竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

エネ経会議、三原、そして仙台

2017年08月24日 | 地域エネルギー
皆様、またしばらくのご無沙汰でした。
グリーンピープルズパワーが電気の供給を始めてから2ヶ月近く。
自宅もオフィスも、グリーンピープルズパワー電気にしておりますが、ちゃんと電気は供給されております。
電気の相談会も、順調に各地で開かれていて、少しづつですが着実に、電力ユーザーの数が増えています。
いま、最初の検針情報が入ってきて、今度は初めての電気代請求を9月に行います。
ちゃんと請求書は届くのか、間違いはないか、電気代は振り込まれてくるのか、ほんとにドキドキしながらの毎日です。


仙台で「電力自由化と再生可能エネルギー」講演会

そんな中を縫って、講演会と発電所づくりにも奔走しています。
まずは明後日に迫った仙台での講演会です。

テーマ 電力自由化と再エネの展望
日時 8月26日(土)午後2時半〜4時半
   会場受付開始は1時半から(96人で受付終了)
会場 仙台市市民活動サポートセンター6階
講師 竹村英明(市民電力連絡会理事長、イージーパワー株式会社代表取締役)
主催 NPOきらきら発電・市民共同発電所
入場無料

電力自由化と再生可能エネルギーの最新状況を、私がお話しします。



広島県三原市に発電所

いろいろな方々の縁がつながって、広島県三原市本郷というところで太陽光発電の発電所をつくことになりました。
まわりは、田んぼです。少し離れて、沼田川(ぬた川と読むらしい)が流れています。
関係者顔合せ、諸々確認ということで、8月22日に現地三原に行ってきました。
気温情報を見なかったのですが、40℃は超えているであろうという猛暑の日でした。
冒頭の沖繩のような写真は「三原港」です。

発電所の予定地には、まだ家が建っています。
土地の持ち主の方のご実家で、ご両親は亡くなられ、ご兄弟一同は東京など別の街にいらっしゃいます。
しかも、そのご兄弟たち、皆さんも高齢者・・・。
放っておくと、いま問題の荒れ屋敷になってしまい、ご近所に迷惑をかけるかもと、太陽光発電事業に提供することにされました。
古家は、壊すのが大変(お金がかかる)ですし、宅地を解体して平地にすると税金も高くなる。
それならば発電所にして、電気とお金を回す設備にしよう・・ということです。

お家の前の田んぼは、すでに黄色くなっていました。


それから、この家の納屋がすごくて、梁に使ってある材木が、長さ4m、太さ40センチくらいの一本柱でした。


これが南と北に2本あります。

エネ経会議のメルマガに「電力自由化と再生可能エネルギー」を寄稿

エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク(略して「エネ経会議」)のメルマガに「電力自由化と再生可能エネルギー」という原稿を寄稿しました。
無謀にも!電力小売事業に突入するのは、「実際に当事者にならないと、何が障壁で、どうすればそれが解決できるのか見えてこない」から・・ということを常々から語っています。
まだ、実際の小売開始ができてから2ヶ月なので、まだまだ片足いれてみた・・くらいですが、それでも、なんだかいろんなことが見えてきました。
そんな話をまとめました。(もともと、しゃべってたことも、かなりありますが)

ただ、このメルマガは会員でないと読めません。
メール添付で送れるので、希望者はメールアドレスをお知らせいただければ、転送します。

冒頭の部分だけ紹介しましょう。

電力自由化と再生可能エネルギー

1 本当の意味で電力自由化とは

 電力自由化から1年などと言われる。しかし海外の先進各国では、とっくの昔に電力自由化は終わっている。実は日本でも、大規模工場やビルなど2000kW以上の事業所は2000年から自由化され、そこに電気を供給する事業者もPPS(特定規模電気事業者)と呼ばれ営業を開始している。発電に関しては1995年からIPP(独立電気事業者)という名前で発電事業ができるようになっている。その後に順次、自由化範囲が50kW以上の高圧契約事業所まで下げられ、2016年の4月に一般家庭まで広げられた。全ユーザーが対象になったので、これを「完全自由化」と呼んだりする。
 間違ってはいけないが、日本は完全な自由化とは程遠い。「自由化」の意味は、誰でも電気を1)創れる、2)売れる、3)選べるという意味だ。創れる、売れるはわかるが、3)の「選べる」がよくわからない。これは、消費者が自分の好きな電力小売会社を選べるし、好きな発電方法の電気を選べるという意味だ。日本は現時点で、好きな電力会社を選ぶのはままならないし、まして好きな発電方法の電気を選ぶなんて絶望的だ。だから「完全な自由化とは程遠い」のである。
 電力自由化の別名は「電力システム改革」だ。電気を創って使う「仕組み」の大改革である。これまで、電気の仕事は一手に大きな電力会社がするものと思われてきたが、そうなったのは、太平洋戦争以後のことだ。もともと各地域に地域資源を活用した電力会社が無数にでき、周辺地域に電気を供給していた。太平洋戦争時に全部が政府に接収され、戦後に9つの地域の9つの会社に分割された(現在は沖縄を加えた10電力)。このときに地域独占が容認され、戦後復興にかこつけた、いわば特権を与えられた。これが日本独特の特徴である。
 この時に、競争がない地域独占だけでなく、総括原価方式という打ち出の小槌も与えられた。「総括原価」とは人件費や広告費、仕入れ代金など、電気事業のために必要な全経費のことだ。「総括原価」に一定比率(最近は3%)をかけたものが利益になるという方式だ。普通の企業なら利益を上げるためには経費を節減するのだが、総括原価方式ならば、分母の経費は大きい方が良い。経費を大盤振る舞いして増大させると利益も増える。無駄を積み上げ、電気代を高騰させる仕組みだった。
 諸外国でも、発電、送配電、小売が一体では、真のコストを見えにくくし、競争原理が入りにくく、ルールも社内ルールで企業秘密にできて不透明となると、三つを分けようと考えた。それが「電力システム改革」だが、電力会社側からすれば、会社を三つに切られる大改革である。日本の電力会社にはこれにプラスして「地域独占」と「総括原価方式」の特典も奪われる。そんなことをさせてなるものかと、激しい抵抗が実は今も続いている。

そして、この原稿で一番伝えたいのは、メリットオーダー。
日本では、この意味が正しく伝えられていないように思います。(安田陽さんは正しく伝えていますが・・)
政府の審議会等では、あえて「正しい意味」を無視して議論されているようにも思えます。
メルマガ寄稿後にも、図を少し修正しましたので、最新版のメリットオーダー図をお付けしておきます。



そして最後に、もう一度三原に。
三原は毛利元就の3人の息子の一人、小早川隆景の街なのですが、「タコの街」でもあるらしく、こんなユーモラスなものが・・。




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