ハナウマ・ブログ

'00年代「ハワイ、ガイドブックに載らない情報」で一世を風靡した?花馬米(はなうま・べい)のブログです。

選挙権売買も防止できるIT選挙

2017年10月22日 | 沈思黙考

選挙の行方を議論するのもいいが、その手続きが果たして妥当なものなのか、私たちは考えなければならない。
筆者は「IT選挙」とでもいうものが、民主主義の革命的進歩につながるのではないだろうかと考えている。
だがその議論すらも盛り上がらないことが、今の日本の大きな問題点の一つである。

今回の選挙も何らかの結果が出るわけだが、投票率と得票数を掛け算してみて、それが本当に民意を反映しているといえるのかどうか、「当選」した議員たちやそこから導かれる政権に「正当性」があるといえるのかどうか、よく考えなければならないと思う。


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筆者はきょう、大雨警報が発令されている土砂降りの中を投票に行ってきた。
その手続きは、「投票のご案内」という紙を近所の小学校に持っていけば、厳密な本人確認もなく投票が出来てしまうというものである。
また高齢者をはじめとした「外出弱者」とでもいう人々も、天候などの条件にかかわらず投票所へ足を運ばない限り、意思表明が叶わない。
このようないまの投票方法は、この時代のこの国の民主主義の手続きとして、果たして妥当なものといえるのだろうか。
さらに原理的には「投票のご案内」という紙を売買するなどということも考えられる。人気アーティストのコンサート会場前さながらに、投票所前でダフ屋が並ぶなどというお笑いネタさえ思い浮かんでしまう。

個人認証に関しては、指紋や静脈、虹彩、顔など様々な技術があり、すでに我々も空港やATMなどで日常的に利用している。
仮に「IT選挙」が現実のものとなれば、外出することなく、いや世界中どこにいようとも、スマホなど手元の端末で個人認証を行い、瞬時に投票することが可能になる。
ということは、数年という期間を待つことなく短期間に、かつ個別の問題についても有権者の「いまの意思」を知ることも可能となる(逆に近視眼的な意思決定に翻弄されやすいともいえる)。


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もちろん、実用化には様々な問題が考えられる。
高齢者を中心に、自らの意思を「端末」を使用して行うことが出来るのかといったこともあるし、情報通信機器は固定電話だけといったような人々に端末を配布したり、一定の教育を施すためのコストやその人材の確保といった問題もある。
さらに投票から結果の確定まで、情報システムのセキュリティが厳格に保証されなければならない。この部分にもそれなりの税金投入が必要となるであろうし、若者を中心とした「IT人材」の確保も必要となる。

「IT選挙」へ移行する場合でも、新しい投票方法と従来のそれを選択できるようにしたり、段階的な移行や、特区のように地域限定的に始めるなどといった、運用面での工夫も検討される必要があろう。
そしてなにより、民主主義の根幹を支える選挙手続きを見直すということそのものについて、慎重な国民的議論がなされなければならない。

さまざまな問題は湧いてくるが、少なくとも「IT選挙」についてもっと議論が盛り上がることが望ましいと思う。
たしかに短期的コストはかかるが、この国を長期的に考えるならば、そして民主主義というものを真剣に考えるならば、大変有用な支出(国民負担)といえるのではないだろうか。


 ◆

いずれにしろ、期日前投票も含めてわざわざ特定の時間帯に特定の場所へ行かねばならない投票方法は、この時代のこの国の民主主義の手続きとして、このままでよいのかどうか、考えてみる価値はありそうである。
もしかしたら、IT選挙の議論が盛り上がると具合の悪い人々はいるのだろうか。いるとすればどのような人々なのだろうか。

国民の人口に比べて、国会議員の数が妥当なものであるかどうかも、私たちは考えなければならない。彼らはザッと、年間一人2億円ほどのコストがかかる人間たちである。しかも一般国民に比べて一年のうち何か月働いているといえるのかさえ疑わしい場合も少なくない。そしてそれは世襲的特権とでもいえそうな状況である。

この国は少子高齢化でつまづく前に、民主主義の崩壊で転んでしまうのかもしれない。


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