読んだあと、「いい話だねえ~!」としみじみ言うので、どんな話か聞いたら、途中まで言って、クライマックスのページを読んでくれました。
コククジラの親子が、エサが豊富な北の海、ベーリング海に向かう途中、シャチに襲われる様子を描きます。太平洋からベーリング海に向かうには、ユニマック海峡という狭い海域を渡らなくてはならず、そこでコククジラの子どもはシャチに襲われ命を落とします。
NHKスペシャルの内容を絵本化したものだそうで、語り口は物語調とはちょっと違いますが、描写が具体的で説得力があり、繰り広げられる命の凌ぎ合いはドラマチックで物語そのものといった雰囲気です。
クジラ対シャチ 大海原の決闘 監修:NHKスペシャル制作班 / 文:本木洋子 / 絵:高田三郎出版社:新日本出版社 |
息子が読んでくれた場面は、ひとりで海峡にきた別のコククジラの子どもが、シャチに襲われそうになった時、シャチよりも大きいザトウクジラが助けてくれるという所でした。
仲間を大事にするクジラは、種類が違うクジラでも親クジラたちが子供たちを囲んでたすけあうということです。
ほんと、ええハナシや・・・。この辺で満腹感はあるのですが、この本は難関を突破してたどり着く、ベーリング海の恵み豊かな光景を描きだし、やがて独り立ちする子クジラの後姿を見せて終わります。ほんと、NHKのドキュメンタリーを見ているみたいです。
シャチにしても、悪者扱いされているワケではなく、子育ての時期であることに言及し、食べ残しが海辺に流れ着くことで、冬眠から目覚めたクマが生きていけることを教えてくれます。
こんど、高学年に読んでみようかな。(説明入れて、約12分)