本日午前2時、中国電力は上関原発建設予定地・田ノ浦で抗議を続ける祝島島民と支援の人たちを500人の作業員で包囲し、強引な建設工事開始を強行した。
海からは40隻という多数の台船が動員され、排水口の建設予定地に石を落とした。
ここはスナメリの生息が確認されているところで、カンムリウミスズメの生息も確認されている場所。
容赦ない破壊が開始された
現地のことは朝日新聞が以下のように伝えている。
http://www.asahi.com/national/update/0221/SEB201102210007.html
少し振り返って中国電力の動きを見てみた。
この2月1日に中国電力は上関原発の推進体制を強化している。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110221k0000e040041000c.html
中国電力:組織見直し 上関原発推進体制を強化 /山口
中国電力は1日、上関原子力発電所建設の推進体制強化のため、同日付で立地プロジェクトを社長直属の組織としたと発表した。
これまで同プロジェクトは電源事業本部の内部組織だったが、山下隆社長がプロジェクト長を兼務、プロジェクト長だった小野雅樹常務が新たに設けられた副プロジェクト長に就任した。地域への対応強化を図るため現地事務所を10人増員、社内の関連部署の要員も9人増やした。
中電は今回の組織見直しで、上関原発計画に対し社長自らが陣頭指揮を執る体制となり、強力なリーダーシップが発揮されると説明している。【小中真樹雄】
この山下社長が原発推進の急先鋒らしい。しかし6月の株主総会での退任が決まっている。退任する前に、なんとしても上関原発の建設を軌道に乗せるぞという推進他性の強化。その流れで、今日21日の工事強行があると見る。
原子力発電所の建設費は巨額である。ABWR型(137.3万kW)2基がつくり出す電気の量も莫大で中国電力関内には需要はない。原子力発電所を作れば、その分の核廃棄物が生まれる。日常使う工具や作業着、交換した部品などの低レベル放射性廃棄物、原子炉の中で核分裂したあとの使用済核燃料、それを切り刻んで再処理したあとの高レベル放射性廃棄物など。その処理費用も電力会社の責任で負担しなければならない。核燃料の購入費用、送電線の増強などを考えると関係する経費は2兆円にも3兆円にもなるはずだ。
中国電力の年間売上は22年3月期決算でおよそ1兆円。経常利益は580億円しかない。前年度はなんと赤字だ。この会社で、売り先不安定な発電所に1兆円も投資するのは無謀ではないのか。
山下社長は工事強行の前に、この問いに答える義務がある。
上関原発の建設予定地周辺には活断層が走っている。一番長いのは周防灘から岩国、五日市へと走る74.4kmの断層、次に大分県から伊予灘を走る33.4kmと40.1kmの二つの断層。この二つは一つの断層にも見え、そうすると73.5kmとなり、巨大地震を引き起こす規模の断層となる。
祝島の南側を走る断層は11.1km。これがまっすぐ伸びていれば原発建設予定地の直下を貫いている。中国電力の立地調査は、そういう状況を見落としており、原子力安全・保安院からも追加調査を求められている。
大きな活断層が走っているならば、中越地震による柏崎刈羽原発の破損状況を見ればわかるように、ここに原発など立てられない。その結論も出ていない状況で、どうして埋め立てを強行するのか。
山下社長はこの問いにも答える義務がある。
そしてこの海域の生物資源、生物多様性の素晴らしさがある。瀬戸内海で最後の残るスナメリ生息地であり、通常は渡り鳥のカンムリウミスズメの周年生息が確認されている。それほど餌となる魚介類が豊富ということだ。
田ノ浦でしか確認されていない貝類のナガシマツボをはじめナメクジウオ、スギモクなど希少種、絶滅危惧種の動植物が数多く確認されている。景観が美しいだけではない、生物多様性の観点から守らねばならない「奇跡の海」なのだ。
昨日には、新たに絶滅危惧種のクロサギの営巣も確認された。
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20110221ddlk35040221000c.html
上関原発建設計画:予定地周辺、クロサギ営巣の可能性 中電に追加調査要求へ /山口
長島の自然を守る会(高島美登里代表)は20日、中国電力の上関原発建設予定地周辺の鼻繰島で、県のレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されている、クロサギのものとみられる巣を確認したと発表した。
クロサギはサギ科の鳥で、体長は60センチ前後。岩礁の多い海岸などに生息する。巣は2月8日に確認し、直径約60センチ、高さ約25センチだった。複数の研究者に照会し「環境と巣の大きさから、クロサギの可能性が高い」との回答を得たという。2月2日には島の北側を飛ぶクロサギとみられる鳥も目撃したという。
01年の中国電力の環境影響評価書では、発電所計画地点中央部での生息が確認されているが、営巣の記述はない。
高島代表は、確認された場所が建設予定地から500メートルにある島の岩礁で、3月から繁殖シーズンに入ることから、「慎重かつ十分な調査が必要で、原発建設の埋め立て工事や多数の船舶の往来は厳に慎むべきだ」と主張。近く中電に追加調査を要求する一方、巣へのクロサギの出入りを確認する方針。【小中真樹雄】
これらの事実にまったく目をつぶり、平気で強引に原発建設を強行する山下社長。もうあと数ヶ月しか在任期間はない。最後は責任を取らないことが明らかな人間のこんな勝手放題が許されるのか。
山下社長は、この問いにも答えねばならない。
海からは40隻という多数の台船が動員され、排水口の建設予定地に石を落とした。
ここはスナメリの生息が確認されているところで、カンムリウミスズメの生息も確認されている場所。
容赦ない破壊が開始された
現地のことは朝日新聞が以下のように伝えている。
http://www.asahi.com/national/update/0221/SEB201102210007.html
少し振り返って中国電力の動きを見てみた。
この2月1日に中国電力は上関原発の推進体制を強化している。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110221k0000e040041000c.html
中国電力:組織見直し 上関原発推進体制を強化 /山口
中国電力は1日、上関原子力発電所建設の推進体制強化のため、同日付で立地プロジェクトを社長直属の組織としたと発表した。
これまで同プロジェクトは電源事業本部の内部組織だったが、山下隆社長がプロジェクト長を兼務、プロジェクト長だった小野雅樹常務が新たに設けられた副プロジェクト長に就任した。地域への対応強化を図るため現地事務所を10人増員、社内の関連部署の要員も9人増やした。
中電は今回の組織見直しで、上関原発計画に対し社長自らが陣頭指揮を執る体制となり、強力なリーダーシップが発揮されると説明している。【小中真樹雄】
この山下社長が原発推進の急先鋒らしい。しかし6月の株主総会での退任が決まっている。退任する前に、なんとしても上関原発の建設を軌道に乗せるぞという推進他性の強化。その流れで、今日21日の工事強行があると見る。
原子力発電所の建設費は巨額である。ABWR型(137.3万kW)2基がつくり出す電気の量も莫大で中国電力関内には需要はない。原子力発電所を作れば、その分の核廃棄物が生まれる。日常使う工具や作業着、交換した部品などの低レベル放射性廃棄物、原子炉の中で核分裂したあとの使用済核燃料、それを切り刻んで再処理したあとの高レベル放射性廃棄物など。その処理費用も電力会社の責任で負担しなければならない。核燃料の購入費用、送電線の増強などを考えると関係する経費は2兆円にも3兆円にもなるはずだ。
中国電力の年間売上は22年3月期決算でおよそ1兆円。経常利益は580億円しかない。前年度はなんと赤字だ。この会社で、売り先不安定な発電所に1兆円も投資するのは無謀ではないのか。
山下社長は工事強行の前に、この問いに答える義務がある。
上関原発の建設予定地周辺には活断層が走っている。一番長いのは周防灘から岩国、五日市へと走る74.4kmの断層、次に大分県から伊予灘を走る33.4kmと40.1kmの二つの断層。この二つは一つの断層にも見え、そうすると73.5kmとなり、巨大地震を引き起こす規模の断層となる。
祝島の南側を走る断層は11.1km。これがまっすぐ伸びていれば原発建設予定地の直下を貫いている。中国電力の立地調査は、そういう状況を見落としており、原子力安全・保安院からも追加調査を求められている。
大きな活断層が走っているならば、中越地震による柏崎刈羽原発の破損状況を見ればわかるように、ここに原発など立てられない。その結論も出ていない状況で、どうして埋め立てを強行するのか。
山下社長はこの問いにも答える義務がある。
そしてこの海域の生物資源、生物多様性の素晴らしさがある。瀬戸内海で最後の残るスナメリ生息地であり、通常は渡り鳥のカンムリウミスズメの周年生息が確認されている。それほど餌となる魚介類が豊富ということだ。
田ノ浦でしか確認されていない貝類のナガシマツボをはじめナメクジウオ、スギモクなど希少種、絶滅危惧種の動植物が数多く確認されている。景観が美しいだけではない、生物多様性の観点から守らねばならない「奇跡の海」なのだ。
昨日には、新たに絶滅危惧種のクロサギの営巣も確認された。
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20110221ddlk35040221000c.html
上関原発建設計画:予定地周辺、クロサギ営巣の可能性 中電に追加調査要求へ /山口
長島の自然を守る会(高島美登里代表)は20日、中国電力の上関原発建設予定地周辺の鼻繰島で、県のレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されている、クロサギのものとみられる巣を確認したと発表した。
クロサギはサギ科の鳥で、体長は60センチ前後。岩礁の多い海岸などに生息する。巣は2月8日に確認し、直径約60センチ、高さ約25センチだった。複数の研究者に照会し「環境と巣の大きさから、クロサギの可能性が高い」との回答を得たという。2月2日には島の北側を飛ぶクロサギとみられる鳥も目撃したという。
01年の中国電力の環境影響評価書では、発電所計画地点中央部での生息が確認されているが、営巣の記述はない。
高島代表は、確認された場所が建設予定地から500メートルにある島の岩礁で、3月から繁殖シーズンに入ることから、「慎重かつ十分な調査が必要で、原発建設の埋め立て工事や多数の船舶の往来は厳に慎むべきだ」と主張。近く中電に追加調査を要求する一方、巣へのクロサギの出入りを確認する方針。【小中真樹雄】
これらの事実にまったく目をつぶり、平気で強引に原発建設を強行する山下社長。もうあと数ヶ月しか在任期間はない。最後は責任を取らないことが明らかな人間のこんな勝手放題が許されるのか。
山下社長は、この問いにも答えねばならない。
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