よんたまな日々

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故郷の話

2005年03月30日 | 日々徒然
先週のgoo TB 練習板のお題が、「あなたの故郷(出身地)を教えてください。」でした。
僕の出身地は、何度も書いているように、法隆寺なのですが、このテーマで書こうとして、書いては消し、書いては消しを繰り返していました。
どうして書けないかという答えは簡単です。家族との関係や、昔の家については、良きにつけ悪しきにつけ、それなりの思い出があるのですが、これが地域との関係となった途端に、急にどうでもよくなるという気持ちがあるからです。

法隆寺というのは、結構田舎で、法隆寺の周辺に土産物屋があり、その周辺に、いくつかのこじんまりとした集落があり、それ以外の部分は、山林か田畑という構成になっています。私が中学になる頃から宅地開発が進み、田んぼがまとまって住宅地になるケースが増えてきていて、最近でも、田舎に帰るたびに、どんどん普通の住宅地のエリアが広がっていますが。
まー、要は昔からある典型的な田舎町で、景色は美しく、人はのんびりしているのですが、他に刺激がないのか、すごく近所の噂話が好きです。
いや、これは、「近所が」を主語にして語るのは、間違っていて、実は「うちの両親が」なのかもしれませんが(注1)。世界情勢やホリエモンの話よりも、ご近所の何々さんのところはどこの高校に行っただとか、最近彼氏や彼女ができただとか、どういう病気になっただとか、結婚しても夫婦仲が悪いだとか、そういう話が、夕飯のときの家族の主な話題になります。

僕がこの東京という場所をとても気に入っているのは、本当に「隣は何をする人ぞ。」という精神であるところですね。
行き過ぎると、目の前で困っている人がいても無視して通り過ぎてしまい、極端な話治安の悪化につながったりするわけですが。その点、この下町、門前仲町の、ほどほどの距離で付き合っている親切なおばちゃん達の距離感覚というのは、とても住みやすいです。
気楽なマンション暮らしで、でも近所の人とは挨拶するし、行きつけのスーパーでも、「こんちわ」と声がかかる。誰かが困っていると、必ず声をかける人がいる。
でも、よほど迷惑をかけない限り、他人の生活には干渉しない。
本当に居心地がよいです。

ただし、ここに住めるのも、現役で仕事をしていて、賃貸マンションに住まわせてもらえる間だけ。うちの奥さんとは、こっちでマンション買うか、それとも、老後は奈良の実家に戻るかで時々話し合っています。
長男なんで、両親は当然実家に戻ることを期待しています。
うちの親が倒れると、待ったなしで、奈良に戻るしかなくなるのですが、両親が亡くなれば実家の土地建物を処分して、こちらでマンションを買ってみたいと思わなくもないです。
もちろん、実家の広い一戸建てと、こちらのかなり狭い目のマンションでも、こちらのほうが圧倒的に高いんですけど。

まー、僕も東京勤務がいつまで続くかわからんですし、うちの奥さんのキャリアもこのまま順調に伸びるのかもわからんですし。今はいきなりマンションを買うという賭けに出る気はないですが。先立つものもないし。

失敗してホームレスになるよりは、多少面倒くさい近所付き合いがあっても、田舎暮らしのほうがずっとましでしょうしね。

ああ、思わぬ生臭い話になってしまった。
思いで深き故郷よりも、cool な東京が大好きなよんだが、ある意味で田舎と切れていなくて、手離しで望郷の念を語るわけにはいかない話でした。

(注1)噂話が好きなのは、うちだけか?
そうでもないかもというエピソードを一つ。僕が東京に来て、うちの奥さんと付き合い始まる前で、見合いを繰り返していた頃の話です。ある日の朝、寮の部屋に電話があり、出てみると、うちの母でした。
「あんた、母さんの持ってくる見合い話に何か文句があるのん!?」
「いきなり、朝から何の話?こないだ見合いしたAさんとはちゃんと付き合っているやん。」
「だって、結婚相談所に申し込んだんやろ。」
「ああ、うん?何それ?」
「うちの近所に軒並み電話があって、『青山結婚相談所ですが、○○さん(うち)のご子息がこのたび、うちに申し込まれまして、うちは身元の確かな人しか入会できませんので、○○さんのご子息の話を聞かせてください。』と言ってきたそうよ。もう、近所のBさんやCさんが、そんな結婚相談所に申し込むくらいなら、いい人を紹介してあげるのにって言ってきて大変やねんから。」
「そんなん申し込むわけないやん。高い金かかるし、見合いの話はもうあんねんし、Aさんとも付き合ってんねんから。」
「そうやね。何でそんなとこから電話がかかってんやろ。」
「多分、Aさんの家族が、この話に乗り気になって、興信所にでも、身元照会したんとちゃう?」
「ああ、そうかも。」
「それにしても、東京の興信所はひどいね。田舎の近所付き合いを知らんねんやろね、多分。そんな電話かけまくっても、ばれへんと考えているねんやろね。」
という話をしていました。
結局、そのAさんとの見合い話は、相手が本気になってくるのが急に怖くなって断ってしまいました。だから、青山結婚相談所事件の真相もわかりませんでしたが。
ただ、その『青山結婚相談所』のおかげで、僕はどうもしばらく近所のいい噂話ネタになっていたみたいです。

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