夜にとける 2020-07-14 21:35:12 | 言葉 生ぬるい風髪に絡み付いて引き止められた夜空の下星のにおいは届かず雨の気配ざわめく大気が平常心を揺らし乱す風が運ぶ頬に落ちた雨粒は透明な路(みち)となった重そうになびく外灯の光を吸った髪の束がはしる先に目をやったそこにあるものが何か 知らない現在地不明ここが何処かなど教えてくれる誰かは居らずひと筋の影がさまよいながら頼りなさげに 夜にとけてゆく