半次郎の“だんごんがん”

要するに、居酒屋での会話ですね。
ただし、半次郎風のフレーバーがかかっています。
≪安心ブログ≫

『インプラント』

2012年10月26日 12時39分07秒 | ★ やや半次郎の世界 ★

こんにちは、やや半次郎です。

競馬のG1がある週は、土曜日ではなく金曜日に投稿することにした、やや半次郎です。

では早速、やや半次郎の世界をお楽しみ下さい。

………………

『インプラント』

気付いた途端に怖くて堪らなくなることってあるよねェ。
知らない時には何でもないのに…。

あっ、僕は“マックロナルド”でアルバイトをしている黒田と言います。
学生です…、と言いたいのですが、8年通った挙げ句に卒業させて貰えず、やむなく中退しました。
だから今は、ここのアルバイトだけをやっています。
早い話がフリーターと言う訳です。

因みに、“マックロナルド”って何のお店だと思いますか?
大抵の方はハンバーガーショップと勘違いされて入って来ます。
でもハンバーガーショップではありません。

では、何のお店でしょうか?

ジャ~ン、正解は…、日焼けサロンです。
そのまんまのネーミングでしょ。
だけどどうしてもハンバーガーショップのあのお店の影響が強いようで、困っています。

あっ、そんな話はどうでも良かったですね。
“気付いた途端に怖くなること”というのは、インプラントのことなのです。

いえいえ、歯医者さんで歯を植え込む話ではありません。
あれもインプラントに違いありませんが、僕の言っているのはもっと大掛かりなインプラントの話なんです。

よく人間が、動物の生態を調べる為に、小型の発信機を身体に埋め込んで、彼らの行動範囲を調べたりする、アレです。

どうやら僕の身体にもインプラントされているようなんです。
いえ、病院や診療所といったところにはこの10年、掛かっていませんし、ホテルや旅館に1人で泊まったりしたこともありません。
なのに、インプラントされたのです。

えっ、どうしてそう思うのかって?

そう、詳しい日にちは覚えていませんが、確か3ヶ月ほど前になるでしょうか、今まで感じたことのない微かな振動に気付いたのです。
深夜の2時頃でした。

最初は、マナーモードにした携帯電話が鳴っているのかと思ったのですが…。
そうです、携帯電話のバイブが振動したかのような感覚があることに気付いたのです。

しかし、携帯電話を探してみて気付いたのですが、携帯電話はテーブルの上に置いてあり、しかもマナーモードになっておらず、バイブの振動が起こることは無いはずなんです。

そんなことが何度となくあったので、心配になり、近所の病院に行って検査して貰うことにしました。

因みに、病院と言うところは病気の疑いがないと健康保険の保険証が効かず、自費扱いになるのです。
僕は咄嗟に、「胸が震えて苦しい」と、さも病人のように振る舞い、保険診療をして貰いました。
但し、その行為が詐欺になるか否かは、ここでは話の都合上、割愛させて貰いますね。

先ず、胸のレントゲンを撮り、その後、心電図を測定して貰いました。

診察室で、測定した心電図の説明をして貰いましたが、中年の恰幅のいい先生が仰るには、不整脈が出ているようだが特に問題ないとのこと。

先生、そんな筈は…と言いかけて、言葉を飲み込んでしまいました。
僕の身体に発信機を埋め込んだヤツらは、相当に進化したヤツらに違いない。
だから、心電図なんかでは分からないんだ!

でもレントゲンならハッキリと写っているはず。
…そう思って、レントゲン写真が現像されて来るのを待ちました。

やっとレントゲン写真が届きました。
出来たてのレントゲン写真を、先生と2人で見つめました。

確かに至る所、白いモノが写っています。
でも肝心の発信機らしきモノは無いようです。

先生は、「この白いモノは血管だと思うが、気になるのならばCTスキャンを撮りますが、どうされますか」と言ってレントゲン写真を見ていた大きな眼で、僕を見つめています。
「お、お願いします」と僕。

CTスキャンで分かったのですが、僕の身体の中には、少し太い血管とほとんど変わらない円筒形の人工物が埋め込まれていたのです。
一体、いつ埋め込まれたのか…。

「どうしてこんな手術をしたのですか?」と先生。
「僕には分かりません。」
「だけど、手術痕がないなぁ。これだけの手術が出来るなんて、相当な名医だ。」
そう言われても、僕には誰だか分からない。

「取り除きますか?」
「い、いや、ちょっと待って下さい。もう少し考えてみます。」
僕はそう言って手術を拒否し、家に帰りました。

あれから一体何日が過ぎたのだろう。
今も、きっかり深夜の2時になると、微かな振動を感じます。

一体、どんな信号を送っているのか?
そして…、その相手は一体…?

僕の行動を監視している奴らは、一体、何の目的で…?

こうなったら、僕の身に起こっていることの真相を調べ上げるまでは、このままにしておこうかと覚悟を決めました。

いつかまた、結果が分かった時に、皆さんに報告しますね。

恐怖は、こんな風に突然に、誰の身にも起こるものなんですね。

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