東京アローズ
サブ・プライム・ローンの信用不安から、端を発した景気後退局面は、急速に各国経済に深刻な影響を及ぼし始めた。
ドル安による基軸通貨不安、原油の乱高下、世界的株価の下落、食料不足による原材料高騰、ヘッジ・ファンド運用の不調で、投資信託の換金にも支障が出てきた。「奢れる者は久しからず」で、「日本は失われた10年」を経て、バブルは必ず破綻する事を学習した。
米政権末期のブッシュ大統領も、来年の1月の政権交代を控えて、慌しく金融不安回避に広範囲な活動を開始した。下記に米政府金融対策報道を参考までに列記したが、各国は自国経済減速のためにも、機軸通貨ドルの安定、各国内金融機関不安払拭に備えて、国際協調・協力が必要だ。米国及び各国金融機関の安定には、長期間(1年以上)を覚悟しなければならないと思われる。
不況下の物価高(スタグフレーション)で、日々の暮らしは苦しくなっている。
我々は、付和雷同することなく、衆議院選挙を控えて、将来を見据えた政権に、改革を託した一票を投じる事である。
技術力に勝る日本経済は必ずよみがえる事を信じて、日経平均一万円割れは将来に備えて、絶好の仕込み場である。買い下がりを覚悟して、銘柄選択は慎重に!
★日銀、異例のドル供給
10年前、海外でドル資金を調達する各邦銀がジャパン・プレミアムで、高利に苦しんだ事はまだ記憶に新しい。
米大手証券会社リーマン・ブラザースの破綻、メリルリンチ証券のバンカメへの身売り、保険最大手のAIGへの公的救済など米国内の金融機関の信用不安に対して、米国政府は日銀の他、欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行(BOE)、カナダ銀行、スイス国立銀行に対して、ドル資金供給協力を要請した。日銀は9月中に600億ドル(約6兆2400億円)を受け持ち、入札を実施。日銀が自国通貨でないドルを市場に供給するのは初めて。米国を含む各国中央協力銀行6行は、米連邦準備制度理事会(FRB)傘下のニューヨーク地区連邦準備銀行と、自国通貨とドルを売買する「スワップ協定」を締結。入手したドルを、ドルが必要な民間金融機関に円建てで担保を取って貸し出す。本日の報道でも、日本国内の外国金融機関向けに、日銀はドル貸付を準備した。
サブプライム問題が表面化した昨夏以降、欧米の短期金融市場でドルの調達が難しくなった海外の金融機関の中には、欧米に比べて動揺の少ない日本市場で円を借りた上で、ドルに交換する(ドル転)動きが目立っていた。しかし、最近ドルの出し手がいなくなり、こうした交換すら難しくなっていた。
★米財務省、邦銀・生保に対して、政府系住宅公社債の保有続行を要請
米政府が救済策を打ち出した政府系住宅金融機関の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディーマック)が発行する債券について、米財務省が日本の金融機関に対して、事実上、保有を続けるよう要請している事が8/12、分かった。異例の要請で、大量の売却に伴う市場の混乱を防ぐ狙いがあると思われる。現在の日本の金融機関が保有している同債権残高は下記の通りである。
農林中金 5兆3000億円
三菱UFJ 2兆8500億円
中央三井 7748億円
みずほ 1754億円
あおぞら 943億円
日本生命 2兆9000億円
第一生命 1兆3000億円
三井生命 894億円
明治安田生命 874億円
損保保険ジャパン 744億円
東京海上日動 632億円
三井住友海上 440億円
*以上は、米財務省の保証つきである
★不良資産買取規模・75兆円規模
米政府は最大約7千億ドル(約75兆円)の不良資産を金融機関から買い取る方針を明らかにした。30年代の大恐慌以来の大型救済になる。財政悪化によるドル安加速の危険も抱えるが、足元の危機解消を最優先する構えだ。政府が買い入れるのは、住宅ローンや商業用不動産融資などの債権、金融商品の住宅ローン担保証券(MBS)などで、期限は2年間。勿論、デリバティブ運用などの投機不良債権は除外される。
財源は国債発行(限度額を現行の10.6兆ドルから11.3兆ドルに引き上げる)で賄う方針。米国で80年代に貯蓄貸付組合(S&L)が多数破綻したとき、その不良債権を処理するため整理信託公社(RTC)がつくられたが、今回は救済規模で米史上最大という7千億ドルを動かし、買い取りの進め方が国民負担の規模や金融再生の成否に直結すため、財務省が直接対応処理に当たる。
◆本日麻生総裁誕生の運びだが、参考までに各候補による経済論争を整理。
★財政出動による景気対策を主張し、財政再建は先延ばしすべきだとする「財政出動派」(麻生太郎)
★財政健全化のための増税を主張すると共に、短期的な財政出動に理解を示す「財政再建派」(与謝野馨)
★構造改革の続行と歳出カットで財政健全化を目指す「上げ潮派」(石原伸晃・小池百合子)
★3者の中間的な立場を取る石破茂。
「財政再建派」と「上げ潮派」の対立軸が、存在感がなかった「財政出動派」が「上げ潮派」に代わって登場し、両派の駆け引きと妥協に関心が集まった。
「上げ潮派」は蚊帳の外となった。
「財政再建派」は増税によって社会保障を充実させようという考え方で、「大きな政府」で所得配分をする政治を志向する。
「財政出動派」は、景気回復のために政府が財政を使って経済に介入するべきだとの考えであり、これも「大きな政府」志向といえる。
両派の議論は親和性が高く、政策面の調整や妥協が図りやすい素地がある。
一方、小泉氏の流れを汲む「上げ潮派」は、歳出カットを主眼に置き「小さな政府」を目指す。
この点で、他の2派との間には大きな思想的断絶がある。外的な資源食糧価格の高騰によって景気が悪化する中で、「財政出動派」と「財政再建派」の議論が中心となり、思想的に距離のある「上げ潮派」が取り残された構図である。「財政健全化と金融緩和」が景気を良くする公式と言われてきたが、それはグリーンスパン時代の米国経済から導かれた教訓だった。米国の金融危機で、その通念は崩れつつある。金融緩和で好景気が続くと思われたが、住宅バブルが起きて、バブル崩壊で金融危機に陥った。
サブ・プライム・ローンの信用不安から、端を発した景気後退局面は、急速に各国経済に深刻な影響を及ぼし始めた。
ドル安による基軸通貨不安、原油の乱高下、世界的株価の下落、食料不足による原材料高騰、ヘッジ・ファンド運用の不調で、投資信託の換金にも支障が出てきた。「奢れる者は久しからず」で、「日本は失われた10年」を経て、バブルは必ず破綻する事を学習した。
米政権末期のブッシュ大統領も、来年の1月の政権交代を控えて、慌しく金融不安回避に広範囲な活動を開始した。下記に米政府金融対策報道を参考までに列記したが、各国は自国経済減速のためにも、機軸通貨ドルの安定、各国内金融機関不安払拭に備えて、国際協調・協力が必要だ。米国及び各国金融機関の安定には、長期間(1年以上)を覚悟しなければならないと思われる。
不況下の物価高(スタグフレーション)で、日々の暮らしは苦しくなっている。
我々は、付和雷同することなく、衆議院選挙を控えて、将来を見据えた政権に、改革を託した一票を投じる事である。
技術力に勝る日本経済は必ずよみがえる事を信じて、日経平均一万円割れは将来に備えて、絶好の仕込み場である。買い下がりを覚悟して、銘柄選択は慎重に!
★日銀、異例のドル供給
10年前、海外でドル資金を調達する各邦銀がジャパン・プレミアムで、高利に苦しんだ事はまだ記憶に新しい。
米大手証券会社リーマン・ブラザースの破綻、メリルリンチ証券のバンカメへの身売り、保険最大手のAIGへの公的救済など米国内の金融機関の信用不安に対して、米国政府は日銀の他、欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行(BOE)、カナダ銀行、スイス国立銀行に対して、ドル資金供給協力を要請した。日銀は9月中に600億ドル(約6兆2400億円)を受け持ち、入札を実施。日銀が自国通貨でないドルを市場に供給するのは初めて。米国を含む各国中央協力銀行6行は、米連邦準備制度理事会(FRB)傘下のニューヨーク地区連邦準備銀行と、自国通貨とドルを売買する「スワップ協定」を締結。入手したドルを、ドルが必要な民間金融機関に円建てで担保を取って貸し出す。本日の報道でも、日本国内の外国金融機関向けに、日銀はドル貸付を準備した。
サブプライム問題が表面化した昨夏以降、欧米の短期金融市場でドルの調達が難しくなった海外の金融機関の中には、欧米に比べて動揺の少ない日本市場で円を借りた上で、ドルに交換する(ドル転)動きが目立っていた。しかし、最近ドルの出し手がいなくなり、こうした交換すら難しくなっていた。
★米財務省、邦銀・生保に対して、政府系住宅公社債の保有続行を要請
米政府が救済策を打ち出した政府系住宅金融機関の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディーマック)が発行する債券について、米財務省が日本の金融機関に対して、事実上、保有を続けるよう要請している事が8/12、分かった。異例の要請で、大量の売却に伴う市場の混乱を防ぐ狙いがあると思われる。現在の日本の金融機関が保有している同債権残高は下記の通りである。
農林中金 5兆3000億円
三菱UFJ 2兆8500億円
中央三井 7748億円
みずほ 1754億円
あおぞら 943億円
日本生命 2兆9000億円
第一生命 1兆3000億円
三井生命 894億円
明治安田生命 874億円
損保保険ジャパン 744億円
東京海上日動 632億円
三井住友海上 440億円
*以上は、米財務省の保証つきである
★不良資産買取規模・75兆円規模
米政府は最大約7千億ドル(約75兆円)の不良資産を金融機関から買い取る方針を明らかにした。30年代の大恐慌以来の大型救済になる。財政悪化によるドル安加速の危険も抱えるが、足元の危機解消を最優先する構えだ。政府が買い入れるのは、住宅ローンや商業用不動産融資などの債権、金融商品の住宅ローン担保証券(MBS)などで、期限は2年間。勿論、デリバティブ運用などの投機不良債権は除外される。
財源は国債発行(限度額を現行の10.6兆ドルから11.3兆ドルに引き上げる)で賄う方針。米国で80年代に貯蓄貸付組合(S&L)が多数破綻したとき、その不良債権を処理するため整理信託公社(RTC)がつくられたが、今回は救済規模で米史上最大という7千億ドルを動かし、買い取りの進め方が国民負担の規模や金融再生の成否に直結すため、財務省が直接対応処理に当たる。
◆本日麻生総裁誕生の運びだが、参考までに各候補による経済論争を整理。
★財政出動による景気対策を主張し、財政再建は先延ばしすべきだとする「財政出動派」(麻生太郎)
★財政健全化のための増税を主張すると共に、短期的な財政出動に理解を示す「財政再建派」(与謝野馨)
★構造改革の続行と歳出カットで財政健全化を目指す「上げ潮派」(石原伸晃・小池百合子)
★3者の中間的な立場を取る石破茂。
「財政再建派」と「上げ潮派」の対立軸が、存在感がなかった「財政出動派」が「上げ潮派」に代わって登場し、両派の駆け引きと妥協に関心が集まった。
「上げ潮派」は蚊帳の外となった。
「財政再建派」は増税によって社会保障を充実させようという考え方で、「大きな政府」で所得配分をする政治を志向する。
「財政出動派」は、景気回復のために政府が財政を使って経済に介入するべきだとの考えであり、これも「大きな政府」志向といえる。
両派の議論は親和性が高く、政策面の調整や妥協が図りやすい素地がある。
一方、小泉氏の流れを汲む「上げ潮派」は、歳出カットを主眼に置き「小さな政府」を目指す。
この点で、他の2派との間には大きな思想的断絶がある。外的な資源食糧価格の高騰によって景気が悪化する中で、「財政出動派」と「財政再建派」の議論が中心となり、思想的に距離のある「上げ潮派」が取り残された構図である。「財政健全化と金融緩和」が景気を良くする公式と言われてきたが、それはグリーンスパン時代の米国経済から導かれた教訓だった。米国の金融危機で、その通念は崩れつつある。金融緩和で好景気が続くと思われたが、住宅バブルが起きて、バブル崩壊で金融危機に陥った。