会席料理 と 鼓囃子
向島と言えば、永井荷風の「墨東奇譚」の玉の井が浮かびますが、今は東向島という地名になっていて、現在の向嶋花街は少し川下の言問橋を渡ったところにあります。水戸街道と隅田川の堤に囲まれた一角に料亭17軒と鉄筋コンクリート建て3階の立派な見番(向嶋墨堤組合)が花街の風情を醸し出しています。近くには七福神の一つでもある長命寺・弘福寺があり、隅田川沿い七福神巡りでも賑わいます。長命寺といえば「桜もち」でも有名ですが、言問い団子の店も良く知られているところです。見番には芸妓衆120名(平成19年1月現在)が登録されていて、毎日芸の研鑽を積んでいます。昔のように旦那(パトロン)の支援を得ることなく、自分達の力で修行しているそうです。長引く不況や、官民癒着構造のスキャンダルで、かってのような接待の場所としての経営はとても困難。芸妓数全国一位,近く新東京タワーが建設され、墨田川に面した環境。伝統ある芸と下町情緒の継承、美食家を惹きつける会席料理のもてなしを含めた新しいタイプの花街の魅力を一般市民にどうアピールして行くか。今後、大いに注目されます。
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