引き続き、漱石の明治32年1月の旅から紹介します。今回は、1月2日の宇佐八幡宮での句を何句かあげてみます。
〇兀(こつ)として鳥居立ちけり冬木立
*〈兀〉は山などが高く聳えていて上が平らな様子
を言いますが、ここでは鳥居の高い様を言ったも
のと思います。
〇神苑に鶴放ちけり梅の花
〇ぬかづいて曰く正月二日なり
〇南無弓矢八幡殿に御慶かな
*宇佐八幡神宮の一之御殿に祭られている八幡大神
(応神天皇)は、弓矢にゆかりの神でもあります。漱
石は弓を嗜んでいて、松山から熊本へ赴任する際
も弓矢を自ら持参したと言われています。〈御慶〉
は、ここでは新年のご挨拶です。また、〈南無八
幡大菩薩〉という語があるように、八幡は神仏習
合の象徴的な存在です。
宇佐市観光協会のHPから転載しました。↓
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