円(47.7%アップ、かつてのJR線富川~静内間<JR日高本線の鵡川以東は代行バス化後2021/3/31限り廃止>は970円)
函館バス同様に、鉄道との競合区間については国鉄時代から実際の賃率より低めの運賃設定にしていたのを、実態を鑑みて(もはやJR北海道の普通列車は競合相手ではない、鉄道が廃止になって時間が経過しているなど)取り止め、本来の賃率による運賃設定に移行する結果なのかも。なお、富川高校前~静内間は鉄道代替バスではなくJR日高本線が健在だった頃から存在する路線であり、JR廃止代替として新たに2021/4/1に運行を開始した路線(例:苫小牧静内線)の値上げ率がどうなるかに注目ですね。
ちなみに道南バスは未だに磁気バスカードを全社的に継続しています(2024/12/5付ブログ記事参照)が、上記リリース文の「5. サービス向上に関する今後の取り組み」には「弊社では現在も多くの方に利用いただいている QR コード決済のブランド追加による利便性向上やスマホ定期券の利用拡大へ向けたサービス拡充を図ってまいります。」とあり、交通系ICカードやタッチ決済(注2)の導入については言及していません。磁気バスカードシステムは相当老朽化しているはずですが、いつまで継続するつもりなのでしょう?
(注1)倶知安駅前~ニセコ本通・ニセコ駅前間にはニセコバスの路線もあり、以前は道南バスと同額の450円でしたが、ニセコバスの2024/12/1付の値上げ後は540円となり、両者で90円の差がついています。申請通りに認可されると、2025/4/1以降は逆に道南バスのほうが130円高くなります。
(注2)道南バスでは、観光客向けに運行している「登別駅前~登別時代村前~登別温泉~足湯入口」間の便に限りVISAのタッチ決済に対応しています。同じ登別駅前~登別温泉間でも、各停便は非対応です。
https://www.donanbus.co.jp/map/noboribetsu_ashiyu/