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甲賀市信楽の「国道307号長野バイパス」の工事状況について

第三セクター「信楽高原鉄道」の信楽駅の南側で、新しい道路の建設工事が進んでいました。信楽駅と国道307号を結ぶ道路の途中から分岐して、大戸川を渡って丘陵地に向かうルートです。

現在の国道307号はGoogleMapの航空写真を見るとわかるように信楽町中心部を貫通しており、交通渋滞や安全面を考えると、中心部から丘を挟んだ大戸川沿いにバイパスを作るというのは自然な流れです。実際、航空写真では上記工事部分のほか、国道422号と大戸川が接近する手前でも山肌を切り崩す工事が進んでいるのがわかります。

ということで調べてみると、新名神高速道路の信楽ICから信楽市街地の南側の運動公園あたりまで国道307号のバイパス(一部現道拡幅)計画があり、信楽ICに近い側2.9kmは国の権限代行事業「国道307号信楽道路」として、残りの区間6.8kmは滋賀県が事業主体の「国道307号長野バイパス」として事業化されていることがわかりました。

https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/ippan/zigyohyoka/ol9a8v000000di0t-att/9.pdf (近畿地方整備局事業評価監視委員会の平成24年度第2回資料)

https://www.kkr.mlit.go.jp/shiga/road/307gou.html (近畿地方整備局滋賀国道事務所のサイトの信楽道路を紹介するページ)

権限代行事業区間のうち信楽ICとの取り付け区間は新名神開通に合わせ2008年に供用開始されましたが、残りの区間の完成は未定で、2023年度の事業計画では「1工区(信楽IC入口~県道大津信楽線との交差点間のバイパス区間)について調査設計及び取得用地管理工事を行う」とあります。2工区(現道拡幅区間)は何も工事が行われていないようです。

そして、国道307号長野バイパスのほうも2023年4月時点では大部分の区間が未着工のままです。

道422号と大戸川が接近する手前一帯も含まれる信楽学区自治振興会神山・江田分会のサイトに掲載されている「神山・江田だより第13号(平成29年7月発行)」の記事によれば、

https://www.kouyama-eda.com/koyamaeda_dayori/t13_gou/t13_007.pdf

2016年時点では「(信楽高原鉄道)玉桂寺前駅から国道422号までの区間を優先区間に位置付け開通に向けて工事を進めており、さらに信楽駅から国道422号までの区間を最優先区間として集中的に整備する計画であり、国道422号との交差部の完了は平成30年初めごろを予定している」とのことで、少なくとも5年は遅れている(現実には工事完了区間なし)わけです・・・

ただ、信楽駅から国道422号までの区間が最優先区間であることは令和になっても変わらず、滋賀県土木交通部道路整備課が2022年2月に作成した資料「社会資本整備総合交付金(中間評価)」の17~19ページ目によれば、

https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5308906.pdf

2004年に事業着手されながら20年近く経過しても完成のめどが立たない国道307号長野バイパス工区が「地域の交流と経済活動の活性化を支えるみちづくりの主要な事業」に選定され、最優先区間1.7kmについて集中的に事業を進めることで、早期の効果発現(完成目標は令和6年度)を目指すとのことです。

ただ、問題は「長野バイパスの最優先区間以外が現地での工事着手に至っていない」ことです。たとえこの最優先区間が開通して伊賀市方面~甲賀市中心部方面相互間の通過交通がバイパスに流れたとしても、信楽駅と国道307号を結ぶ区間の道路(観光客の徒歩経路)の自動車交通が現状より大きく増え、さらに信楽駅口交差点を先頭とする渋滞が新たに発生することになりそうです。そして、国道307号の京都府城陽市方面~甲賀市中心部方面相互間の自動車交通は、引き続き信楽町の中心部を経由し続けることでしょう。

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