2024/6/20付ブログ記事「大阪・関西万博アクセスバスのピーク時運行計画について」の続きです。
上記ブログ記事で
>「大阪・関西万博来場者輸送具体方針（アクションプラン）第4版」は2024年夏に公表予定とのことですが、このバス運行計画に変更があるかどうかに注目です。
と書きましたが、この第4版は2024/7/19付で公開されています。本編は178ページの大作です。
この中から、主にバスに関して新たに公開された内容をピックアップして紹介します。
１．水上交通の港と万博会場を結ぶシャトルバス （本文の14～15ページ、パワポ資料部分の15～16ページ目）
万博会場の夢洲は海に囲まれた埋立地ということで、水上交通によるアクセス（大阪市内から夢洲への航路、兵庫方面＜神戸港・神戸空港・淡路島＞から夢洲への航路など）が立案されましたが、船舶事業者からは「単体では採算ベースに載せるのは困難」と評価されており、ツアー等の旅行商品への組み込みがメインになりそうです。さらに、夢洲発着の遊覧航路も予定されています。
ただ、これらの航路が発着する夢洲の浮桟橋は3か所予定されていますがいずれも夢洲の北岸にあり、万博会場からは1km以上離れています。したがって徒歩でのアクセスは難しく、船シャトルバスによる二次輸送が必要ということです。無料の送迎バスであれば大型二種免許は不要なので乗務員確保のハードルは相対的に低くなりますが・・・
２．夢洲第１交通ターミナル （本文の16～18ページ、パワポ資料部分の19ページ目）
会場にすぐ隣接して設けられる交通ターミナルで、駅シャトルバス・Ｐ＆Ｒシャトルバス・船シャトルバス・空港直行バス・中長距離直行バス・タクシーが発着します。
現段階ではバスの発着場は34バース確保する予定で、内訳は以下の通りです。
駅シャトルバス・・・桜島駅発着が6バース、桜島駅以外発着が5バース
Ｐ＆Ｒシャトルバス（船シャトルバス兼用）・・・舞洲が7バース、尼崎が4バース、堺が4バース
空港直行バス・・・3バース
中長距離直行バス・・・5バース
３．夢洲第２交通ターミナル （本文の19～20ページ、パワポ資料部分の20ページ目）
会場から数百m程度離れた場所に設けられる団体バス専用のターミナルで、乗車バースは同時に数十台が利用可能な規模となっています。ここはあくまで乗降場所であり、待機場所は舞洲万博Ｐ＆Ｒ駐車場（夢洲第２交通ターミナルから約4km・所要時間15分）となります。
４．EVバスの充電場所 （本文の19ページ・29ページ）
桜島駅に発着する駅シャトルバスおよび舞洲万博 P&R 駐車場に発着する P&R シャトルバスは、全車両EVバスで運行します。そのため、EVバス乗務員の休憩と併せて継ぎ足し充電を行い、バス事業者の営業所への回送を減らす等により、必要となる運用車両数の最適化及び関連道路の交通量の低減を図る観点から、夢洲第２交通ターミナルと舞洲万博P&R駐車場に、EVバス用の充電設備を設置します。夢洲第２交通ターミナル内の充電設備は、同時に20台以上が利用可能な大規模なものとなります。
５．桜島駅から桜島駅バスターミナル間の乗り換え （本文の48ページ）
駅シャトルバス利用者の集中や交錯等を防ぐため、以下の2つの施策を予定していることが公式に案内されています。
①臨時改札口を設け、既設改札口から駅シャトルバス乗り場への経路を 2 ルート化
②駅前公園施設等の改良による、乗換時の列整理及び滞留に必要なスペースを確保
６．桜島駅～万博会場間のシャトルバスを実際に運行する事業者 （パワポ資料部分の12ページ目）
全車両EVバスで運行することになっている同シャトルバスですが、連絡窓口会社である西日本ＪＲバスはこのブログ記事を書いている時点では実はEVバス未導入です。
そして、同社から委託される形で以下の6社も運行します。
大阪シティバス、近鉄バス、南海バス、阪急バス、阪神バス、はやぶさ国際観光バス
この各社のうち南海バス以外は既にEVバスを導入しており営業運行中です。はやぶさ国際観光バスは泉佐野市のりんくうタウンにバス事業の拠点をおく貸切バス事業者ですが、補助金を受けて2台のEVバス（路線バスタイプで定員74名・うち座席35名）を導入済みです。
