つれづれなるままに

恐れ多くも、兼好法師のような文才はありませんが、日常の出来事を「ブログ」に表現できれば幸いです。’05.01.27.大安

◆ 「ハルとナツ」・NHK80周年記念ドラマ

2005-10-04 12:28:10 | Weblog
「身の丈で生きることの確かさ、尊さ」と脚本の橋田寿賀子が語る。昭和9年にブラジルに移民した家族と出港直前、眼病検査で不合格になり、日本に残されたナツ(妹)とハル(姉)が70年ぶりに、再会を果たす物語。70年前に姉妹で取り交わした数通の手紙がそれどれの事情で70年後の今、手にする。そこから、夫々の生い立ちの回顧が物語りとして展開されていく。


* 5夜連続ドラマ(10/2~6)の放映の為取敢えず、2日分まで論評をせず投稿中です。悪しからず。話には聞いていましたが、当時の日本の移民政策は本当にお粗末そのもの。また、70年前のわが国の生活水準もひどい。豊な現在に住む私達は、「もったいない」を旨とし、過去を振り返り、極貧にあえぐ国々への理解をもっと深めたいと思います。

三回目の今夜のストーリーで判った事ですが、ナツ(妹)からの便りは太平洋戦争勃発時まで、ハル(姉)は勿論戦中は不可能で、戦後21年にナツに手紙を書いている。次回、夫々が手紙を読んで、お互いの境遇を理解して上で、ナツがハルを宿泊先のホテルに訪ねる。それにしても、姉妹の父の頑固さはよくあるタイプではあるが、「郷にいて郷に従え」を解しない、外国生活に馴染めない典型的タイプだ。移民を出稼ぎ程度に考えたのは家族をより不幸にした。

  7年後のハルとナツ

第四話:姉ハルをホテルに訪ねた妹ナツは、ハルを箱根へと誘う。互いに過去を語り明かす姉妹。戦時中、ハルの父忠次は、村のリーダー中山耕太郎を目の仇にしていた。日本の敗戦を信じない忠次は、戦争は終わったこれからは、移民の日本人同士協力しあって頑張って行こうと説く、リーダー耕太郎に対し乱闘騒動を起こし、逮捕される。ハルは耕太郎の長男隆太から求婚されるが、父を思うと諦めざるを得ない。一方、日本のナツは闇市で自家製のチーズを売って大儲けをする。進駐軍の日系二世アメリカ人・ジョージ原田からクッキー作りを習い、製造・販売を始め、札幌に工場まで立ち上げる。ジョージは除隊して帰米する事になるが、ジョージの子を宿しているナツは同行を拒否し、洋菓子製造に打ち込む。
※ それにしても、姉妹の父・高倉忠次の世渡り下手の頑固親父の為に、家族が犠牲を強いられるのを見せられると、ドラマを忘れて、腹立たしい気持ちになる。


昭和24年、ナツは取引先だった山辺康夫の才覚を見込んで、彼のプロポーズを受けて子連れ結婚、会社を拡大していく。一方、ハルのもとへかって農園の仲間だった山下拓也が訪ねて来る。老い行く両親のために結婚を諦めていたハルは、サンパウロの大学で農業を学んで農園経営を志す彼のプロポーズを受けて、両家の祝福のなかで結ばれる。昭和34年、父忠次が亡くなった後、一家はサンパウロ郊外に移り、菊作りを本格的に手掛ける。ハルの二人の息子も手伝うようになるが、長男がハルの反対を押し切ってブラジル人と結婚。次男はハルの望み通りに日本から嫁をとる。あるとき、栽培した菊が多量に売れ残り、破棄する状況に追い込まれる。涙するブラジル人の長男の嫁をハルは抱きしめる。二人の間のわだかまりは、この時を境に、打ち解けてゆく。孫、ひ孫にも恵まれ、ハルは大家族の中で暮らす。日本のナツは東京に進出し、息子の異父兄弟と大きくなった会社を切り回す。(但し、二人の息子は、ホテルやゴルフ場に投資、結果として、ハルの製菓会社の足を引っ張る事になる)全てを語り合い、わだかまりが解けた姉妹は、固くお互いの手を握り締める。そして、ハルはブラジルへの帰途に着く。飛行機の中で、新聞を読んでナツの会社が吸収合併される記事を目にする。ブラジルに帰ったハルは、直ぐにナツに手紙を書く。後日、サンパウロに着いたナツを出迎え、念願叶って、やっと姉妹はハルの大家族に囲まれて暮らす事になる。

最終回(5日目)、感動した。前回までのストーリーが、苦労話に終始して、身につませれたり、腹が立ったりの連続だった。「身の丈で生きることの確かさ、尊さ」の意味、そして、個人として、日本人としてのアイデンティティ(identity)を示す、或いは、相手に認めさせる難しさについて考えさせられた作品。






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1 コメント

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見ています (ショコラ)
2005-10-04 18:50:07
今夜は第3回目。

初回は子役の迫真の演技に涙無しでは見られなかった。

ドラマとはいえ、末娘をひとり残しブラジルへ発った親の選択は理解に苦しむ。

朝刊に脚本の盗作問題が載っており、益々目が離せなくなりました。
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