なんか寂しい・・・

私がこの地に住み始めたばかりの頃は、スーパーは、ただ一つだけで、買い物はそこしかありませんでした。
私のブログにもよく登場するいつものスーパーです。
その後、食料品を扱う小さなスーパーが、あちこちにできましたが、衣料品や寝具、家庭用品などを扱うお店は、今でもそのスーパーしかありません。

ところが、そのスーパーが閉店することになったと言います。
私は、ちっとも知りませんでした。
少し前に孫たちから聞きました。
「えっ？うそ！」
と、私は思わず言いました。
「本当だよ。学校では、みんな知ってる。あのスーパーに勤めているお母さんがたくさんいて、その人たちから聞いたって、みんな言ってる」
と、言います。
私は、信じられない思いでいっぱいでした。
食料品に関しては、周辺にお店も増えて、お客さんを取られていることはあるかもしれませんが、衣料品や寝具を扱うお店は、そこしかありませんん。

その後、娘に、その話をすると、娘も本当らしいと言います。
「食料品は、もっと安くて新鮮なものを売っているお店はあると思うけど、衣料品を売っているお店は他にないでしょう。私は困るわ、私の着ているものは、上から下まであのスーパーのものだもの」
と、言うと、娘は、
「そんなの、お母さんだけだよ。私の周りであのスーパーで服を買っている人なんていないよ。」
と、言われてしまいました。

確かに若い人向きではないかもしれません。
でも、私にとっては、値段が手ごろなのが一番で、週に一度は、服のフロアを覗いては、よさそうなものがあるかどうか見ています。
そして、気に入ったものがあれば買ったりしています。

若い人のように、わざわざお隣の市にある大型のショッピングモールの中の有名なお店に行かなくても、私はそのスーパーの服で十分でした。
娘は、一番困るのは、そのお店の中に百円ショップがあるので、それがなくなるのは、困ると言います。
確かに私も同じです。
私は、もう一つ、そのスーパーの中にある安いカットのお店を利用しているので、それがなくなるのも困ります。それに、お中元やお歳暮もそこから贈っています。

本当なんだろうか？？？
他に大きなスーパーのない私の町で殿様商売をしていたスーパーが閉店するなんてことがあるんだろうか？
「だって、私がこの地に来た時からずっと利用してきたんだよ。あの店がなくなるなんて、考えられない・・・」
と、ブツブツ。
半信半疑でした。

ところが、先日、そのスーパーへ行ってみると、平日の午前中なのに、駐車場は一杯。
誘導の警備員まで出ています。
珍しいな、どうしたんだろう？
と、思いました。
何とか、奥の奥の方にやっと車を止めるスペースを見つけて、スーパーへ行くと、入り口にドーン！と
「閉店セール」
という、貼り紙がありました。
びっくりしました。
やっぱり、孫たちが言っていたことは本当だったんだ！

私は、その貼り紙を食い入るように読みました。
「３７年間のご愛顧ありがとうございました。」
という言葉から始まり、
３か月くらい閉店して、その後は、新しい店になるようなことが書かれていました。
新しい店がどういう店なのか、内容は書かれていないのでわかりません。
私が今の地に来てから３５年になるので、そのスーパーは、私が来る２年前に開店したということです。
私とともに歩いてきたスーパーなんだなと思いました。

閉店セールのため、２階、３階の衣料品や寝具、家庭用品、文房具などは、全部の品が１０～２０％引きで、売られているようです。
そのため、ものすごい人。
２階も３階もレジは大行列。
『最後尾』と書かれたプラカードを持った店員さんが立つくらいの行列でした。
お店の人たちは、大勢のお客さんの対応に大わらわで、活気でいっぱいでした。
みな、大きな声を挙げて、忙しそうに走り回っていました。

入り口の貼り紙を見ていないのか、
「今日は、珍しく人がいっぱいね。」
などと、言っている人もいました。
確かに、今までは、２階～３階は、土日でも、あまり人の姿を見ることはなかった気がします。

忙しく動き回る店員さんの姿を見ていて、なんだか私一人取り残されたような感じになりました。
周り中がたくさんの買い物をして、行列に並び、活気あふれた店員さんが動く中で、ぼーっとそれを見ている私がいました。
なんか、寂しい・・・。

私は、なんとなく行列の仲間にも入れず、何も買わずに帰ってきました。
なんだか、あのスーパーが閉店するのを見たくなくて、もう、行きたくないような感じすらします。

ネットで調べたところ、そのスーパーのグループは、経営不振のため、各地の総合スーパーを１割ほど閉鎖すると書かれていました。
私の付近には、他に総合的なスーパーはないので、あのスーパーがなくなることはないと思っていましたが、納得がいかないのは、私だけのようです（苦笑）