境港(さかいこう)は山陰地方の最重要港湾ですが、港のある境港市(さかいみなとし)には高規格道路はなく、2022年2月時点では整備計画もありません。
1966年に国土開発幹線自動車道建設法が現行の体系になった際に「中国横断自動車道岡山米子線(岡山市~境港市)」が予定線となり、法令は現在も生きています。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332AC1000000068
しかし、高速自動車国道の路線を指定する政令における中国横断自動車道岡山米子線は「岡山市~米子市」となっており、米子~境港間は除外されてしまっています。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332CO0000000275
これに基づき建設されたのが、岡山自動車道であり米子自動車道です。
現在の米子自動車道の終点の米子ICを直進すると境港市に通じる国道431号につながっており、その国道431号は境港のメイン地区までずっと片側2車線の整備された道路なので、改めて高規格道路を整備する必要がないというのが国土交通省などのスタンスと思われます。一応米子ICから5kmほど北にある米子北ICまでは整備区間とされているものの、2006年の事業仕分けで凍結区間となり、2021年末時点では着工見込みは全くありませんでした。
しかし、2022年に入って、この凍結区間について、国土交通副大臣が鳥取県知事に対し凍結解除に向けて前向きに検討する考えが示されたことが明らかになりました。
https://www.nnn.co.jp/news/220202/20220202048.html
確かに完全片側2車線とはいえ海岸に近い低地の平面道路なので(GoogleMapはこちら)、多くの信号があり所要時間が読めず、かつ津波などの災害時には被害を受ける可能性が高いため、地元としては境港まで高規格道路を整備してほしいと要望するのはもっともですね。
実際、米子~境港間の高規格道路の早期実現を目指す地元自治体と観光・商工関係者らによる懇談会で公表された地元住民へのアンケート結果によれば、「回答者の約8割が米子市街での慢性的な渋滞に悩み、約9割が災害時にも安全に機能する代替路の確保を求めていることが分かった」とのことです。
https://www.nnn.co.jp/news/220208/20220208046.html
まずは米子IC~米子北IC(皆生温泉の近く?)の着工ですが、2022年度内に実現できるでしょうか?