本日はまた、ガラリと話題が変わりまして、弦楽四重奏でございますです。
その名は「なでしこ室内楽団」。ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロの4人の女性で編成される華やかな弦楽ユニットです。
今年結成されたばかりという「なでしこ室内楽団」。その初のライヴ演奏に、ひょんなことから参加させていただきました。
ときは元禄...いやいや、7月31日(日)。場所は東京・お台場(正確には有明)の27階建てタワーマンションの最上階にあるバーラウンジ。これが居住者用の共用空間というのですから、まずおどろきました。
夕刻からの2ステージで、お客さんもソファなどでワインなどを楽しみながら、弦楽四重奏の生演奏を楽しむという趣向です。
「弦楽四重奏」とはいってもまったくカタ苦しいものではなく、誰でも聞いたことがあるクラシックや、ビートルズナンバー、ジャズ系など楽しめる曲ばかり。お客さんもヤンヤ・ヤンヤの声援で大変盛り上がりました。
8月8日には東京・恵比寿にある恵比寿アートカフェでもライヴが行われるとのことです(ちなみに8月8日と言やぁ拙者の誕生日)。
「ヴァイオリン族」というのでしょうか、ああいった管弦楽で使われている弦楽器というものは、かつて拙者が「F」のコードが押さえられずに挫折したギターのように、フレットというものがありません。
ちなみにフレットとは、弦楽器で音程を変えるために弦のある1か所を押さえた時に、弦の振動数(震える弦の長さ、すなわち音程)を一定にするための突起のような部分のことです。
これがあれば、多少指の押さえる位置がズレても、必ず一定の音程を出すことができるので大変便利に思います。ギターなどでは、複数の弦の押さえ方のパターンを習得すれば、コード(和音)を鳴らすことが可能となります。
ところが、ヴァイオリンやヴィオラ、チェロなどにはこういったフレットがありません。なんてまた、ややこしい楽器なんだろうと思ってしまうわけでありゃぁすが、これがまたミソなのであります。
確かにフレットのない弦楽器では、指の押さえる位置が少しでもずれたり、指の角度を変えるだけで音程は変わってしまいます。しかし逆に言えば「微妙なコントロールが自在に可能」とも言えるわけです。これはたとえば、独奏やソロをやる場合などのヴィブラート(音程の揺れ)で、歌い上げるように演奏することが可能になったり、合奏する場合などでは各楽器の微妙な音程の揺れが重なって、コーラスのような効果を生み出して、音に豊かさや厚みを出すことができます。
音程の揺れは決してオンチなのではないので、「ダメ」なことではなく、効果的な音楽表現のテクニックであり、感動的な音楽(歌唱も含めて)を創るのにとても大切です。
一歩間違えば単なるオンチ。しかし上手に揺らせば感動。不思議なものです。人間世界は何事も「程度」が大事ということでしょうか。
ちなみにピアノは「打弦楽器」という分類になっていて、確かに弦をハンマーで叩いて音を出す仕組みになっています。
で、鍵盤上のひとつの音を押し下げた時、叩かれる弦は1~3本なんだそうですが、調律師がこの弦の張り具合を調整するとき、複数の弦を使っているところでは、ビミョーにそれぞれの弦の音程をずらしているのだという話を聞いたことがあります。そうすることによって人間が聴いた時の心地よさに影響するというのです。
微妙な揺らぎ、微妙な違い、これぁ音楽だけでなく、人間関係においても科学の世界でも、この世のすべてにおいて重要なキーワードなのかもしれません。
私は時々、アルコールの影響下で揺らいでいますが...あ~ヨイヨイ。