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「Pluto」2巻 浦澤直樹

2005年04月29日 | 読書


手塚治虫の鉄腕アトムをベースに、浦澤直樹が脚色したコミック。
僕も幼い頃は、TVアニメ「鉄腕アトム」を楽しみにしていた一人です。
でも、断片的なストーリーしか覚えておらず、コミック版の鉄腕アトムも読んだことがありません。
ただ、アトムのスーパーヒーローとしての活躍に胸ときめかせたことはよく覚えています。

浦澤直樹が脚色すると、相当大人向けの苦さが前面に押し出されてきます。2巻では、アメリカのイラク侵攻に影響を受けたと思われる展開が見えたり、ゲジヒトの哀切に満ちた表情が独特なペーソスを醸し出したりしています。

1巻で発生した事件は、2巻でも真犯人の姿は見えてきません。そういう意味では、まだまだこれからの展開に期待するべき状況なのですが、お馴染みの登場人物が次々とこのシリーズにも登場してきて、本当に3巻以降に期待が高まります。
1巻のラストと2巻のラストがそっくりというのも、緻密な計算がされている様子で、楽しみです。

それにしても、幼い頃には、結構単純なストーリーでも興奮できたものですが、大人になると、浦澤直樹流の盛り上げがこんなに必要になるなんて、悲しいことですね。
もっとも、僕はちょっとおませなところもあった子供だったんで、アトムが子供向けに単純化されたストーリーであることや、そういう子供向けのストーリーに大人は熱中できないことを微妙に感じていて、今だけ限定だと思って見ていた(あるいは見逃していた)のですが、浦澤直樹によって大人でも楽しめる物語となって復活し、また楽しめる状況に居合わせたこと、この時代に生きていたことに多少感謝の気持ちが湧きました。

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3 コメント

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Unknown (たかこ)
2005-05-01 13:50:00
h_tutiyaさん、こんにちは。

『PLUTO』はかなり大人向けで深いですよね。私も原作は知らずテレビアニメのみですがアニメのアトムは「かなり道徳的」で「良い子な主人公」で最近リメイクされたアニメもなにげに「深い部分」も突っ込んであるモノの、結局は「ちゃんちゃん♪」っていうキレイすぎるオチに「大人になった私はついていけない……」状態だったのですが……。

浦沢漫画ならただの「良い子」作品で終わらず読めそうです。

これからの展開が楽しみですよね。
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浦澤直樹さん、凄いよ。 (SABO)
2005-05-01 16:07:19
お久しぶりです、こんにちはァ!

最近友達に「PLUTO」って何?浦澤直樹が書いてるのに何で手塚治虫が原作なの?って質問したばかりです汗。未だに読んだことないんですけど今一番読んでみたい作品ですね。浦澤直樹さんの作品は「20世紀少年」の単行本を集めていますけど、とにかくあのミステリーな雰囲気が好きなんですよ。計算に計算し尽された緻密なストーリー。はい、今度読んでみます!

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目が離せませんね (K2)
2005-05-16 00:01:39
TB&コメントありがとうございます!

h_tutiyaさんに教えていただいて、ようやく読みました。

私も浦沢氏と同じ時代に生まれてよかったなあとしみじみ思います。



浦沢氏と手塚氏の作品は、両方とも根底に生きる哀しさや切なさのようなものが漂っていて、それが共通項のようになっていると思うのです。絵柄は違うけど、コマから流れてくるものが似ている。だから違和感がないんじゃないだろうかと。
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