つれづれなるままに

恐れ多くも、兼好法師のような文才はありませんが、日常の出来事を「ブログ」に表現できれば幸いです。’05.01.27.大安

◆米緊急経済安定化法案を否決した下院の良識と非常識

2008-10-01 21:19:54 | Weblog
米下院も大統領選挙と同時期(11月)に改選がある。選挙を直前にして、何故金融機関だけ財政(税金)で面倒を見るのか。サブプライムによる被害は直接、間接的に他の企業や民間にも及ぼしている。各金融関係者は高給取りも多い。米国でも格差が社会問題化している。
各地で「税金をウォール街や戦争に使うな」とデモが行われている。米選挙民の感情を無視し出来ず、同法案に賛成しなかった下院議員は、過半数を占める民主党議員(235議席)の40%、ブッシュ大統領の共和党議員(199議席)の70%にも達した。この予想外の結果が、ウォール街の証券市場で歴史的な暴落(777ドル)を招き、全世界の市場の急落に繋がった。ブッシュ大統領の権威失墜、米国の内向きの顔は世界の失望を誘った。

余波を受けた金融不安は、英国や欧州にも波及して、英国政府は29日「ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)」を国有化。今年になって、ノーザン・ロックの経営危機で取り付け騒ぎがあって、今回は素早く対応した。

28日夜、ベルギーは金融大手のフォルティスの国有化を決めた。
ドイツ政府も不動産金融大手「ハイポ・ルアル・エステート」へ5兆円規模の緊急支援をするほか、アイスランドも同国大手のグリトニル銀行国有化を発表。

三菱UFJファイナンシャル・グループがモルガンスタンレーに出資。野村ホールディングスがリーマン・ブラザーズのアジア太平洋部門に続いて欧州・中東部門も事実上買収。

一方、米政府の要請で日銀はじめ各国中央銀行は協調して、信用不安による流通不足のドル供給を実施している。

このように、信用不安から基軸通貨であるドルの流通をスムーズにするために、各国は協力して努力している。
確かに米国金融機関のモラルハザード問題は残るが、サブプライムローンによる金融不安を生んだ米国は、英知を絞って金融正常化に向って努力してもらいたい。

不良債権買取はサブプライムという価値のはっきりしない債権をどんな基準価格で買い取るのか非常に難問だ。
同じく、モラルハザード問題を超えて、かって日本長期信用銀行を一時国有化したように、資金繰りに窮した金融機関への公的資金の注入は不可欠と思われる。

金融工学から生まれた債権の証券化は、資金流動化に画期的効果を生み出したが、ジャンク債の一つで、市場価値に疑問のあるサブプライムローンを、通常のプライムローンとミックスして販売するという金融機関の行為を放置した米政府の責任は大きい。

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