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釧路と根室を結ぶ高規格道路の計画・整備状況について

2024/11/22付ブログ記事「道東自動車道阿寒~釧路西間、2024/12/22開通」で書いたとおり、2024年末に釧路市街地と札幌方面が高規格の自動車専用道路で結ばれました。釧路西ICでは既に開通済みの自動車専用道路「釧路外環状道路(釧路西IC~釧路別保IC間)」と接続しており、同環状道路は上記区間開通と同時に一般向けには「道東自動車道」と案内されるようになりました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ks/release/c86hsb000000gh4n-att/c86hsb000000h8g5.pdf

今回は、その釧路別保ICより東側の計画・整備状況についてまとめました。

1.釧路別保IC~厚岸町尾幌間

この区間はまだ事業化されておらず、計画段階評価の段階です。この区間は丘陵越えであり、さらに自然環境への配慮が必要な区間や洪水浸水が想定される区間もありますが、2024/12/25に開催された会合でルート案が決定しました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/kn/dou_kei/slo5pa000001mudx-att/slo5pa000001n62z.pdf

これまで以下の3つのルート案が提示されていましたが、

 a)  全線別線南側ルート案・・・概ね現在の国道44号沿い、事業費は1100~1300億円を予想

 b)  全線別線北側ルート案・・・JR根室本線より北を通り西側は国道272号に並行、事業費は1150~1350億円を予想

 c)  別線南側・一部現道改良案・・・尾幌側の4km区間は現在の国道44号を改良し残りは別線バイパスを整備、事業費は1000~1200億円を予想

このうち、全ての政策目標の達成が概ね見込め、かつ、地域が望む重視・配慮すべき項目に概ね適切に対応可能なa)案が対応方針(原案)として採用されました。

2.厚岸町尾幌~厚岸町糸魚沢間

この区間は「尾幌糸魚沢道路」として2019年度に事業化されました。延長は24.7kmで、屈曲が多くかつ津波発生時に浸水が想定される厚岸町内区間をバイパスする形となります。途中の厚岸ICは、厚岸市街地から5km以上北の台地の上(光栄地区の住宅地の北側あたり)に設置される予定です・・・GoogleMapはこちら

2024/12/19に開催された令和6年度第3回北海道開発局事業審議委員会において再評価の対象となっていますが、

https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousei/slo5pa000001mn1k-att/slo5pa000001mnk0.pdf

事業費は2022年度の前回再評価時の650億円から一気に1069億円に跳ね上がっています。理由は以下の通りです。

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 (1) ラムサール条約湿地等のためルートが限定されている別寒辺牛湿原との交差部において、当初は湿原区間1.6kmの通過形式を渡河部40mを除き盛土構造で計画していたが、想定以上の軟弱地盤のため全区間において橋梁構造に変更せざるを得なくなり、該当区間の事業費が104億円から292億円に増加

 (2) 尾幌IC~厚岸IC間の2か所の橋梁において、地質調査の結果当初橋台設置を予定していた位置に地すべり土塊を確認したことから、橋長の見直しと基礎形式の変更が必要になり、約24.1億円増

 (3) 厚岸IC~糸魚沢IC間の3か所において、地質調査の結果岩掘削量の見直しが必要になった<当初は全量土砂を予想していたのが半分以上軟岩であることが判明>ため、約44.6億円増

 (4) 厚岸IC付近において、施工時に切土法面の変状が発生したことから、法面対策工の追加のため約8.1億円増

 (5) 厚岸IC~糸魚沢IC間の3か所において、軟弱地盤と盛土の間にサンドマット工を行う必要があるが、厚さが当初予定の50~80cmでは足りず120cm分必要となったことから、約8.0億円増

 (6) 資機材・労務単価の変動により約149.2億円増

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3.厚岸町糸魚沢~根室市厚床間

この区間は、計画段階評価にも至っておらず、いまだ構想のみの状態が続いています。

4.根室市厚床~根室市温根沼間

この区間も高規格道路としては構想のみの状態が続いていますが、「国道44号根室防雪」(地吹雪による視程障害、危険箇所及び交通事故の低減を図り、道路の安全な通行の確保を目的とした延長12.2kmの防災対策事業)が事業化されています。2025年度事業完了を目指していますが、2024年夏期に実施した自然環境調査の結果、工事箇所付近に希少鳥類が確認されたため、工程の精査中です。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ks/release/c86hsb000000gh4n-att/c86hsb000000h5wl.pdf

5.根室市温根沼~根室市中心部間

温根沼IC~根室IC間7.1kmは1999年度に「国道44号根室道路」として事業化され、2000年度に用地買収に着手し、5年後の2005年度に工事に着手しました。

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/29sai/2_h29_008.pdf

ただ、全通は工事着手から14年後の2019年度末(2020/3/22)です。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ks/release/b0sadt000000byin-att/200128-4.pdf

そして、根室ICから根室市中心部までは2km以上離れています・・・GoogleMapはこちら

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