小学生のための 千字文漢字練習プリント

古代の中国で生まれた千字文で漢字を学ぶプリントです。
1日20分ぐらい。親子で取り組んでみてください。

77・78 学優登仕 摂職従政

2022年01月31日 | 千字文

 みなさん、こんにちは。

 今回は《学優登仕 摂職従政》のプリントをアップしました。

 そしてブログでは、「学」と「政」をとりあげます。

 

 学の旧字は「學」で、漢字の成立ち辞典によると爻(コウ・交わる、交差する)+子+臼(両手)+宀(家)で、子どもが先生に学ぶことを表しているそうです。

 学をふくむ文字には「交わる」の意味があり、

 覚 學の省略形+見で、もやもやした意識が一点で交わって、見えるようになる。さとる。覚醒。

 撹 まぜてかき乱す。撹乱。

 となるそうです。

 一方、政のなかにある「正」には「真っ直ぐ」のイメージがあり、

 政 国や社会を正しく治めること。

 征 正(真っ直ぐ)+彳(行く)で、真っ直ぐ進む。遠征。征伐。

 整 正(真っ直ぐ)+束攵(たるみを引き締める)で、整える。

 症 正+疒(ダク・やまい)で、病の症状が真っ直ぐ体の外に現れる。

 柾 木目が真っ直ぐな木。マサ。

 だそうです。学より正の方が、ストンと理解できる気がします。

  

 また、プリントにある、

 学而不思則罔 思而不学則殆 は、とても有名な言葉ですよね。

 罔が出てきたときに書き下し文をプリントに書きましたが、原文を載せていなかったので、意味と原文をここでまとめておきます。

 学而不思則罔 思而不学則殆

 学びて思はざれば則ち罔(くら)し、 思ひて学ばざれば則ち殆(あやふ)し。

 博く学ぶだけで自分の心で思いを巡らしてよく考え、よくその理を求めてみないと、学んだことがぼんやりとして道理を掴むことができない。自分の乏しい知識で思い巡らすだけで、博く他人の言や古人教えを学ばないと、考え方が狭く、一方に偏って、危険このうえない。(新釈漢文体系1 論語)

 プリントづくりのためにちょくちょく論語をひらいているのですが、さすがにいい言葉が多いですね。

 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。

 子どもが漢字を身につけるのに役に立つと思います。小学生のお子さんがいるお知り合いの方がいたら、よければこのブログを紹介してください。

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75・76 栄業所基 籍甚無竟

2022年01月31日 | 千字文

 みなさん、こんにちは。

 今回は《栄業所基 籍甚無竟》のプリントをアップしました。

 そしてブログでは「栄」の文字に注目しました。

 

 栄は旧字では「榮」と書きます。

 漢字の成立ち辞典によると、榮は火+火+冖(ベキ・枠を示す記号)で、枠のまわりをまるく取り巻いて燃えるかがり火の形で、

 「光の輪が取り巻く」

 「まわりをまるく取り巻く」

 というイメージがあるそうです。そのため、

 栄 木のまわりを花が取り巻いて咲くさま。

 営 まわりを取り巻く+呂(いくつも連なる)で、小屋などをいくつも連ね、まわりを垣根で取り巻いた場所。陣営。

 蛍 光の輪が取り巻く+虫で、光を放つ虫。

 となるそうです。ちなみに関連語として、

 労 燃えるかがり火+力で、燃え尽きるまで精を出すさま。精を出し尽くし、疲れる。疲労。

 というのもありましたが、漢字ができたころから、燃え尽きるまで働くなんてことがあるなんて、イヤですね。

 なおプリントにある、

 人皆知有用之用而莫知無用之用也 は、

 「人はみな、有用の用を知るも、無用の用を知るなし」と読みます。

 荘子の言葉で、役に立たないからこそ天寿をまっとうする、といった話です。

 現代的に翻訳すると、仕事ができるサラリーマンはどんどん仕事を任されて、最後は燃え尽きたり、体を壊したりしてしまう。

 でも、ぐ〜たら社員は仕事を任されないので、そんな目にはあわない。

 といった感じでしょうか。

 しかしそんなぐ〜たらは、すぐにリストラされてしまうような気もします。

 でもまあ、リストラされても体を壊すよりはマシかもしれませんね。

 「君、いつもなにやってるの?」

 と上司に聞かれたときに、

 「無用の用、という言葉をご存じですか? ふふっ」

 と、いってみたいですね。そんな勇気はありませんが。

 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。

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73・74 篤初誠美 慎終宜令

2022年01月31日 | 千字文

 こんにちは、みなさん。

 きょうは《篤初誠美 慎終宜令》のプリントをアップしました。

 そしてブログでは「終」に注目します。

 

 終の右側にあるのは「冬」ですよね。

 漢字の成立ち辞典をひらくと、「冬」は物をぶら下げたような形と冫(氷)の組み合わせで、保存食を蓄える寒い季節を暗示しているといいます。

 そして冬をふくむ字には、

 「いっぱいたくわえる」

 「中身が満ちる」

 というイメージがあるそうです。このため、

 終 冬+糸で、糸巻きに糸がいっぱいたくわえられて、最後まで行き着く。終わる。終了。

 柊 シュウ。農具の一種で、中身が詰まっている重い槌。日本ではヒイラギとも。

 となるそうです。

 正月は実家でのんびりして、最近はコロナの影響で外出の機会も減りました。

 たしかに、この冬はいっぱいたくわえてしまいました。

 わが身に!

 

 リンク先にあるプリントは千字文(岩波文庫)、漢字源(学研)などを参考にしてつくりました。

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