毎日、湧き水を汲みにいく。
毎朝、昨日汲んだ湧き水を飲んでいるからだ。
それほど田舎ではない場所だ。
湧き水の場所より上に家が建っているのも見える。
ずーっと昔から、そこの湧き水はあって、たくさんの人が連日汲みに来ている。
役所が数年前に1度検査をしたらしい。
問題はなく、飲める水らしい。
でも湧き水の利用は「自己責任」でと、看板が立っている。
私は金がない。
浄水器もミネラル水を買う金ももったいない。
本当は世界一上等の浄水器が欲しい。
でも金がない、から湧き水を飲んでいる。
人がいないような深森の奥の湧き水ならともかく、
ある程度人も生活している場所に湧き水だ。
ここ数年、検査もしていない。
だから不安がある。
でもこの水が飲めなくなったら、死んでもいいかな..と思っている。
まさか死にはしないだろう..という思いもあるし半分冗談だ。
他にも汲んでいる人はたくさんいるし、大丈夫だろう。
今日も汲んできた。
冷たい。
夏は冷たく、冬は暖かい。
ずっと触っているとカジかんでくるぐらいだ。
私は汲み終えると、いつものように、背中から水をかけた。
一瞬ゾクっとする。
身体に悪い?
でもそれをやるのが好きなんである。
なかなかゾクっとすることって日常生活ではないではないか。
冷たい湧き水を頭から被り、背中を流れた時、ゾクっとする。
心臓がヒヤっとする。
地下から湧き出てきた水の温度を身体に響かせる。
あの湧き水がバイクで通える場所にあることに感謝している。
鉄や機械や化学調味料まみれの不自然な生活を送る私にとって、自然を感じられる場所だから。
大切なことは全て自然のなかにある。
他に何もいらないほど、発見の連続のはずなのに、本当は、私鈍感、ヒヤッ、ゾクッ。