ハナウマ・ブログ

'00年代「ハワイ、ガイドブックに載らない情報」で一世を風靡した?花馬米(はなうま・べい)のブログです。

隠されているコロナ感染者たち

2020年02月23日 | 沈思黙考

最近奇妙なことを聞いた。
社内で感染者が出ているのに、その事実について箝口令(かんこうれい)が敷かれているというのだ。感染が判明するのは医療機関での検査の結果なのだから、その医療機関から行政機関へ然るべき報告がなされるはずである。
しかしその事実が公表されるまでは一定の時間を要するだろうし、公表されたとしても
「〇〇県在住の、(職業)の、〇〇歳男性(女性)」
というボンヤリした情報でしか公表されない。

微妙な話なので、ここでは「あくまでも個人の周囲での話」という前置きをしておきたい。
私がここ1~2年、関心をもって注視しているタクシー業界の関係者から聞いた話では、社内ですでに感染者が複数出ていることを認めているものの、箝口令が敷かれているというのである。
その現役乗務員によれば、タクシーは営業所を出発する前に必ず、専用の機器によるアルコール検査、運行管理者との1対1の対面点呼、複数の乗務員を集めての集合点呼を受けなければ、出発(出庫)することが出来ないのだそうだ。
その集合点呼の際、社内の複数の乗務員がすでにコロナウィルスに感染していること、そしてその事実について誰かに聞かれても「知らない、わからない」と答えるように指示されたというのである。

風評被害を恐れて、自分の組織内に感染者が出たということを伏せておきたい事業者があってもおかしくはない。競争原理が働いている民間事業者にとっては、自分の組織内での感染者発生の事実は、できれば伏せておきたいと思うのは自然なことだ。
しかし、こと得体のしれないウィルス感染症においては、まわりまわって自分自身の首を絞めることにはならないだろうか。

感染者の広がりとその内容は、もう少し詳しく公表されてもよいのではないかと思う。事は一刻を争う「(人から人へ感染する)伝染病」なのである。そのうえで風評被害が認められれば、そのあとに必要な手当てを行えばよいのではないかと思う(もちろん風評被害を抑える努力も必要だ)。
そうすることで、全体としての損失を低下させ、より速い正常化へ進みだせるのではないかという気がする。

今回ダイヤモンドプリンセスという豪華客船は、世界的な「ブランドイメージの棄損」を被ったといえるかもしれない。そればかりでなく「客船クルーズ」という旅行商品全般のイメージ棄損にもつながっていると言えそうだ。
前出のタクシー会社の例でも、「〇〇タクシーはヤバイ」「他のタクシーを選ぼう」「そもそもタクシーはヤバいんじゃないか」といった、十把一絡げな単純思考の人間が出てくることは予想される。
しかし事実は事実として認め、そのうえで「当社は(または業界としては)こう考えている、こう対処している」という姿勢を示したほうが、後日、企業倫理の面からも人々の支持を得られるのではないだろうか。
自分の目先の利益を守るために事実を明らかにせず、その結果感染の拡大の一助となってしまったとなれば、そちらのほうが社会的に罪深い気がするのである。

新型コロナウィルス。いま報道されている以上に広がっているのかもしれない。


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